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最終更新日:2025/4/19
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部署名技術開発部 技術開発課
仕事内容射出成型の基礎研究
関西のメーカーの中で当社の技術力が際立っていたからです。「ここしかない」と思いました。私は学生時代にバンド活動をしていたので関西にこだわって就職活動をしていました。メーカー(特に光学メーカー)に興味があり、その中でも当社の技術力が際立っていました。研究設備も凄い会社で『ここしかない」と思いました。また当社の社長が個人のやる気を本当に大切にしてくれる人です。親身になって話を聞いてくれ、私たちの要望を叶えてくれます。以前社長に相談して感動しました。私がこの会社を大好きなのは、この事も大きな理由です。
私の仕事は、射出成形の基礎研究と新しい射出成形技術の研究開発です。射出成形機でプラスチック樹脂を溶融し、成形機内部の金型に樹脂を圧力充填し、金型の中で溶融樹脂の状態をコントロールしながら凝固させ、金型通りの製品形状を得る方法です。高効率のナノメートル精度生産を特長とする、未だ謎の多い未開領域の先端技術です。近年、光学素子の高性能化、新機能化への要望が益々増えてきており、その要求に応えるため光学素子の微細化、複雑化、多次元化が進んでいます。そのため射出成形では、金型内部に設計された微細なナノメートル形状に溶融状態のプラスチック樹脂をどれだけ高充填できるか、そしてどれだけ均質に凝固させる事ができるかが研究のポイントになっています。しかし、これらは大変難しい研究です。分子の大きさに近づくほどの微細な数ナノメートルの構造になると樹脂がその隅々に高充填されません。樹脂の粘度が妨げとなりナノメートル形状のエッジに樹脂が行き渡らないのです。しかし充填性を高めようと圧力を上げると応力が発生し、その応力が残ったまま固まると光学素子内部に屈折率の分布が形成され光学性能が出ません。それをどのようにして
高充填させるかを研究しています。厳密に言えば1000以上の分子配列から成るプラスチック分子の結合ラインを金型内部のナノメートル構造の隅々に完璧に充填させる方法の研究です。この研究に成功すれば理想の光学素子が生まれます。またレンズなどの肉厚製品では、金型内部で樹脂を凝固させる際に、肉厚の薄い周辺部分から固まり始め、中央部の樹脂がそれに引っ張られてしまい、それによって応力が発生し、その応力が残ったまま樹脂が固まると材料内に位相差が生じ、光の進む速度が振動方向や場所によって変わるなど「複屈折」と言われる屈折率の異常が起こります。しかしもしも溶融樹脂を数10ナノメートルの精度で超均質に凝固させることができれば究極の光学レンズが生まれます。このような研究も行っています。例えば溶融樹脂内部の温度差をどのようにして制御するかが重要だと考えています。樹脂~金型間の熱移動解析だけでは限界がありますので、現在、金型に多数の温度センサー・圧力センサーを設置し、凝固中の樹脂の温度分布と圧力分布、並びにその移動を3次元で正確に把握することに努めており、そして部分毎に異なる冷却制御、加熱制御を行い、
樹脂全体を均一的に冷却させる方法とそのためのシステムを研究しています。そのために金型温度を2秒で200度上昇させ、その直後に2秒で200度降下させることのできる技術なども研究しています。この射出成形の研究には、材料温度、金型温度、材料粘度、圧力、固化速度、冷却速度ほか様々な成形条件の深い研究とそれを実行するための金型システムの設計が必要です。また「成形条件」、「樹脂内部の温度差」、「実際の製品に与える影響」これら3つの相関性を正確に把握する事は、この研究において最も重要な事であり、これらに関する基礎研究は特に重点的に行っています。中でも熱に関しては重要視しており、例えば温度実験一つにしても、構造加熱、電磁場加熱、ヒーター加熱、通電加熱、温水と冷水を交互に流す方法など様々な加熱手法で実験を行い、それぞれの熱特性(温度分布に与える影響他)を把握しています。成形条件ごとの凝固温度帯の研究(高充填させるためにどこまで樹脂の温度を下げたら充填しなくなるかの温度幅の研究)も綿密に行っています。
一方、転写の面白いメカニズムも分かってきています。(※転写とは:金型内部の形状を樹脂に転写するという言い方をします)例えば、樹脂はすごい速度で金型に充填しているということです。高さ3メートル・広さ8畳ほどの部屋に充填するとすれば、1秒間に約3キロメートル先まで壁が移動するほどの速さです。またその圧力は、人のツメ程の大きさの上に数百キロという巨大な圧力がかかっているということ。さらに高転写には低速での粘度域が効いているということも分かってきています。さらに材料の観点からも研究を進めるため、ナノ粒子によるメゾスコピックな効果を取り入れる研究も行っています。プラスチック樹脂に直径30ナノメートル以下のナノ粒子フィラーを溶解混入すると熱伝導率、屈折率、熱膨張率など樹脂の基本特性が変わることが化学実験で確かめられています(※大きい粒子だと逆に光の散乱が起きてしまいます)。この性質を利用して材料開発を行います。そのため、凝集と言うフィラー同士が引っ付き合おうとする現象を制御する研究(フィラーの分散化の研究)等の基礎研究を行っています。同様に金属錯体の研究を行っています。(◎次ページに続きます)