最終更新日:2025/4/22

東京インキ(株)【東証スタンダード市場上場】

  • 正社員
  • 上場企業

業種

  • 化学
  • 商社(化学・石油・ガス・電気)
  • プラスチック

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

100年の歴史のその先へ。若い力たちの挑戦と成長の軌跡

PHOTO

若手社員が語る仕事の中身

創業100周年を迎える東京インキは、その歴史の中で新しい試みに果敢に挑戦してきた。ここではインキのその先の事業にチャレンジしている3人の先輩の仕事に迫ってみた。

E.K.
第2生産・技術本部 化成品技術第2課
工学部機能材料工学科卒/2020年入社

S. T.
加工品営業本部 生産技術部
経済学部経済学科卒/2019年入社

N. S.
管理本部 理財部
経済学部経済学科卒/2020年入社

東京インキの社風は?

「技術調査では一人で作業することも多いですが、配合等を考えるときには周囲を巻き込んで議論が始まります。コミュニケーションはとてもしやすいです」(E.K.さん)
「上の立場の社員にも、後輩たちにも気兼ねなく話ができる環境です。相談事も容易に伝えられるので、一人だけで悩まずに仕事を進められています」(S. T.さん)
「やりたいことに挑戦させてくれるのが当社の良さ。同期も1年目から大きな仕事にチャレンジしており、伝統企業ながらもチャンスが多いと実感しています」(N. S.さん)

【E.K.さん】異分野の専攻からプラスチックの開発にチャレンジ

大学では生物のタンパク質の抗菌作用のメカニズムをテーマに研究しており、就職先としては当初、研究に関連する食品業界を考えていました。ただ、せっかくの機会ですから幅を広げて企業を見ていくと、“色”の仕事を手掛ける当社と巡り合いました。試しに話を聞いてみると、インキではなく新機能を有するプラスチックを開発している点に大きく心ひかれるものがありました。実はその頃、実家の物干し台にあったプラスチックの洗濯バサミが太陽光にさらされて劣化しており、「プラスチックの機能を高めたら長く使えるのでは?」と想像していました。そんな思いがかなえられるフィールドが広がっているからと、異分野ながら思い切って挑戦をしてみることにしました。

以来、プラスチック開発を手掛ける現在の部署で仕事をしています。最初の1年間は製造ラインで研修を受けたり、先輩のサポートをしたりしながら開発に必要な機械の知識や技術を習得。その後、2年目からはテーマを与えられて製品開発に臨んでおり、私は製造過程で排出されるプラスチックごみのリサイクルを検討しています。これからの時代、避けては通れないテーマですが、新人の私にとっては“重い”と痛感させられながら、試行錯誤の日々を繰り返しています。

この検討を進めていく際には、プラスチックに添加剤を配合して機能を調べていかねばなりません。生物系出身の私にとっては当初、何をどれだけの分量、配合すればいいのかがわからず、素材の選定から苦労させられっぱなしでした。ただ、わからないからといって安易に配合しても成果が出ません。自分なりに資料や論文をあたって事前調査を重ねながらあるべき形を探ってきました。

基礎開発に近いテーマですから、すぐさま結果が出るわけではなく、今も検討を継続しています。それでもアプローチ方法を自分で考え、測定結果の報告なども堂々とできるようになり、成長を遂げた自分を感じています。先輩たちも私の自主性を尊重してくれていて、配合の仕方なども今では私が主体となって決めることができています。製品開発をする身としては非常に挑みがいがあると実感しているところです。まずは今のテーマを成功に導くのが当面の目標。画期的なアイデアで製品開発を進めていけるようになるためにも、地道に勉強や事前調査を重ね、一歩ずつ積み重ねていくつもりです。

【S. T.さん】土木資材の営業として公的機関に対応。逃げずに向き合いつづける姿勢が大事

私は入社以来、加工品事業の中でも土木・環境資材の営業としてキャリアを積んできました。主に扱っているのは、土木工事で用いられる自社製品「テラセル(R)」「グランドセル(R)」。道路脇の路肩やのり面(人工的な斜面)などが天災等で崩れてしまったときに用いられる資材で、都道府県や市町村、建設会社、設計コンサルタントなどに幅広く提供しています。

最初の約2年間は新潟営業所に所属。正直、わからないことだらけでしたから、まずは先輩の営業に同行しながら知識を身に付ける時間を1年ほど過ごしました。正式に担当を持ったのは2年目になってから。長岡市内の販売店を6社受け持ち、当社の資材を利用してもらえるように工事会社などに提案を重ねる日々を過ごしました。

工事図面の中で当社の資材がマッチしそうな部分があれば、対応する製品の性能や使い勝手などを伝えていく──。試行錯誤しながら打開策を考えていくのが好きな性格ですので、さまざまな課題に対しても能動的に仕事に向き合うことができました。新潟は人数が少ない拠点ながら仕事量が多く、だからこそ営業が個々で完結させるのではなく、チームで動いていく文化が根付いていました。キャリアが浅かった私にとって周囲に聞けば何でも教えてもらえるのは非常に心強く感じていました。

現在は本社勤務となり、複数の県を受け持って土木・環境資材を提案しています。担当している県内で集中豪雨が発生したのを受け、土砂崩れからの復旧での依頼を受けるというケースはよくあります。突発的な事態で依頼していただくには、普段からの関係性をしっかりと築いておくのが大前提。「困ったときにはあなたに連絡をすれば大丈夫」と頼りにされたときはうれしいですし、またそういうふうに感じてもらえるようにレスポンスはスピーディにするというのを強く意識しています。

