最終更新日:2025/3/1

(株)ノダRFテクノロジーズ

  • 正社員

業種

  • 半導体・電子・電気機器
  • 機械設計
  • 精密機器
  • 機械

基本情報

本社
大阪府

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

好きなことをとことん追求。課題から逃げないことで見えてくる光がある

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電気・電子の世界でワクワクしながら未来を見つめる

半導体製造工程で重要な役割を果たすプラズマ発生用高周波電源装置。(株)ノダRFテクノロジーズはこの製品を通して半導体の高精度化の一端を支えている。自社技術と向き合う社長と若手技術者の声を紹介しよう。

■野田 和利さん
代表取締役社長

■竹山 悠河さん
製造部
2023年入社
大阪電気通信大学 工学研究科 先端理工学専攻修了

一言メッセージ

経営者であり技術者でもある野田社長。「顧客仕様の製品をつくっているため、お客様との連携を大切にしています。情報を正確に把握し、的確に製品に反映することが必要」
「高周波電源装置は、低周波の常識が全く通じない。挑戦しがいのある製品です」と竹山さん。同社の技術と製品分野の市場性にひかれ、入社を決めた。
同社が製造する高周波電源装置は、半導体の高機能化・高性能化を支えている。私たちの暮らしの身近な製品の「便利」「新しい」を創出している企業でもあるのだ。

目の前の課題から逃げず粘り強く取り組むことで、ブレイクスルーが見えてくる

みなさんは「半導体」と聞いて、何を想像しますか。暮らしの中で半導体そのものを見ることはほとんどないと言って良いでしょう。実はスマートフォンやパソコン、自動車、家電、医療機器など多くの商品に組み込まれ、機能や品質をつかさどっている電子機器が半導体なのです。当社が製造しているのはプラズマ発生用高周波電源装置で、数ナノメートルの超微細加工ができるプラズマ技術を用いて生まれた製品です。この製品は半導体を製造する際の前工程に充当し、シリコンウェハーの上に薄い膜をつくる工程や、薄膜を基盤の設計図通りに削り取るエッチングの工程で使われています。この工程ではプラズマ放電により発生させたイオンを加速させることが必要ですが、単に加速を続けるだけではなく、きめ細やかな調整が求められます。この調整により半導体の精度が決まるため、非常に重要な工程だと言えるでしょう。また近年、製造工程の複雑化によりエッチングの工程が増え、それを支える半導体製造装置の重要性が増しています。このため、当社が製造する装置は、これからの情報社会の発展を支える製品と言っても過言ではありません。

研究開発や製造の仕事はいつもうまくいくとは限りません。予測通りの性能が出ず、振り出しに戻らざるを得ないときもあり、その際は当然モチベーションも下がります。どうすれば解決できるのかと頭を悩ませますが、こんなときこそ目の前の課題から逃げず、辛抱強く取り組むことが大切です。解決をあきらめない姿勢を貫くことで、道が開けていく瞬間があります。そして、ブレイクスルーを見つけられるのです。

また、半導体業界は、当社のような装置製造会社をはじめ、部品や材料をつくる会社や半導体の商社など、さまざまな業種の企業から成り立っている業界です。市場の変化の中で成長を続けるためには、タイミングを逃さず、新しいことに挑戦していくことも必要。その一環として、当社では韓国市場の拡大を視野に入れ、2024年4月に韓国に拠点を設立しました。ここでは、汎用性の高い装置の製作に重点を置き、営業活動とメンテナンス事業からスタートしていく方針です。これからも高周波技術を強みに、開発と製造の両軸で未来を切り拓いていきます。
〈野田社長〉

ひとしきり考えても解決できないときは先輩に意見を仰ぐ。先輩の経験値は打開策につながる

私が所属する製造部は、プラズマ発生用高周波電源装置、マッチャー、付属機器の3分野で構成されています。マッチャーとは半導体製造装置に効率よくRF信号(電力)を送るための整合器です。入社1年目は約半年間、この3つの仕事をローテーションで経験。その後、高周波電源装置の担当になり、社内で組み立てられた高周波電源装置の外観に傷がないかどうかや、回路が正常に動くかなどを検査しています。回路としては正しくても調整が必要な場合もあり、この調整こそが重要です。いわば、高周波電源装置が最大限の機能を発揮するための工程であり、機械に魂を込める仕事なのです。

今は、実際に製品に触れながら先輩から業務を学んでいる最中です。高周波電源装置は内部が複雑で知識も必要。一歩一歩ですが、着実に力をつけている実感があり、うれしくもあり、楽しいですね。最初は装置全体の動きが理解できませんでしたが、先輩から教わるうちに点と点がつながり「そういうことか」と思える場面も増え、回路の全容をつかめるようになりました。予測通りの性能が出ないときは要因を調べ、突き止めます。トライ&エラーを繰り返し、一つずつ疑問をつぶしていった結果「よし! 見つけた」と解明できた瞬間は大きな達成感がありますね。
また、仕事をする上で心掛けているのは、疑問や壁に当たったときはひとしきり考え、それでもわからないときは先輩の意見を仰ぐこと。何十時間も考えこむよりも自分の中で区切りをつけるようにしています。先輩の経験値は打開策になり得る。経験は力だと感じています。

