社会に出てから1~2年間は何でも吸収できる大切な時期です。この期間に有意義な経験を積めないとしたら、成長の機会をみすみす逃すことになりかねません。昔と違って今は転職をしやすい社会環境が整いつつありますが、だからといって「自分に合わなければ、すぐにやめればいいや」などと安易に考えず、企業研究は多角的な視点を持って真剣に取り組んでいただきたいと思います。
建築業界の企業研究では、まずその会社がどのような建築物をプロデュースしているかが気になるでしょう。それも大切な情報ですが、一見、同じような建築物を作っていても、企業としての価値観や仕事の進め方、働く環境などは大きく異なるものです。そのため、もう少し深い視点をもち、「どのようなプロセスで仕事を進めているか」「どういった雰囲気や人間関係の中で働くことになるか」などを調べてみましょう。実際に企業を訪れて仕事を体験できる機会があれば、より良い判断材料が得られるはずです。
また当社にも言えますが、建築業界には小規模な組織にもかかわらず大規模な案件を手がける企業がたくさんあります。そうした企業は大手に比べると、大々的に情報を発信していない場合もあります。つねにアンテナを高く張るように心がけると、目立たないけど良い仕事をしている企業に巡り合いやすくなるはずです。
(南博之 常務取締役)