だれもが知ってる、
「スマートフォン」の知らない仕事
スマホに関わる仕事といって、最終製品を製造するメーカーと通信キャリア以外にどのくらい知っていますか?今回は、皆さんの日々の暮らしを支えるスマホを、様々な面から支える多種多様な仕事を見ていきましょう。
じつは、皆さんの身の回りにある機械はほとんどが完成品です。物理的にその機械を分解しても、興味のある仕事にたどり着くことはなかなかできませんが、ぜひ、「この製品はどうやってつくっているんだろう?」と製造工程を分解してみてください。ものづくりの裏には、部品をつくる会社、その部品の素材をつくる会社、製造工程で起こる課題を解決する会社など、たくさんの魅力的なだれ知ら仕事が隠れています。さらに、完成品が世の中に出た後はどんな会社が関わっているのだろうと時間軸を進めれば、また新たなだれ知ら仕事とも出会えます。
大量の思い出も
色鮮やかに記憶するプロ。
今回お話を聞いた社員さん
堀松 芳樹さん
キオクシア株式会社
入社7年目。スマホ向けのフラッシュメモリを開発する部署に所属。スマホメーカーからの依頼を受けて毎年、新機種に搭載されるフラッシュメモリの開発を手がける。新製品をスマホメーカーへ出荷するまでに1年がかりで開発することもある。
※取材当時の情報です。
スマホに搭載されている
フラッシュメモリって?
スマホを選ぶ際、「256GB」「512GB」といったストレージ容量を気にしたことはありませんか? キオクシアはフラッシュメモリという記憶媒体を開発・製造・販売する半導体の会社で、私がいる部署では、まさにスマホにデータを保存するためのフラッシュメモリを開発しています。最近では折りたたみ型や薄型、小型といった様々な機種も登場しており、端末の形も多種多様。新機種を開発するお客様から要望を受けて、その端末に合うように形や性能的な条件をクリアする製品を開発しています。また、ストレージ容量ばかりに目が行きがちですが、じつはデータの転送速度も同じくらい大切。たとえば、きれいな写真や動画の撮影も大容量のデータをスムーズに保存できるフラッシュメモリがなければ実現できません。いろいろな人の「思い出」を色鮮やかに記録するお手伝いができることも、この仕事の魅力の一つです。
どんなところが、面白い?
毎年のように高性能な新機種が発売されるため、それにともないフラッシュメモリもレベルアップしなければいけません。「パッケージサイズを小さくしたい」「もっと高速にデータを書き込みたい」など、お客様からいただく要望は、とても一筋縄ではいかないものばかり。ですが、最先端の技術に触れながらその難題をチームで乗り越えていく、そのプロセスこそワクワクする瞬間でもあります。もちろん大きな壁やトラブルにぶつかることもありますが、その分、乗り越えた瞬間の達成感も大きい。製品が完成して、実際に多くの方が手にする製品に自分たちがつくった製品が搭載された時には、大きなやりがいを感じます。スマホはきっと、より美しい写真や動画が撮れるようになったり、高性能のゲームが楽しめるようになったり、A I機能が充実したり、その進化を止めることはないでしょう。こうした進化を裏側で支えるフラッシュメモリの開発は、これからも挑戦と冒険に満ちていると思います。
入社のきっかけ
変革と挑戦が待ち受ける
世界と戦う企業へ。
大学院時代に半導体の研究に取り組んでいたことから、自然と興味を持つようになりました。調べていくと、ちょうど「東芝メモリ」から「キオクシア」に社名が変わったばかり。独立し、会社自体が変革の真っ只中にあることも魅力でしたし、世界の半導体企業と戦っていける環境が面白そうだと感じ、入社を決意しました。
会社の好きなところ
挑戦と支え合いがあり、
若手が挑戦できる風土がある。
若手でも大きなプロジェクトに挑戦できる風土があり、自分の成長を実感できます。周囲のサポートやアドバイスも手厚く、2年目で担当製品を任された時にも先輩や上司が「失敗は気にせず、やってみろ」というスタンスでフォローしてくださり、無事にゴールまでプロジェクトをやり抜くことができました。こうした挑戦と支え合いのバランスが、前向きに仕事に取り組むモチベーションにもつながっています。
キオクシア株式会社
「『記憶』で世界をおもしろくする」をミッションに掲げ、NAND型フラッシュメモリのパイオニアとして、日々革新を続けています。スマートフォンやデータセンター、AIサーバー、自動運転の技術にも欠かせない記憶デバイスで、デジタル社会を支えるキープレイヤー。技術力、生産のスケール、グローバルなパートナーシップを強みに、記憶の力で未来を創造しています。
くっつく技術で、スマホを支える。
今回お話を聞いた社員さん
髙岡 萌子さん
リンテック株式会社
2017年に入社し、研究開発本部の光機能材料研究室に配属。ディスプレイまわりの粘着素材の開発などに取り組む。入社7年目から8年目にかけて、産休・育休を取得。仕事に復帰した後も、同研究室にて日々、お客様の課題や要望に応え続けている。
※取材当時の情報です。
スマホにどう関わる
仕事なの?
