最終更新日:2025/4/24

平和酒造(株)

  • 正社員

業種

  • 食品
  • 農林・水産
  • 専門店(食品・日用品)

基本情報

本社
和歌山県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

イベントにコラボにアンテナショップ。20代、30代中心の酒蔵には楽しさがあふれてる!

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蔵の中でも外でも活躍。自分らしいキャリアを築けるフィールド

酒蔵はお酒をつくるところ。確かにそうですが、平和酒造に限ってはその説明では足りません。農業、イベントやコラボ企画、国内外の人々との交流など、活躍の場は「蔵」の外へ海外へ、止まることなく広がっています。

●田村 浩貴さん(写真中)
2013年入社/製造

●高木 加奈子さん(写真左)
2011年入社/ビール製造長/醸造家

●檀上 絢子さん(写真右)
2020年入社/総務企画部

平和酒造の魅力ーつながりの中で人が育つ

自分の将来をどうするか、コンサルタントや同僚とともにキャリア形成を考える制度があります。この研修のおかげで私も納得しながら一つひとつ選択ができました(田村さん)
蔵の業務だけが酒造りではない。オフィスでのロット管理、出荷、酒販店との関係づくり。全員が何かしら、お客さまの口に入るまでの工程に関わっているんです(高木さん)
若者や海外からの観光客が多く集まる渋谷で、日本酒イベント『SAKE PARK』を主催。新しい飲み手に日本酒の魅力を伝えるイベントづくりをしています(檀上さん)

【製造/田村さん】最後の最後まで気が抜けない。怖いけど面白い。この沼にハマったら出られないかも(笑)

入社して1年目、製造担当としての私のキャリアは「ろ過、調合」から始まりました。お酒は生き物なので、同じレシピでも味に振れ幅がある。求める味わいにするために、ブレンドなどで味を調整するのです。2年目は最初の工程である米の「蒸し」にも携わりました。マニュアル通りにできない難しさが逆に面白くて、6、7年ほどやらせてもらいました。
ジョブローテーションでオフィスに入ったのは、入社5年目の頃。この経験は私にとって大きかった。自分たちのつくったお酒がどのように出荷されていくのか、会社がどう運営されているのか。蔵の外を体験することで視界が一気に広がったのです。

オフィスでは課題も見つかりました。たとえば当時、伝書鳩のように部署間を人間が走って連絡を取り合っていたのですが、どう考えても非効率ですよね。そこでコミュニケーションツールとしてSNSアプリを導入。FAXで受けていた注文もWEB受注システムに乗せ換え、取引先とのやりとりもスムーズになりました。
その後、精米所を建てるプロジェクトを任されました。精米所では1ロット1,800kgの玄米を2日かけて削ります。そのために必要な設備とレイアウトを、建築士や大工さんと一緒に考えました。続いて麹室(こうじむろ)のフルリニューアルも。新しい麹室は床の角を丸くしたので掃除がしやすくなり、ロボット掃除機がグルグル回って綺麗にしてくれています。

結構いろんなことをやっているでしょう?もちろん私のメインは製造で、各工程に入りながら蔵全体をマネジメントする役割を担っています。新しい麹室も新設備のクセを掴んで使いこなしていかなければ。温度センサーで調整するものの、やっぱり自分たちがほしい麹、ほしい酒をつくるには人間の経験と感覚が欠かせないんですよ。
そう思いながら酒造りに向き合っていた昨年、入社11年目にして挫折を味わいました。高級なお酒の仕込みで、搾るタイミングを間違えてしまいました。商品としては問題ないけれど、最高級ともいえない。「最後の最後まで気が抜けない」と酒造りの怖さを感じると同時に、「次は絶対にいい結果に辿り着くぞ」という意欲も湧いてきました。こうして沼にハマっていくんですねえ(笑)。一緒にはまってくれる仲間を募集中です。

【ビール製造責任者/高木さん】日本酒の酒蔵が一から立ち上げたクラフトビール。ビール好きの人もぜひ!

