最終更新日:2025/3/27

(株)魁力屋【東証スタンダード上場】

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  • 上場企業

業種

  • 外食・レストラン
  • 給食・デリカ・フードビジネス
  • 食品

基本情報

本社
京都府

取材情報

事業について伝えたい

次のフェイズへ!ラーメン業界の新星、魁力屋が描く“未来地図”に迫る

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経営、人材起用のキーマンが語る成長戦略とは?

2023年12月、東証スタンダード市場への上場を果たした(株)魁力屋。ファミリー層をメインターゲットに独自の道を歩む同社がめざすものとは?成長戦略、人的資源活用について副社長と2人の人材開発担当に聞いてみた。

■田口 剛
 取締役副社長

■浜口 孝之(2008年入社)
 営業支援本部 本部長 兼 人材開発部 部長

■豊田 将士(2022年入社)
 人材開発部

さらなる、飛躍にむけて!

【田口さん】持続可能な成長を実現するため、適正規模での展開、適正速度での成長を目指しています。直営とフランチャイズのバランスにも留意した経営をめざします。
【浜口さん】当社は一店舗あたり、概ね1億円の売上があります。店長となり、年商1億の経営体験を積むことは、さまざまな仕事に取り組む上で、大きな糧となるでしょう。
【豊田さん】上場して「やるぞ!」の気運が高まっている当社。これから会社とともにステップアップしていきたい人、新しいことにチャレンジしたい人を求めています。

3大都市圏から全国へ、さらには海外へ。多様な人材を活かす経営で、新たな地平にむけ動き始めた

当社は2023年12月15日、東京証券取引所スタンダード市場への上場を果たしました。これを機に、当社では主力となる魁力屋ブランドのビジネスについて、これまで以上にスピーディーな展開を図っていく方針です。当面の目標は、魁力屋700店舗体制の確立です。これまで当社では、3大都市圏における直営店方式を中心に事業展開してきましたが、今後、地方においてはフランチャイズ方式を採り入れながら、新たな出店を進めていくことになるでしょう。信頼できるメガフランチャイジーに店舗運営をまかせる一方、当社の人的資本を直営地域に集中させていきます。

さらに、将来的には海外進出ということも念頭に置いています。現在、当社は沖縄にて2つの店舗を展開していますが、そのお客さまの半数以上は米軍関係者で占められている傾向にあり、アメリカの方々には十分に受け入れてもらえる味だと判断しています。また、京都発祥というブランド背景も海外展開していく上で、大きなアピールポイントとなるでしょう。

こうした事業展開を支える人的資本の活用については、これまで以上に多様性を重視した起用を推し進めていきます。ラーメン業界においては、力強く、ダイナミックなイメージを持たれている方も多いと思いますが、当社では多様な人材に活躍していただけるよう、さまざまなチャレンジを繰り返してきました。より働きやすい環境を求め、重いものを軽く、歩く距離を短く、高さをできるだけ低くなど、現場で動くスタッフの負担を軽減するために1店舗あたり2,000万円もの費用をかけて改装を行ってきました。サービス面においても各国の言葉で記された外国人向けマニュアルを作成するなど、今後もさらなる多様化を進めていきます。

また、人材育成面においては、店舗と本社間のジョブローテーションをより活性化させていく方針です。できるだけ早い段階で本社勤務も経験していただき、会社業務を俯瞰してもらうつもりです。その上で、店舗と本社の間に垣根を設けることなく、各人の能力を活かせる人材起用を行っていきたいと考えています。
(田口 剛さん)

「食」「人」「成長」の3つの好きを重視。多様な業務に取り組みながら人材の可能性を探り、活かしていく

新卒でこの会社に入社し、今年から現職に就任いたしました。学生のみなさんに向けては、この会社で育ってきた社会人の一人として、当社のカルチャーをしっかり伝えていきたいと考えています。

当社では、求める人材像として3つを挙げています。一つ目は、食が好きな人です。SNSで発見した気になるお店に行ってみるなど、ラーメンに限らず食べることに興味関心があり、料理をすることも含めて食全体が好きな人です。二つ目は、人が好きな人。お客さまに接する上では、もてなすこと、喜ばせることはもちろん、店舗や会社を作っていく上でも、一緒に働く仲間としっかりコミュニケーションを取っていく必要があります。接客業のアルバイト経験だけでなくとも、部活やサークルなど人と関わることが好きな人は向いていると思います。三つ目は、成長することが好きな人。当社は今年で20周年を迎える会社になりますが、今期株式上場を果たしました。今後さらに大きく発展しつつある当社とともに成長を遂げたいと意欲的に取り組める人を積極的にお迎えしたいと思います。

キャリアビジョンについては、豊富な社会経験を積んでもらうという観点から、ジョブローテーションの一環として店舗と本社の両方を経験していただきます。将来の幹部候補を育てるためにも積極的に新卒を採用し、業務について幅広い視野を培ってもらいたいと考えています。当社は1店舗あたり約1億円の年商があり、なかでも現場の店長業務はヒト・モノ・カネのマネジメント業務を行います。20代のうちから年商1億円の経営体験ができるのは、当社の魅力の一つでもあります。