リンテックはモノとモノをくっつける技術を持っている会社です。スマホでは大きく2つの場面で、私たちの技術が役に立っています。1つ目は製造工程で貼ったり剥がしたりする粘着シート。スマホはあの小さなボディの中に様々な会社で製造される多種多様な部材が詰まっているのですが、そうした部品を製造した工場から次の工程の工場などへと運ぶ際、部品にホコリや傷が付かないように保護する目的で当社の粘着シートが使われています。2つ目は、皆さんの手元にあるスマホの中でも使用されている粘着剤。部品と部品をくっつけていたり、何層にもなっている液晶画面を貼り合わせたりする際に、当社の技術が使われています。粘着剤は接着剤と異なり、乾くのを待つ時間が必要ないため、製造工程の時間を短縮できるといったメリットがあります。
どんなところが、面白い?
粘着シートや粘着剤と聞くと粘着力の高さに注目しがちだと思いますが、製造工程で使われる場合は剥がしやすさも大きなポイント。部品に剥がした跡が残らないようにする必要もあります。また、粘着力は基本的に厚みに比例し高くなるのですが、粘着力を変えずに「より薄く、より軽く」といったオーダーもあり、素材の配合を変えながら数ミクロン単位のオーダーに応えています。加えて、部品ごとに表面の素材が違ったり、貼る場所によって冷たかったり、熱かったり。オーダーの種類は多種多様。お客様が求める数値に達せず苦労することもありますが、そういう時も一人で抱え込まず、チームみんなで話し合って解決の糸口を探していきます。そうした試行錯誤の中で、新しい物性が見つかったりするのも、この仕事の面白さ。さらに、自分たちの開発した技術が身近な製品に採用されることが決まったりする時は「頑張ってよかった」と心から思いますね。
入社のきっかけ
専門分野でなくても挑戦でき、
職場の雰囲気が決め手に。
大学時代は物理化学を専攻し、化学メーカーを広く見ていました。この会社に興味を持ったきっかけは、有機化学を専門で学んでいなくても、研究開発職として採用されるチャンスがあったから。その後、会社見学に行き、社員の方々が明るく楽しそうに働いている雰囲気を見て、「この会社に入りたい」と思うようになりました。
会社の好きなところ
男女関わらず働きやすく、
子育てとの両立もできる。
入社前から感じていた職場の雰囲気の良さは、入社後もことあるごとに感じますね。仕事中はもちろん、プライベートでも仲が良いと思います。さらに、男女関わらず働きやすい環境も魅力。私自身、研究開発職として産休・育休をとりましたが、復帰後も同じ場所で開発を続けられていますし、子育てともしっかり両立ができています。
リンテック株式会社
ラベル素材や粘着紙、光学用フィルム、半導体製造に使われる特殊テープなど、「貼る技術」を強みに持つ東証プライム上場メーカー。1934年の設立以来、国内外で確かな技術力を築いてきました。現在では世界19ヵ国に展開し、独自技術でエレクトロニクスやモビリティ、建築、医療など、多種多様な分野の産業を支えています。
世界中の熱くなるスマホの救世主。
今回お話を聞いた社員さん
菅野 周平さん
東洋アルミニウム株式会社
2006年に入社し、技術開発部に配属。リーマンショック後の2010年に現在のパウダー・ペースト事業本部営業ユニット機能材チームに異動し、技術営業に。取引先の窓口はほとんどが技術・開発職のため、技術部出身の知識と経験を活かし、クライアントと自社の技術開発者をつなぎながら、お客様も巻き込んだチームでのものづくりに取り組んでいる。
※取材当時の情報です。
スマホとアルミニウムが
どう関係するの?
