最終更新日:2025/5/19

(株)アステック

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  • 半導体・電子・電気機器

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

大きな可能性を秘めた工作機械の啓蒙・普及を通じ、日本のモノ作りを進化させたい

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営業・広報活動を通じて細穴放電加工機の可能性を拡大する

アステックは放電による熱溶解で金属を加工する細穴放電加工機を開発・製造する専門メーカー。今回は営業・広報活動を通じてこの製品の新たな活用方法の開拓に携わるお二人からお話を伺った。

◆I.Mさん(写真左)
営業部 部長/2016年中途入社

◆H.Aさん(写真右)
営業部 業務課/2020年中途入社

先輩社員が語るアステックの魅力

社員数16名という少数精鋭の組織だけに、社内の風通しが良く、情報を共有しながら、効率的に仕事を進めていくことのできる環境です。(I.Mさん)
「やってみたい」と手を挙げたことには何でもチャレンジさせてくれる会社です。入社前には思ってもいなかったほど、活躍の幅を広げることができました。(H.Aさん)
展示会への参加や業界誌への広告出稿を通じて自社製品の優れた特性をアピールするのもI.Mさん、H.Aさんの重要な仕事になっている。

【I.Mさん】細穴放電加工機の可能性をお客さまに提案し、あらたな可能性を追求していきたい

私たちアステックが開発・製造する細穴放電加工機は、雷の原理を用いて金属に穴をあける工作機械の一種。「電気を通す素材ならどんな堅いものにも正確に穴があけられる」「直径1.0ミリの穴を深さ1500ミリあけられる」「ドリルを用いない非接触の装置のため、球面や斜面にも自由に穴があけられ、加工時にバリが発生しない」などのいくつもの優れた特性を持っています。当社がこの装置の製造販売を開始したのは1985年のこと。私がこの会社に入社した当時は金型業界をはじめ航空機のタービンブレードと呼ばれる部品や、自動車のエンジン内部で使われる燃料噴射ノズルの部品製造などで広く使われるようになっていたものの、工作機械業界全体での知名度はまだまだ低く、売上も決して満足のいくものではありませんでした。

そこで私は営業部長に昇格したのを機に、それまでの代理店営業に加えて、自分たちでも新規開拓の営業に力を注ぎ、現在では、注射器の針孔を加工する用途で医療機器業界に進出することができたり、工具業界でも採用されるようになるなど、少しずつ細穴放電加工機の優れた特性を理解していただけるお客さまが増えてきました。

しかし、この製品の可能性は現在の規模に収まるものではないはず。「小さく、深い穴を、あらゆる金属に正確にあけることができる」という特性は、製造業界のあらゆる場面で役に立つはずです。私たちが現在、注目している半導体業界においても当社の製品が大きな力を発揮するはずなのです。

細穴放電加工機の新たな活用方法を探るため、現在当社では大学との共同研究や、メーカーの設計者へのアプローチにも力を注いでいます。私たちの身の回りにある様々な製品が、毎年のようにより高性能に、小さく、軽くなっていくのは、工作技術の進化があってこそ。細穴放電加工機は、成熟化が進んで新たな技術革新が起こりにくくなっている工作機械業界において、異色とも言える大きな伸びしろを持った製品であると考えています。

【H.Aさん】販促や広報に携わる中、製品の特性を理解し、大きな魅力を感じるようになりました

私の前職はリサイクルショップのアルバイトスタッフ。正社員として安定して働きたいと考えて転職先を探す中、求人サイトを通じて出会ったのがアステックでした。入社の決め手となったのは、会社が自宅から近かったことと、採用面接で感じた職場の雰囲気がとても穏やかで働きやすそうだったことです。入社前に会社のホームページを見てはいたものの、細穴放電加工機というのがどんなものなのか、まったく分かっていなかったのも事実。面接ではそのことも正直にお話ししたのですが「ゆっくり学んでくれればいいよ」と、採用していただくことができました。

入社後、私が配属されたのは営業の仕事をサポートする業務課という部署。最初の数カ月は上司の指示を受けながら、簡単な見積もりを作成したり、カタログを希望されるお客さまに郵送を手配するといった事務作業が中心でした。しかし、半年ほど経ったころ、展示会に自社の製品を出展するためのお手伝いをすることに。会場に自社のブースを設営するため、専門の会社にパネルやディスプレイなどを発注したのですが、そのやりとりを聞くうち「うちの会社の製品は、こんなところに強みがあって、お客さまに伝えようとしているのはこんなことなんだ」ということが少しずつ分かってくるように。それ以降は自社製品に対する興味もより深くなり、販売促進や広報活動に関わる機会が増えてきました。

入社2年目からは自ら志願して、業界紙に出稿している自社広告の発注も任せてもらうように。完全に独学ではありますが、現在ではPCソフトを使い、自分自身でデザインまでを行っています。また営業部長の「マスコットキャラクターがいたら楽しいんじゃない?」という意見を受けて、自社のキャラクター「アステキャット」のデザインも担当することに。入社前には想像もしていなかったほど、活躍の幅が広がっていくことに大きな喜びを感じています。