そして、将来に向けて欲をいうのなら、野田社長と同じレベルになりたいですね。社長は製品を一見しただけで不具合の原因を突き詰めることができ、もはや神レベルなのです。回路図を見ただけで、この回路が何を求めて設計されたのかを把握できるような技術者になるのが今後の目標です。
〈竹山さん〉

電気・電子のおもしろさに触れた設立の原点&フランクな社風

私が電気・電子業界に興味を持ったきっかけは、小学生から中学生の頃に夢中になっていたアマチュア無線です。当時、真空管ラジオを組み立てるなど、電気を使った工作が好きな子どもたちを総称する言葉が流行しておりましたが、私もまさにその一人だったのです。アマチュア無線を通して電気・電子の世界のおもしろさに触れた私は大学の電子工学科に進学。卒業後は高周波を扱う企業で、高周波の技術を磨いていきました。その後30歳の頃、高周波が応用技術として半導体の製造に使用されるようになってから、半導体分野に可能性を見出し、高周波電源装置の開発に取り組んでいきました。そして40歳後半で当社を設立。志を同じにする仲間とともに高周波の分野を究めようと思い事業を展開していますが、当時の気持ちは変わりません。一つの分野を追求することが強みになり、時代の変化とともに市場ニーズを吸い上げながら、発展させていくことができたと思っています。
〈野田社長〉

私は大学・大学院ともに化学系の分野を学んでいたため、化学系の企業への入社も考えました。しかし間口の狭さを感じるようになり、電気系の企業も視野に入れて進めていく中で出会ったのが当社でした。当時、LED看板など、電気を使った工作をするのが楽しかった経験から、自分の志向が電気系に向いているように感じていたことと併せて、技術的に簡単ではない高周波の分野で当社が成長していることも入社の決め手になりました。
部署の先輩たちはやさしく、冗談が通じるような方ばかり。堅苦しい雰囲気がない部署です。疑問点があれば自分で一定時間考えてみて、それでもわからなければ先輩に聞くと、すぐに答えていただけます。質問がしやすい環境で、常にフランクな会話が飛び交っています。また、社長と同世代のベテランの先輩もいて、その先輩に聞けばとても詳しく教えてくださる恵まれた環境です。
また、2024年7月には本社が移転し、社屋が新しくなりました。作業を行うスペースにゆとりができ、効率もアップ。行き詰まったら食堂でコーヒーを飲んでリフレッシュをしながら業務に励んでいます。
〈竹山さん〉

学生の方へメッセージ

私が電子工学科で学んでいた頃の電磁気学や電子回路設計などの授業は、今の仕事にも役立っています。まさに基本が重要だということですね。振り返れば、もっと勉強をしていれば良かったというのが正直な感想です。学生時代は、学校の講義がいずれは社会に出たときの基礎につながるかもしれないと思い、真摯に学ぶ姿勢が大切だと実感しています。
企業研究においては、自分に合った会社を見つけることが一番良いと思いますが、それが難しいですよね。そこで「自分が好きになれる会社かどうか」という視点で調べてみるのはいかがでしょうか。興味のある分野があれば、それについて専門性を追求している企業や「もっと知りたい、学んでみたい」と思える会社を調べてみる。これは仕事にも言えることですが「好き」ということは大切だと思います。私自身「おもしろい」「好き」という気持ちが現在の会社の設立につながりました。また、仕事はすぐに結果が出るものではなく、時間をかけて取り組むことで成果を得られます。「長く勤務できる会社かどうか」という視点で、事業内容やその企業が存在する市場の動きを調べてみることもお勧めします。
〈野田社長〉

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先輩たちのサポートも充実し、質問しやすい風土が浸透している社内。外部研修にも参加でき、若手・新人技術者が新しい知識を習得できる環境が整っている。

マイナビ編集部から

半導体はスマートフォン、パソコン、自動車、家電、近年ではAIに関わるデバイスにも搭載されており、暮らしのあらゆる場面で利便性や先進性を与えてくれる電子機器だ。この半導体の製造工程において欠かせない装置がプラズマ発生用高周波電源装置。(株)ノダRFテクノロジーズはこの製品を主力に、周辺装置も製造している。現在は顧客カスタムメイドの製品が主力だが、今後は「ノダRF」ブランドの製品開発にも力を入れていくビジョンがある。
同社を立ち上げた野田社長は経営者であると同時に、若手・新人技術者の可能性を誰よりも信じ、期待している先輩技術者でもある。今回はそんな野田社長の技術者としての魂にフォーカスし、創業のきっかけや高周波技術への向き合い方を聞くことができた。また、若手技術者の竹山さんからは、高周波という技術領域の奥深さと同時に社内の明るい雰囲気を伺えた。

窮屈な組織から新しい発想は生まれない。同じ思いを共有する仲間同士、気取らない雰囲気のもとで交わす会話の中から、新しいアイデアや切り口が生まれてくるのだ。今回の取材を通して、同社からもこのような社風が感じられた。半導体業界は裾野が広く、多種多様な業種から構成され、グローバルな広がりを見せている。この市場の中で、新しい市場へと挑戦する心を忘れないのが同社。新社屋も完成し、更なる発展が期待されている企業だと感じた取材となった。

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2024年7月に竣工した4階建ての新社屋。写真は自然光がたっぷり入る最上階の食堂。屋上では毎年夏に開催される花火を見ることもできる。
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