最終更新日:2025/7/28

(株)宮城県食肉流通公社

  • 正社員
  • 既卒可

現在、応募受付を停止しています。

業種

  • 食品
  • 農林・水産

基本情報

本社
宮城県

取材情報

事業について伝えたい

品質の高い食肉を、広く世の中に流通させるために

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社員が安心して働ける職場づくりに取り組む

■佐々木 仁さん
常務取締役

安全で安心な食肉を広く世に提供する宮城県食肉流通公社は、45年の長きにわたって社会的使命を全うしてきた。新卒として30数年前に入社し、現在は常務として組織の経営に携わる佐々木さんに、同社の歩んできた道のりや事業内容に加え、注力してきたという働きやすい職場環境づくりなどについて語っていただいた。

佐々木さんの横顔

佐々木さんは常務取締役や品質関連の業務管理室長、総務部長を兼務している。会社の未来をつくる立場でもあり、やりがいを感じながら忙しい日々を送っている。
新卒生え抜きで入社して以来、常務取締役にまで昇格した佐々木さん。後に続く若い力たちに、食肉の未来を託したいと切に願っている。
近年は自社ブランド商品の製造に力を注いでいる。道の駅などで販売されており、徐々にその認知度も高まっている。

年間24万頭を扱うことで、豚肉の安定した流通に貢献

宮城県食肉流通公社は、豚や牛のと畜解体、内臓処理、部分肉加工などを手掛ける食肉処理施設として、1979(昭和54)年に誕生しました。以前は宮城県の北部に6か所、同様の施設が存在していました。しかし、時代や社会の要望によって、高度な衛生環境と品質の実現が求められるようになり、宮城県が中心となって、国や地域の市町村、農業団体などの出資を受けて1か所に施設を集約した経緯があります。現在も民間資本は入っておらず、社名にもある“公社”としての役割を全うするべく、食肉の安定した流通に力を尽くしています。

現在は扱う食肉の99%が豚肉となっており、と畜頭数でいえば年間24万頭、1日1,000頭以上を扱っています。設立の経緯から見て資本が安定していることから信頼も厚く、宮城県の施設ながら東北各県、一部では北海道の養豚場とも取引しています。販売先としては全国規模の大手メーカーが複数名を連ねており、そのうちの何社かは公社敷地内や隣接地に工場を構え、スピーディな供給体制を構築しています。

当社で加工した食肉は宮城県周辺のみならず、関東エリアでも流通しています。影響力が非常に大きいからこそ、徹底して安全と安心の食を提供するのが私どもの使命。近年、消費者や取引先の要望がますます厳しくなる中で、品質を高めていくさまざまな取り組みに着手してきました。例えば、2007年に取得した国際認証『SQF』(食品の安全と高品質を確保するための国際的マネジメントシステム)に関していえば、最高点となる“100点”を獲得するなど、厳しい品質基準をクリアしています。

また、同じ敷地内には宮城県の食肉検査所があり、月に1度、監査を受けているのも信頼の源泉となっています。過去をさかのぼれば、BSEなどの食の安全にかかわる全世界的な問題が発生したときも検査所と連携してスピーディな対応を進めました。消費者の皆さんに安心してもらえる品質を心がけ、安全性の高い食肉を供給しています。

新入社員の声をもとに、さまざまな社内制度がスタート

SQFの審査で高スコアを記録し続けていることに象徴されるように、食品の安全や衛生面には絶対的な自信を持っています。この信頼を土台にさらなる可能性を開拓しようと、約6年前から自社ブランド商品の製造に本格的に着手しました。その結果『極うま豚ハラミ』『極うま豚ホルモン』『極うま豚レバー』『極うまトントロ』といった味付け肉を11種類ラインナップするに至っており、道の駅などで販売されているほか、行政のイベントなどでも活用していただいています。関東圏に強い大手メーカーとも連携し、取引高の拡大を図っています。今後は東北や北海道の農場からの仕入れをさらに増やしていくことで、関東圏の要望にがっちりと応えていきたいと考えています。

事業は堅調に伸びている一方で、業種としては目立たない存在ですので、人材確保というところは長年の課題として位置づけられてきました。より多くの求職者に興味を持っていただけるように、そして働く社員たちが安心して仕事し続けられるように、近年はワークライフバランス面の充実に力を注いでおり、年間休日124日、残業時間は月10時間程度と業界全体を見ても高水準を実現しています。

求職者の声を踏まえて住宅手当の増額も始めました。当社は宮城県の登米市に拠点を構えていますが、人口の多い仙台市からは1時間半ほどの距離となり、通勤するのは簡単ではありません。就業規則上は1万円の住宅補助が支給されるものの、一人暮らしの新人には心もとない額だったことから、特定の条件を満たした社員には合計3万円を支給することにしました。周辺の賃貸住宅の家賃相場は4万円台ですので、生活面の支えになっていると思っています。