自治体がらみですと土木の専門家であるコンサルタント経由で話をすることも多く、技術的に突っ込んだ話題が飛び交うこともしばしば。新潟時代には対応に苦慮していた私も、今では問題なく回答できるようになっており、知らないことから逃げずに積み重ねてきた成果が表れていると実感しています。目指すところは、東京本社の売り上げをさらに伸ばして“稼ぎ頭”となること。そのためにも今までどおり、地道にお客さまを回って細かいところを対応し、一つひとつをしっかりと積み重ねていくつもりです。

【N. S.さん】会社全体を動かすような大きな仕事に向き合いつづける

就職活動では業種業界を絞ることなく、商社や金融、建設、保険など幅広いジャンルを見ていました。次第に暮らしの当たり前を支える“縁の下の力持ち”のような業種に共感を覚えるようになったところ、巡り合ったのが当社。約100年という長い歴史のもとで培ってきた技術は、色という枠を超えてさまざまな製品として世の中に広がっており、暮らしに直結する多様な事業を営んでいる点にひかれて入社しました。

以来、理財部に所属しています。経理と財務が融合した部署であり、部署全体では入金から支払いまでの処理、決算対応、有価証券報告書などの開示資料の作成などに取り組んでいます。私は1年目から資金の管理・調達の仕事を担当してきました。資金繰りの作成・分析や、金融機関との窓口としてさまざまなやりとり、そしてグループも含めた資金の調達を行うべく、金融機関から状況に合わせて借り入れをしていくことが主な役割です。

当社は多くの設備や工場を有しているため、どうしてもお金が必要となる場面も多く、借入金額はそれこそ億という単位に達することが当たり前です。入社したての頃は見たこともない金額に戸惑うほかありませんでしたが、1年目の後半からは資金の主担当を任されることに。部課長が横で支えてくれていたとはいえ、金融機関との窓口は私ですからズシリと重い責任を感じていました。

そんななかで自身の成長を感じたのは、毎年行う長期の借り入れ。1年目は先輩のサポート付きだったのですが、2年目には必要な金額の算出、金利の交渉、金融機関への借り入れ目的の説明などを一人で全て行いました。無事に調達が終わって経営陣の報告も自分で完結させられたときは、達成感が大きかったですね。

最近はIR関連の業務も兼任しており、決算説明会の動画配信、各種資料の作成などにも取り組んでいます。IR情報は専門的な知識がない人にもわかりやすい内容にすることが大切です。IRでわかりやすい情報をまとめ上げることが多くの人に当社を知ってもらうことにつながるため、資料のグラフやレイアウトを工夫し、当社への理解が深まるような資料作りを心掛けています。

さまざまな経験を通して自分のできることが増えているのは、モチベーション向上につながります。直近では全社に関わる新しい業務に挑戦している真っ最中。この仕事もしっかりとまとめ上げて、会社のブランド力を高めるのに貢献できれば幸いです。

学生の方へメッセージ

プラスチックという素材を扱っている以上、周囲を見るとやはり化学系の学科出身者が多数派であるのは事実です。ただ、勉強をして自分を高めていきたい、好奇心を持っていろいろなことに興味を持って調べたいという人であれば、私のような異分野の専攻でも花開くと思います。研究をするために、調べ、考えるプロセスは、どんな分野を学んできたとしても共通していますから、大学での経験はきっと生きるはずです。(E.K.さん)

私は土木系の企業や団体を相手にした営業をしていますが、業界的に個性的な人が働いていますから、エネルギッシュで元気に人と接することができるタイプに合っている仕事だと思います。当社の場合、部門によって営業スタイルも必要な知識も千差万別。時には理系的な技術に突っ込んだ話も飛び交いますが、場数を踏んで慣れてしまえば、文系出身者でも十分にやっていけるのではないでしょうか。(S. T.さん)

就職活動で自分に合う会社を探すのは大変なこと。あまり根を詰め過ぎず、適度に休憩を挟みながら前向きに臨んでください。当社を目指すならば、素直な人に続いてほしいと思います。わからないことはわからないと素直に表現して、柔軟な姿勢で新しい知識を吸収しましょう。当社の先輩はとても話がしやすいですから、質問なども気軽にできると思います。(N. S.さん)

PHOTO
若手社員に挑戦をさせてくれるのが東京インキの流儀。3人の先輩たちも多くのチャンスをつかみ、大きく羽ばたいている。

マイナビ編集部から

印刷インキメーカーとして約100年前に創業した東京インキ。紙媒体などに向けたインキ材料で現在も確かな実績を残しているが、その活躍の場はインキにとどまらない。今回、登場してくれた先輩社員のように、プラスチックなどの「化成品」、包装資材・土木資材などの「加工品」においても、その名をとどろかせているのである。

社是に聖徳太子が十七条の憲法で記した「和をもって尊しとなす」を掲げていることもあり、長年にわたって“人を大切にする”文化を継承してきた会社でもある。実際、一人ひとりをしっかりと見つめ、親身になって接する社員がそろっているというのは、取材に応じてくれた若手社員からも採用担当者からも同じような声が聞こえてきた。

一方で印象的だったのは、取材を受けてくれた先輩社員の一人の「穏やかに見えて情熱にあふれる人が当社にはそろっています」との言葉。ただ単に優しいだけではなく、目的に向かって果敢に突き進む秘めたエネルギーに満ちた人材がいるからこそ、同社は約100年の長きにわたる歴史を紡ぐことができたのかもしれない。

PHOTO
カラフルなインキの製造を手掛ける同社。紙媒体のみならず、プラスチックの着色にも用いられている。豊かな彩りをもって、暮らしに華を添えるのも同社の役割である。

トップへ

  1. トップ
  2. 東京インキ(株)【東証スタンダード市場上場】の取材情報