当社の開発・製造する細穴放電加工機は、非常に高い性能を持つものの、まだまだ工作機械業界での認知度が低く、今後の大きな普及が期待されているもの。今後も社内の事務処理だけでなく、販売促進や広報活動を通じて、この製品の可能性を世の中に発信し続けていきたいと考えています。

【I.Mさん/H.Aさん】お客さまのお悩みに耳を傾けながら、製品の新たな活用法を一緒に生み出していく

【I.Mさん】当社では新規のお客さまに製品をお届けする際には、自社のエンジニアが加工の実験を繰り返し、お客さまがお望みになる結果が出せることを確認したうえで、作業のデータなどと一緒に納品させていただいています。また、まったくの新規分野の場合、自社内で加工した部品が製品に組み込んだ時にきちんと機能するかをお客さまにご確認いただかないと、成約に至らないことがほとんどです。そのため、当社が現在、力を注いでいる新規開拓の営業では3年、5年という長い時間がかかることがほとんど。その一方、既存のお客さまに細穴放電加工機の追加導入を提案したり、工作機械のリプレイスを検討されている工場に、ドリルから当社の製品への乗り換えをお勧めするなど、比較的に短期間で商談がまとまるケースも少なくありません。

そのため当社の営業は、目の前の仕事をしっかりこなして売り上げを確保する一方、中長期的なスパンを持ち、新規の顧客開拓に取り組むというふたつの役割を果たす必要があります。「切る・曲げる・削る」などの工作機械の原理のほとんどは、100年ほど前からほとんど不変のもの。しかし細穴放電加工機は原理そのものが新しく、まだまだ無限とも言える可能性を持っています。大学で機械や電気を学んでこられた方、知識や経験はなくても、モノ作りに強い興味をお持ちの方にとっては、大きなやりがいのある仕事になるはずです。

【H.Aさん】私が細穴放電加工機の販売促進や広報活動に携わる中で感じているのは「この製品の営業は、誰もが知っているものを、必要としているお客さまに売る仕事とは全く違う」ということ。展示会などでお客さまに製品のご説明をさせていただくと「そんな原理で金属に穴があけられるのですね!」と驚いていただくことから、商談がスタートします。

お客さまはもちろん、私たち自身も、まだ細穴放電加工機の本当の可能性について、完全に理解できていないというのが実情。だからこそ私たちは金属加工に様々な課題をお持ちのお客さまのお悩みに耳を傾けながら、一緒になって解決策を探ろうとし続けているのです。細穴放電加工機の優れた特性を多くのお客さまに知っていただくため、展示会や広告などの企画を通じて、当社の営業たちをサポートし続けたいと考えています。

学生の方へメッセージ

私たちが手掛けている工作機械は、一般の方の目にはまず触れることがないもの。しかし、モノづくりを行うためには、何らかの材料を加工し、必要な部品を作り出すというプロセスが欠かせません。さまざまな製品の進化は、工作機械が発展し、加工精度が向上することによってもたらされているといっても過言ではありません。文系はもちろん、理系の方にとっても、あまりなじみのない業界かもしれませんが、ぜひ多くの方に興味を持っていただければと思います。工作機械の業界に触れてみたいと感じてもらえたなら、各企業のWebサイトを訪れてみるのはもちろん、製造業界の展示会などに参加してみるのも良いと思います。

また、企業研究の際に重視していただきたいのは、自分の将来を想像してみること。そうしたイメージができる会社であれば、ミスマッチも起こりにくく、自分がやりたい仕事に巡り合うチャンスも大きいはずです。

分からないことや不安なことがあれば、会社説明会に参加するなどして、ぜひ各社の人事担当者に相談してみてください。

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「技術を学ぼうという気持ちがあれば、文系・理系は問わず活躍しています。研修や実務を通じて、高い技術力を身に付けていきます」(写真左からS.Y.さん、I.H.さん)

マイナビ編集部から

アステックは1985年に創業した工作機械メーカー。放電のエネルギーを使って材料などに微細な穴をあける細穴放電加工機の専門メーカーとして数多くの顧客の信頼を獲得してきた。

主要販売先である自動車業界では、エンジンの燃料噴射機構などに、航空機業界ではガス・タービンブレードを熱から守るための空気膜の形成に、医療業界では注射針の製造に使われるなど、どんなに堅い材料でも微細な穴を正確に開けられるという同社の細穴放電加工機が活用されている。

しかし、放電の原理を用いた部品加工は、まだまだ製造業界全体で広く知られているとはいえない。そのため、同社ではこの製品の啓蒙と拡販に力を注いでおり、新たな市場の開拓に努めている。工作機械といえば、古くから知られた原理で作動する技術が用いられる業界だが、細穴放電加工機はまだまだ活用の分野が拡大していく可能性を秘めた製品。今後の大きな普及が期待されている。

アステックは社員数約16名という少数精鋭の組織であり、風通しがよい社風があるのも大きな魅力。熟練の先輩社員たちの指導を受けながら、エンジニアとして大きく成長することができる。今回の取材を通して、モノづくりに興味や関心のある方にとっては、大きな魅力を持った企業だと確信した。

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東京都八王子市に本社・工場を置き、細穴放電加工機の開発・製造を手掛けている同社。未知の可能性を秘めた製品ともいえるだけに、今後の大きな発展が期待されている。

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