東京書籍(株)

　入社１年目のとき、大学入試関連の小冊子を作ったことです。
　当時、教科情報の大学入試共通テスト導入が決まり、受験指導に不安のある先生がいました。少しでも不安を解消できるように無料の冊子を2冊作りました。１つは大学入試センターが公表した教科情報の試作問題と教科書の関連を分析した解説本、もう1つは全国の大学の二次試験から情報に関連した問題をまとめた問題集です。
　出来上がった小冊子を全国の先生に実際に届けに行くと、どの先生からも笑顔が見て取れました。教科書を作るだけでなく、先生の悩みに寄り添い、教育情報を発信することも当社の存在意義の1つだと感じたことが印象に残っています。
　先輩がたに丁寧に教えていただいたからこそできたものですが、入社１年目から主体となって、さまざまな企画に携わることができることは当社の魅力の１つと言えます。

　当社に決めた理由は、日本の教育動向を見ながら誰もが一度は手に取ったことがある教科書を作れることと、周りからの後押しがあったからです。
　就職先を決める時期、私は大学院生でしたが高校の数学と家庭科の非常勤講師もしていました。生徒1人1人の成長を見守ることも、大きなやりがいでした。しかし、その気持ちと同じくらいに教育動向を見ながら誰もが使ったことがある教科書に、よりよい情報を載せる仕事がしたいと思ったことが1つのきっかけです。
　教師になるか教科書を作るか、悩んでいたときに大学の教授や学校の先生がたに当社の話を聞きました。「困ったときにとても丁寧に対応してもらったことがある」という経験や、「あそこなら安心して送り出してあげられる」など、さまざまなご意見があったことも1つのきっかけです。
　就職を決めてからも悩みましたが、先輩がたや上司に温かく迎え入れていただき、また、入社前に抱いていたイメージと同様以上の仕事もできています。

　コミュニケーションが活発で、部署の垣根を越えて雑談や議論をしている雰囲気です。教科書に限らず、さまざまな話題でコミュニケーションが展開され、そこから新しいアイデアが出るということも珍しくありません。また、仕事の内容で悩んでいるときも心配して話しかけてもらえるということもあり、社内のみんなで助け合うという雰囲気もあると思います。気軽に相談に乗ってもらえたり、楽しいと感じる瞬間が多かったりするという環境が働きやすさにつながっていると感じています。
　また、当社では試験的にLOVOTが導入されました。他企業もストレス緩和を目的として導入され始めており、私が疲れたときはLOVOTの様子を見て癒されています。このような新しいことを取り入れてみるという風潮や制度もあり、やってみたいことがある場合、真剣に共に考えてくれる上司もいます。
　教科書を作っている会社なので、厳格なイメージを持たれやすいです。しかし、多少の厳格さはあるかもしれませんが、社員がそれぞれ楽しそうに働いている印象です。