食料品に自動車、資源エネルギー、宇宙開発まで。ありとあらゆるものを手がける「総合商社」。一方で、繊維や鉄鋼、自動車部品、日用品など、ある特定の事業分野を手がけるのが「専門商社」だ。世界的に日本特有の業態と言われる商社業界だが、数社の総合商社以外はすべて、BtoBの企業間取引を仲介する専門商社と言える。幅広い事業領域を象徴して、総合商社は「ラーメンから、ロケットまで」と呼ばれるが、実はラーメンは食品系、ロケットは機械・エレクトロニクス系と、それぞれの事業分野に深く根ざした専門商社もまた、持続的に日本のものづくり産業を支え続けている。

商社は本来、海外輸入や国内メーカーから仕入れた商品を、輸出や国内小売業へ販売し、貿易・仲介・物流の「流通」や、資金運用・決済の「金融」で手数料を得る“Trading company”だ。だが近年は専門商社も、積極的な事業投資でつくり手(メーカー)と売り手(小売)や使い手(消費者やユーザー)をより良いかたちでつなぎ、独自性をより強化する事業展開へとシフトしている。
時代の流れを先読みする「情報」の収集・分析、新商品の調達、物流の効率化…。「川中」の物流機能だけで終わらず、メーカーとの経営統合やプライベートブランドの開発・販売、小売店への販売支援の強化など、ビジネスプロセスの川上(ものづくり)から川下(小売)までを一貫して手がけることで、さまざまな付加価値を生み出す重要な役割を果たし、存在感を増している。
トレーディングの川上から川下をつなぐ「つなぎ役」から、顧客企業・商品の付加価値の創造と高度化を担う「パートナー」へ―。今後、さらに日本メーカーの海外進出が進むなかで、専門商社も海外展開や、専門分野の垣根を越えた再編・連携が活発化していくなかで、自社のコア事業を見極めつつ、業界全体を見渡した顧客の競争力強化と企業価値向上のサポートが、これからの専門商社に求められている。

食料品に自動車、資源エネルギー、宇宙開発まで。ありとあらゆるものを手がける「総合商社」。一方で、繊維や鉄鋼、自動車部品、日用品など、ある特定の事業分野を手がけるのが「専門商社」だ。世界的に日本特有の業態と言われる商社業界だが、数社の総合商社以外はすべて、BtoBの企業間取引を仲介する専門商社と言える。幅広い事業領域を象徴して、総合商社は「ラーメンから、ロケットまで」と呼ばれるが、実はラーメンは食品系、ロケットは機械・エレクトロニクス系と、それぞれの事業分野に深く根ざした専門商社もまた、持続的に日本のものづくり産業を支え続けている。

売り手や使い手、時代のニーズを的確なマーケティングでつかみ、本当に必要な商品が何かを、つくり手にフィードバックしていく。そんな企画提案のスタイルが、専門商社の営業の強みであり、醍醐味だ。今後は、世界を舞台に活躍するチャンスと期待も大きい。商社ならではの高度な物流・情報システムを構築するSEに、営業事務。どの仕事も、縁の下の力持ちではなく「自らが主体」となる新しい専門商社に、なくてはならない存在だ。