「お酒をつくりたい」と思い、平和酒造に入社。農学部出身ということで農業を任されることになり、1年目から山田錦の田んぼと南高梅の畑を奔走しました。台風一過の田んぼで、全ての稲がベターっと倒れているのを見たときは「怪獣に踏み潰された!?」と驚愕したものです(笑)。
クラフトビールも好きだった私は、「ビールの醸造をしてみたい」と会社に伝えていました。その思いを受け止め、やりたいことを実現させてくれるのが平和酒造。中古のプラントの出物が見つかったタイミングでビールの醸造器具を購入し醸造免許を取得。入社5年目で平和クラフト』というブランドを立ち上げ、販売を開始することができました。

ビールをつくりながら日本酒の製造にも携わり、9年目に南部杜氏の資格を取得。ビール蔵では製造責任者という肩書きもいただきました。2022年にはビール界のオリンピックと言われるアメリカのコンテストでゴールドメダルを受賞!日本酒で世界一と認められた平和酒造が、ビールでもトップになれたことは誇らしかったです。
ただ「1位になれたからそれで終わり」というわけではありません。狙い通りにつくれるようになったら、次はいろんな製法に挑戦したいし、コラボもやってみたい。和歌山市の名産である新生姜の農家さんと生姜風味のビールをつくったり、ウイスキーの蒸溜所ウイスキー樽で樽熟成させたビールなど新しい挑戦もしています。

様々なことをやってきたとはいえ、自分の力のみではできないことばかりです。そもそもアルコール発酵をするのは人ではなく微生物。どうすれば目指す味に近づけるのかを考えてやってみる。それが私たちにできる唯一のことです。相手が人でも同じで、思い通りにはなりません。今年の稲刈りイベントで「このビールはどのスタイル?」と利きビールクイズを出してみたんです。楽しんでもらうつもりだったのに、難しすぎたようで正解者が少なく、残念がっているお客様が多く反省しました。
今年は『平和クラフト』にとって、8年目の年。生産量は年々増え、コラボ企画やセミナーへの参加など、蔵の外での活動も広がっています。今までは期限付きの醸造免許を年々更新してきたのですが、年間60キロリットル以上の製造を3年連続で達成し、永久免許である本免許をいただけるようになるのが直近の目標です。

【企画/檀上さん】0から1をつくる日本酒イベントを企画!未経験でも活躍できるフィールドがあります!

日本酒の魅力をたくさんの人に伝えたくて、平和酒造に入社しました。文系出身で専門知識のない自分が活躍できるのかな?とも思っていたのですが、そんな心配は不要だったみたい。平和酒造の事業は幅広く、どんなスキルや志向の人でも個性を活かせるんです。
私は、日本酒イベント『SAKE PARK』の企画・運営を担当しています。2023年から年に2回開催しているもので、全国の酒蔵さんやクラフトサケ醸造所、約30社の皆さんにお声かけをして出店していただいています。東京・渋谷という立地もあり、20代前半のお客さまや海外から来てくださった方も。これこそまさに私がやりたかったこと!「日本酒の文化を若者や海外の方に伝えたい」という思いが叶いました。

様々な日本酒イベントが開催されている中で、『SAKE PARK』は、初心者でも参加しやすい日本酒イベントをコンセプトにしています。まだ日本酒に馴染みがない方にこそ気軽に来場してもらって、0から1を生み出し、新たな日本酒ファンをつくっていきたいと思っています。
運営チームで週に一度ミーティングをして、「こういうことをしたら面白そう」と話し合うのも楽しい。初心者向けに日本酒の豆知識コーナーを設けたり、音楽ライブをやってもらったりと、どうしたら若い世代の方にも興味を持ってもらえるのかを自分たちで考えて形にしていくことができるんです。会場でたくさんのお客様の笑顔を見るととても達成感がありますし、次はもっとこんなことがしたい!と意欲が湧いてきますね。