個別の事情にも柔軟に対応しています。ある高卒の新人は誕生日が3月30日だったため、普通自動車運転免許を取るのに欠勤しなくてはならないことが判明したときは、自動車学校に自由に通える特別休暇を新設しました。新しく社会に出る若い人たちは何かと悩みが多いでしょうが、会社として解決できるものであれば、これからも率先して対応していくつもりです。

変化し続ける時代の中でも、変わらずに安全と安心を届けていく

私自身、1986年に新卒で入社して以来、長年にわたって食肉流通の最前線に立ち続けてきました。最初はと畜の現場を経験し、そこから品質管理、総務などを経て、一昨年に取締役に就任しています。部分肉として加工する前の状態を「枝肉」と言いますが、と畜という工程ではナイフを使ってその枝肉を仕上げていくことになります。現場時代、自分の技術できれいに枝肉を仕上げ、赤肉の上に脂が乗ったおいしそうな状態で納品できたときの達成感はたまらないものがありました。

作業中は片手にナイフ、もう片方の手にはヤスリをもって逐一、ナイフを研ぎながら枝肉を仕上げていきます。いつでも思ったような状態で切れるナイフに仕上げる技術を習得するには、おおよそ10年近くの歳月を要します。職人技ともいうべき技術を身につけられるというのが、この仕事の何よりもモチベーションとなるのだと思います。

私自身も技術を徹底して磨き上げるのに心を砕いてきました。東北地方の他社の現場を見学し、ときには生産ラインを手伝ったりしながら経験を積み重ねてきた結果、当社に続いてきた後輩たちに伝えられる多くの物事が得られました。近年は多くの若い力が当社の扉を叩いてくれていますが、社内外で見聞を広げていくことで、他人に話せる経験をしてほしいと願っています。

30数年のキャリアを歩んできた中では、公社を取り巻く環境も変化し続けてきました。登米市の米山町周辺はかつて養豚農家が多かったエリアでしたが、大農場を有する企業養豚へと時代がシフトした今では数えるほどしか残っていません。それに伴い県外の大規模農場からの依頼も増え、処理頭数を拡大するべく施設の増強にも精力的に取り組んできました。衛生上、ライン内の枝肉同士の接触が禁止となったことから生産ラインも大きく変更され、その結果、生産量の増強と安全衛生の担保が同時に実現することにもなりました。

これからも食肉を取り巻く環境は変化し続けることでしょう。東日本を中心とするエリアの食の流通を支える当社の責任は重いですが、やりがいもまた大きなものがあると自負しています。今後も食肉の未来を支え続けていきたいですね。

学生の方へメッセージ

総務部長を兼務している私は、人事責任者でもあり、学生のみなさんの前でお話しする機会も少なくありません。その中で意識しているのは“見られる”立場であるということ。会社の顔である私の一挙手一投足に学生の眼差しが向けられていると思って、緊張感を持って壇上に立ち、人材に対する思い、人事担当者としての熱意を伝えてきたつもりです。

企業によって表現の仕方はさまざまでしょうが、人事が情熱をもって学生に向き合っているか否かを紐解いていけば、入社してからの活躍の可能性や働き方がわかってくると思います。インターンシップや職場体験などの場所を有効活用しながら、人事担当者の思いに迫る企業研究をすることをおすすめします。

学生時代は学業やサークル、アルバイトなど、さまざまな経験を通して視野を広げる時間を過ごしてください。社会に出ればコミュニケーションなしには仕事は進まないだけに、人とかかわるための土台を築き上げてほしいと思います。ちなみに当社は技術と向き合う場面も多いので、コミュニケーションが苦手でも職人技を究めたい人にも活躍の場が広がります。多くの学生に食肉業界に興味を持ってほしいと思っています。

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人柄のいい社員が集まっているからか、一度辞めた社員が再び復職するというケースも少なくない。中には退職後3か月後に復帰した社員もいるという。

マイナビ編集部から

宮城県食肉流通公社は従業員数88名のコンパクトな組織ながら、食の安全と安心を守る責任を全うするべく力を尽くしている。と畜解体という専門性が問われる業務を軸としているが、まったく経験がなくとも職人技を身につけられるようにサポートしており、出身学部学科を問わず幅広い人材にチャンスを提供している。

佐々木常務の話にもあったように、社員が活き活きと働けるようにワークライフバランス面も強化。本文中で触れなかったところで言えば、丸3年の勤務で支給される退職金制度、年間30日までの積立休暇制度、インフルエンザワクチンの接種費用の負担など、多様な制度が整えられている。業務に必要な資格を取得すれば手当も支給されるから、モチベーション高く自己研鑽に励んでいけるはずだ。

勤務地は宮城県登米市だけで、転勤の心配もなく、一つの場所で腰を据えてじっくりと学び、自らを高めていける。技術を身につけたい人にとっては絶好の環境が広がっていると感じた。

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豚をはじめとする家畜を枝肉に加工していくのが「と畜」という工程である。命に向き合う仕事だけに、社員たちは真摯な姿勢で仕事の一つひとつを丁寧に手がけている。
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