独立行政法人家畜改良センター

家畜改良センター岩手牧場では、乳用牛であるホルスタイン種の改良を行っています。私は衛生課に所属しており、獣医師として診療業務を主に行っています。乳用牛は毎日牛乳を生産しているため、体への負担が大きく、乳房炎をはじめとした疾患が多く発生します。日々多様な症例の診断、治療を行うことは簡単ではありませんが、獣医師としての知識、技術を発揮できることにやりがいを感じます。また診療の他にもワクチン接種等の疾病予防や細菌培養などの検査も行っており、牛の健康管理に努めています。

自分の行った治療によって牛が元気になったことです。治療を必要とする牛の状態は様々ですが、中には活力がなく、重篤な症状を示す牛もいます。そのような牛の病態は教科書通りではないことも多く、頭を悩ませることがありますが、牛の所見や血液検査を元に試行錯誤しながら治療を行っていきます。そうして自分が考えて行った治療によって、牛が目に輝きを取り戻し、元気に餌を食べるようになった際には、安堵とともに仕事へのやりがいを感じました。

私は学生時代、公務員志望であり臨床現場で働くことは考えていませんでした。農林水産省を受験した際に家畜改良センターについて知り、獣医師としてはやはり臨床分野で知識、スキルを発揮したいという思いもあったため、行政職員という立場でありながら臨床に携わることができる家畜改良センターを選びました。また家畜改良センターは各牧場で牛、豚、馬、鶏等、多くの畜種を飼養しているため、自分の興味のある畜種を選べることも魅力の一つだと思います。

獣医師の就職先は様々で、分野によって行う業務も多種多様です。仕事に対するイメージを掴むためにも実習やインターンシップなどに積極的に参加して、自分のやりたいこと、自分に合った仕事を見つけてほしいと思います。