ほかにも、直営店『平和どぶろく兜町醸造所』の立ち上げを入社2年目で担当。若いうちから積極的にチャンスを与えてもらえるのは本当なんだなと思いました(笑)困難もありましたが無事にお店をオープンさせることができ、自分自身もすごく成長できたプロジェクトだったなと思います。
総務企画部の業務は、最初は出荷や問い合わせ対応などから学んでいきますが、次々にクリエイティブな部分が拡大していきます。企画をつくりあげていく面白さと完成したときの感動がありますし、仕事を通して酒文化の発展に貢献できているという充実感も得ています。そんな中で私自身も視野が広がってきたと思いますが、もっと能力を高めてマルチタスクをこなせるようになりたい。プレイヤーから後輩の指導にも目を配れる存在になりたいです。

学生の方へメッセージ

個性をキャリアにつなげて活躍している先輩お話を聞いていただきました。社員の活躍が会社自体の発展に繋がり、さらに私たちの活動の幅が広がっていきます。私の8年間を振り返ってみても、働くフィールドは大きく増えました。入社時は蔵での業務に農業が加わるくらい。それが今の私たちは、酒造りをしながらも東京の『平和どぶろく兜町醸造所』で運営、和歌山の『平和酒店』で若手主体の企画を実施、田植え・稲刈りイベントの運営に携わるなど、1年目から多彩な業務を経験します。会社と一緒に成長していくこのスピード感を楽しんでしまえる方を求めています。

私自身、製造の各部門を経験し、店舗運営や稲刈りイベントなどにも携わりました。新卒採用も任されています。お酒を軸にして本当にいろんなことをやらせてもらいました。まさか自分が、こんな仕事をするなんて想像もしていなかった!ということの連続です(笑)。稲刈りをして楽しそうに笑うお客さまの姿に報われ、おいしいお酒ができた喜びを味わいました。今までに体験したしんどさとうれしさ、やってきたこと全てが、入社時に考えていたことー「お酒っておいしいね」を仲間と、お客さまと分かち合いたいという思いの実現につながっています。
皆さんのやりたいことを表現できる場が平和酒造にはきっとあります。このフィールドで思いを形にしてみませんか。
【2016年入社。醸造家、採用担当/柿澤 夏紀】

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採用担当として魅力を感じるのは「探究心と好奇心が持続する人、粘り強く最後まで諦めない人」と柿澤さん。そして「他責にしない、自分ごととして捉えられる人」だ。

マイナビ編集部から

クラウドファンディング、アパレル、ライブ、スタートアップ、キャリアコンサルティング。そんなワードが自然にこぼれてくる平和酒造だが、もう一つ、忘れてはならないのが「チャレンジ」。毎年、最低1つは新しいことにチャレンジをすると掲げ、新境地を切り拓いてきた。「おいしく高品質なお酒」に徹底的にこだわる一方で、だれも踏み込まなかった領域に踏み出し、日本酒が持つ可能性を示してきた。同社が業界で果たしてきた役割は決して小さくない。

社内でのコミュニケーションも興味深い。南部杜氏(全国最大規模の杜氏組合が授与する資格)の有資格者が複数誕生している平和酒造では、杜氏による社内コンペを実施。全社員の投票により選ばれた杜氏がシーズンに1本、自分のレシピで酒をつくれるというルールである。蔵の中でワイワイ語りあう皆さんの表情が目に浮かび、楽しい気持ちになった。

昔は鑑評会に出品するお酒をつくるとき、麹の様子が気が気でない杜氏は麹室に布団を敷いて寄り添ったとか。酒造りとはそれくらい、愛情を注ぐものであるとわかる。もちろん現在はそんな体制ではなく、休みもたっぷり取れる。平和酒造の給与水準は県内でもトップクラスだ。
今ここで紹介している平和酒造の姿は、1年後には変わっているだろう。どう変わるのかは、まだわからない。それは皆さん自身が望んだ結果、手にする「何か」かもしれない。1年後の今日、その話を聞かせてほしい。

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ワイワイ盛り上げるのが好きな人、「視野が狭い」と言われようが、モノづくり一直線の人。どんな個性もウエルカム!いろんな人が集まれば、それだけ豊かな味わいになる。

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