インタビュー3 建設業の枠組みを超えて、“安全環境創造業”をめざしていく 橋梁技建株式会社 代表取締役 杉本 博樹 大阪の土木専門商社に勤めていた父親(現・会長)が、独立して創業。一目で何屋か分かるように会社名を「橋梁技建」と名付ける。杉本氏は1989年に入社。当時20歳で現場の先輩たちに揉まれながら仕事を身につけていった。2007年に代表取締役へ。何よりも従業員を大切にし、評価においては結果よりも過程を重視。熱く語るその姿勢は人を惹きつける魅力にあふれている。

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経営について 人間力で売る会社。誠実さを正当に評価する会社

いま建設業界は、景気の下げ止まりから上昇に転じようとしています。震災復興、リニア新幹線の着工、東京オリンピック開催と期待要素は多く、先行きの明るいムードを感じます。私たちの専門分野においても、建設から50年を迎える橋梁が増え、それにともなう更新工事の受注が見込まれています。

このような状況で当社は営業、設計、製作、取り付け工事をワンストップで請け負えることを強みに仕事をしてきましたが、近年はそれに加え「人間力で売る会社」をめざしています。当社の考える人間力とは誠実であり、当たり前のことを当たり前のようにできること。そしてそれを継続できる力のことを指します。たとえ結果が出せなくても、コツコツと努力している人材はその誠実さや人間力に対し、正当な評価をしたいと思っています。私たちの仕事は縁の下の力持ちで、華やかさはありません。何事もなくできて当たり前の世界なので、褒められることも稀です。だからこそ、私は社員全員に目配り、気配りをしてその人の頑張りを評価したいのです。その評価が次なる仕事のモチベーションになるように。

未来について これまでのノウハウを活かし、世界に向けて安全な暮らしを提供する

短期的な目標として取り組みたいのは、職場環境の改善です。事務所や工場など、ハード面において社員のみんながもっと生き生きと働くことができるように、順次改善していくつもりです。さらにその先の挑戦は、財務体質の強化。私がこの先引退し、次期社長にバトンを渡す前にしておきたいことは、もし仕事が完全になくなったとしても、全社員が10年暮らせる内部留保をつくること。その他にも社員が「この会社に勤めてよかった」と思ってもらえる施策を考えていきたいですね。

また、アジアの途上国へ安全な暮らしを提供する活動にもチャレンジしていきます。現地の人々にきれいな飲料水を届けるため、当社の排水管工事のノウハウ活かし、簡易上水道をつくろうと計画中です。政府のODAを活用し、ビジネスにも結び付く社会貢献活動。今後は建設業という枠組みにとらわれず、世界にも視野を広げることで“安全環境創造業”をめざしていきたいと思っています。

学生へのメッセージ

「自律的にリーダーシップを取れる人」と「チーム員として仕事を的確にこなす人」の2種類に人間は分かれます。社会で企業が経済活動をしていく上では、そのどちらも欠くことのできない人財ですが、できることならひとつめの「自律的にリーダーシップを取れる人」をめざしてほしいと思います。 そして仕事を通じて、自身の成長に関わった人たちへの恩返しや、お客様・友達・家族などの大切な人を大事にしていくなどの、お金を稼ぐ以上の使命を見つけてほしい。 お金はあくまでも働いたことへの対価に過ぎません。その使命を大切にして働けば、自分自身も大きなやりがいと充足感を得られると思います。専門的な知識が無くても大丈夫、大切なのはあなたのやる気です。 会社がバックアップしますので安心してください。我が社で一緒に頑張りましょう!

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