一般財団法人 材料科学技術振興財団（MST）

前処理は大きな装置を扱うことがなく一見地味ではありますが、実はTEM（透過電子顕微鏡）での観察結果を左右するとても大切な工程です。
お客様から送られるサンプルの大半は、TEMはもちろん観察用に加工するための装置にすら入りません。そのため、前処理では装置に入るサイズにカットしたり、お客様の求めている結果をイメージしながら、最適な処理方法を確認し、作業を行っています。また、私達の作業は最も上流の工程です。もし間違いがあると全工程に影響がでてしまうため、ミスを防ぐための工夫をすることも大事です。ミスを防ぐ以外にも、TEMは観察する方向によって得られる情報が変わるため、適切な観察方向を考えることもあります。TEM観察を支えている、いわば「縁の下の力持ち」というところにやりがいを感じています。

もともと誰かのサポートをすることが好きでした。学生時代、大きな装置を使う必要があり外部の測定機関に行った際に、相手の試料に合わせて最適な条件を探しアドバイスをくれた職員さんに憧れを抱き、分析を通して誰かのサポートができる分析サービスという道を考えました。分析会社はどこかの会社の子会社が多いですが、MSTはどこの会社とも関連のない中立公正な第三者機関であることから様々な企業からの依頼が来るため、幅広く社会に貢献できるのではないかと思い志望しました。所有装置の種類が豊富なこと、また東京という立地の良さも志望理由の一つです。

MSTの独身寮は東京にあるにもかかわらず家賃が安いこと、また、MSTの近隣に住むことで支給される手当があることから、金銭面で大変助かっています。寮と聞くと共同生活なのではと考える方もいると思いますが、一般的なアパートと同じ造りになっているため、普通の一人暮らしと同じ感覚で住むことができます。また、周りは全てMSTの職員ですので防犯面でも安心です。そして、MSTには食堂だけでなく、喫茶室とミニコンビニもあり、そこで昼食や軽食の購入ができるのも推しのポイントです。喫茶室ではクラシックの流れる落ち着いた空間で、出来立てのホットサンドを食べることができますし、スペシャルメニューが提供さることもあります。ミニコンビニには近所のパン屋さんから仕入れたパンやちょっとした時間に食べられるお菓子や飲み物などもあります。仕事の合間におやつでリフレッシュしています。

パート職員からの作業内容に関する質問に答えられるようになってきたことで自分の成長を感じています。私が所属する前処理作業部屋にはパート職員が多いため、正職員は自分の作業以外にパート職員へ仕事内容の依頼をすることがあります。入団当初は自分の作業に手一杯であったり、パート職員から質問されても答えることができなかったりということが多くありましたが、今では状況を確認しながら周囲の人に仕事の依頼ができるようになりました。また、2年目の夏からは、作業内容の検査業務を担うようになりました。作業のチェックは責任重大でまだ慣れない部分もありますが、後工程へ影響が出ないように気を付けながら確認作業を行っています。

二子玉川や新宿にもアクセスしやすく、休日にショッピングや映画を楽しんでいます。二子玉川は寮から自転車でも行くことができるため、バスや電車の時間を気にすることなく、レイトショーも見ることができますので映画好きには嬉しい環境だと感じています。また、新宿のお気に入りのお店で新商品を眺めたり、趣味の手芸屋さんで新しく作る作品について考えたりと、充実した休日を過ごしています。