また、働き方についても昨年の上場を機に労務基準を大きく見直しました。社員の週休二日制100%達成はもちろん、残業も1分単位で手当が支給されます。なかでも、残業管理には特に力を入れており、個別店舗での管理が難しい場合は、近隣店舗からスタッフを派遣するなど働き方を工夫し、協力し合いながら、残業管理に取り組んでいます。
(浜口 孝之さん)

段階を追って、上をめざせるガラス貼りの人事制度。笑顔・元気・気くばりの接客で、お客さまと向き合う

当社の社員教育については、体系的な階層別研修を用意し、段階を追って成長できる仕組みにしています。その内容は、スタッフから始まりリーダー、時間帯責任者、店長、S店長、エリアマネージャー、部長の階層で構成。時間帯責任者は、特定の時間帯において店長に代わり、円滑な店舗運営や衛生管理などお店を代表する役職です。また、時間帯責任者のうち上司からの推薦があった人が店長検定に受験でき、店舗マネジメントに必要なヒト・モノ・カネ、数値管理などを学び、合格した人が店長に昇格します。業界未経験者でも早い人では2~3年で店長になることもできるので、業務経験を通してどんどん成長していってほしいですね。

当社の接客サービスにおいては、社員全員が携行しているクレドに記された「店舗理念」および「基本コンセプト」を徹底しています。この基本コンセプトには―私たちは「挨拶」と「掃除」を基として常に素直な心を持ち物事をプラス発想で考え、お客さまの笑顔のために「笑顔」と「元気」と「気くばり」で地域一番店を目指します―と記されており、真心のこもった接客を大切にしています。たとえば、親子でご来店されたお客さまの場合、まずは自分よりも先にお子さまに食べさせてあげる姿を目にしますが、その間、親御さんのラーメンはのびてしまいます。そのような時当社社員は、さりげなく「1杯ずつ時間差で茹でられるので必要であれば言ってください!」とお声がけさせていただきますが、これは誰からの指示でもなく、一人ひとりがこのコンセプトをよく理解し、率先して行動しているのです。

そんな当社には、どことなく穏やかな社風が形成されています。誰にむけても、気がねなく相談することができるので、業務上の情報共有がしやすいです。その一方、年功序列ではなく、個々の実績をきちんと評価してもらえるので、メリハリのある環境だと思っています。また、福利厚生制度においても、社員寮に特徴があると思います。全国一律、3万円の自己負担で入居することができるので、東京に住む場合でも格安で住まいが確保できます。地方から東京に出て働きたいという方は、是非安心してチャレンジしていただきたいですね。
(豊田 将士さん)

学生の方へメッセージ

ラーメンは、いまや日本食を代表する人気料理の一つであり、独自の発展を遂げてきました。そのラーメン業界の特徴としては、まだまだ未開拓な部分が多く、大きな成長を狙える業界であり、工夫次第で拡大の余地が見込める市場と言えます。そのなかでも、京都発祥の当社は、世界各国の方々から注目いただける可能性を大いに秘めています。また、当社のメインメニューである醤油ラーメンは、地域の嗜好性に左右されることが少ない傾向にあり、幅広い年齢層に受け入れていただいています。そうしたなかで、今後も当社はさまざまな地域で出店していく予定であり、どの地域においても老若男女問わず一定以上の支持が得られると思っています。

昨今、労働人口が減少していくなか、ロボットの導入があらゆる産業で進んでいます。しかし、どれだけ時代や機械化が進んでも当社では、美味しいものを作り「ありがとう」と言ってもらえる部分は、人間が真心をこめて取り組んでいきたいと思っています。それ以外の定型業務については、今後積極的にDX化を推進。店舗の負担を軽減し、より接客に集中できる環境を整えていきたいと考えています。このように日々進化していく当社で一緒に成長してみませんか?
(浜口 孝之さん)

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徹底したオペレーションの効率化、店舗におけるスタッフの動線見直しを進めてきた同社。誰もが仕事を楽しめる快適な職場環境にひときわ力を入れている企業だ。

マイナビ編集部から

昨年の上場を機に、今後も店舗数を伸ばすだけでなく、事業領域の拡大や海外進出などを推し進めていく(株)魁力屋。成長のためのロードマップも、堅実に描かれている。たとえば、フランチャイズ展開については、直営1:フランチャイズ1の比率で出店し、健全な発展をめざしているという。募るフランチャイジーについても、売上規模30~50億円、場合によっては100店以上を運営するメガ・フランチャイジーを対象とする。その理由は、マネジメント体制がしっかりしていて、信頼できる人材リソースを備えているからだ。

今後はさらに多様な技術・知識を持った人材が必要となることから、10年、20年という歳月をかけ、業界の枠組みを超えたプロフェッショナルを育てるため、積極的に新卒社員を迎え入れている。幅広い視野をもって業務に取り組めるようジョブローテーションの一環として店舗と本社の両方を経験させることも、人材を育てる上では効果的な手段と言える。今回取材した3名をはじめ、成長意欲のある人が集まる同社においては、今後ますます人も事業も大きく発展していくのだろう。今回の取材を通して、同社の止まらない勢いと強さを大いに感じられた。

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2005年、京都北白川で創業。背脂醤油の飽きのこない味と、ファミリー層をターゲットにする独自の戦略でファンを獲得。上場を機にさらなる飛躍へ動き出している。
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