スマホを使っていると、本体が熱くなることがありますよね?これは、スマホのCPU、いわゆる頭脳の部分に負荷がかかることが原因です。ゲームや高画質の動画など、大きなデータを高速で処理する際に起こりやすいのですが、その熱を逃すために、スマホの中には放熱シートが組み込まれています。ここに、私たちの技術が使われています。私たちが開発した窒化アルミニウム粉末は、絶縁性と放熱性を兼ね備え、既存品をはるかにしのぐ熱伝導率を誇ります。開発を始めたのが約10年前、その3年後に試作品が完成し、特許も取得しています。さらに、そこから数年かけてサンプルワークを続け、2020年に量産化を実現しました。今ではアメリカやヨーロッパ、中国、アジア各国など世界中からひっぱりダコで生産が追い付かず、現場はうれしい悲鳴をあげています(笑)。皆さんも経験があるかもしれませんが、本体内に熱が溜まってしまうと、フリーズなどの不具合が起こることも。高性能な放熱シートは、スマホなどの高性能電子機器にとって欠かせない存在なのです。
どんなところが、面白い?
窒化アルミニウム粉末の開発のきっかけは、お客様のニーズから。私は技術営業として関わりましたが、営業では珍しく特許の発明者に名前を連ねさせてもらいました。本当にうれしかったです。お客様と現場の技術者をつなぐ役割を務められるのは、やはり技術者として開発プロセスを理解した上でその思いまでお客様に伝えられるから。お客様を含めたチームが円滑に、楽しみながらものづくりに取り組めるよう心がけています。じつは技術から営業への異動は当初、少しネガティブな思いもありましたが、今ではお客様と直接やりとりしニーズに応えられることが大きなやりがいです。「技術もわかる営業」という点が、自分ならではの強みになりました。もちろん、文系出身の営業もいますし、長年開発に携わる方もいます。当社は適材適所をしっかり見極めてくれるため、社員一人ひとりが自信を持って世の中に出せるものづくりができると感じています。
入社のきっかけ
ニッチな業界で、高い将来性。
グローバルな展開にも期待。
企業選びの際、3つの基準を設けました。1つ目は製品が業界トップであること。2つ目はその製品で儲かっていること。3つ目はその製品に将来性があること。就職説明会で偶然話を聞き、いろいろ挑戦できそうと入社を決めました。アルミはニッチな業界ですから、学生時代何をやってきたかよりも「なんでもやってみたい」という思いを大切に、入社してから学べばいいという社風です。
会社の好きなところ
適材適所で、一人ひとりの
個性と強みを伸ばしてくれる。
入社後1ヶ月の研修後、一人ひとり実習テーマが与えられ、OJTで1年間かけてテーマに取り組み、その成果を翌年の新入社員に発表します。私も入社時取り組みましたし、新入社員を指導したこともあります。その人にあった方法で、技術なら技術、営業なら営業の基礎知識を身につけながら強みを伸ばします。人の個性を大事にする点は、東洋アルミの良さだと思います。
東洋アルミニウム株式会社
「未来を創る、私が創る、みんなで創る」をモットーに、創業以来90年、アルミニウムの機能性と可能性を追求。社会に新たな常識をと、様々な研究に取り組んでいます。窒化アルミニウムが採用された放熱シートは今、スマホだけでなく、車載用や5Gの通信機器にも使われており、さらに6GやAI関連の次世代機器にも検討が進んでいます。現在は、窒化アルミニウムの性能を超える材料の開発などにも取り組んでおり、常に新しい挑戦を続けています。
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