最終更新日:2024/10/25

東京インキ(株)【東証スタンダード市場上場】

  • 上場企業

業種

  • 化学
  • 商社(化学・石油・ガス・電気)

基本情報

本社
東京都

取材情報

我が社自慢の制度・社風

次なる1世紀を見据え、新しい形の東京インキをつくり上げる

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100年企業、最新の取り組み

東京インキでは現在、新中期経営計画のもとでESG経営を推進している。関連するSDGsへの対応のほか、人事制度の刷新や行動指針の策定といった新しい試みに関して、人事担当者に話を聞いてみた。

【お話をしてくれた方】
寺田 悠哉さん
池田 哲晃さん
※ともに人事部所属

人事担当から

「会社説明会では、当社の魅力がしっかりと伝わるように丁寧に解説していくつもりです」(寺田さん)
「これからの当社は若い人がより働きやすい制度が導入されることになります。さまざまな面で若手が活躍できる土壌を整えてお待ちしています!」(池田さん)
社是に掲げる「和をもって尊しとなす」を体現するかのように、お二人の人事担当者は温かで、柔らかな雰囲気を醸し出していた。

SDGsやESG経営に取り組むことで、持続可能な社会づくりに貢献する

私たち東京インキは、2023年に創業100年の節目の年を迎えました。社名にもある“インキ”の製造から事業を開始し、紙媒体や食品包装などの分野で実績を残してきた当社ですが、この1世紀の間、変化をしつづけてきた企業でもあります。事実、約50年前にはインキで培った技術を土台にしながら化成品事業に進出。プラスチックの着色剤や添加剤に関わることで、インキの枠を一歩飛び越えました。

約10年前には新たに加工品事業が本格稼働しました。デジタルデバイスの存在感が増す時代にあって、将来的にインキの活躍の場が減っていくと予見した結果、工業材料や土木資材の生産・販売、農業資材の販売といった製造に本腰を入れ始めたというわけです。インキや化成品はものづくりの中間に位置付けられる原材料だけに、加工品という最終製品は文字どおり思い切ったチャレンジとなりました。

生産されるモノは違いますが、インキ、化成品、加工品のいずれも社会生活の根底を力強く支えています。また、いずれも化学品を用いていますから、環境への影響の考慮も強く求められています。そこで、約3年前には社内で委員会を立ち上げ、持続可能な社会づくりに寄与するべくSDGsへの対応を始めました。既に自社製品の中でSDGsの17の目標達成に貢献しているものもありますが、それらはリストアップしてWebサイトに掲載しております。

また、国が目指す2050年のカーボンニュートラルの達成に向けての活動も開始。原材料を購入するところから廃棄までの全てのプロセスにおいてCO2サイクルの見直しを進めています。一例を挙げれば、電力削減のものづくりを進めるべく、断熱効果の高い工場環境をつくり、環境負荷の低いエコな原材料の採用、バイオマス製品の活用などが始まっています。

22年5月には新中期経営計画として「TOKYOink 2024」を発表しましたが、その最上位の戦略としてESG戦略の推進を挙げています。持続的な企業価値向上のため「E(Environment:環境)」「S(Social:社会)」「G(Governance:企業統治)」のESGの視点を実現するべく、末端の社員まで巻き込んで議論を重ねています。既に立ち上がっているESGに関わる委員会は、かつてはベテランばかりが集まっていましたが、現在は女性や若手らも参画して多様な視点から意見を述べています。

伝える、彩る、守る──多様な事業を抱える東京インキ

そもそもインキ、化成品、加工品の3事業で成り立つ当社は、「伝える」「彩る」「守る」という機能を有しています。「伝える」という点では、紙にインキを使って印刷をすることで、書籍や雑誌、新聞などの商業印刷で強みを発揮。また、「彩る」では印刷物はもちろん、プラスチックや各種資材にも色を付ける役割を果たし、「守る」では持続可能な社会構築のために、災害から守る土木資材、農業向けの資材、地球環境を守るバイオマス製品などを通して世の中に貢献する企業でありつづけようとしています。

社名にインキの名がついているだけに、インキ製品のイメージが強いかもしれませんが、化成品・加工品といったジャンルで多数の実績を残しているのは、学生の皆さんにもぜひ注目してほしいと思います。もう少し詳しく説明しましょう。例えば、化成品ではプラスチックの着色料であるマスターバッチが会社の看板となる製品の一つ。身の回りのプラスチック製品はカラフルに彩られていますが、実は原料そのものは無色透明で、マスターバッチを混ぜることで、あらゆるプラスチックは豊かな彩りを得るのです。また、耐熱性や耐久性を高めるための機能面を付与するという意味でも、当社製品は貢献しています。

加工品でいえば大きく2つの方向性に分かれています。一つが日常で目にする機会が多い領域であり、スーパーで見かけるみかんや玉ねぎを入れる食品用のネットなどは当社の得意とするところです。もう一つが普通に生活している分にはあまり意識されることはない分野であり、落石防止に使われる土木資材、ビニールハウスの部材となる農業用資材などは代表格。また、海水を飲み水に変える水処理用資材でも実績を残しており、文字どおり社会を支えるのに深く貢献を果たしています。

そんな当社が掲げる企業理念は「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」さらに理念に添えているのが、2016年の中期経営計画で新たに設定した目指すべき企業像「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」です。経営層がこだわったのは“共に”という言葉です。当社単独ではできることが限られます。しかし、お客さまや消費者、物流会社や原材料会社といった取引先、そして従業員とその家族ら、ステークホルダーたちと密に協力をしていけば、おのずとさらなる可能性が開拓できる。そう私たちは信じています。

新人事制度策定に合わせて、社内行動指針が誕生

会社をより良い方向に変えていくために、2023年4月からは新しい人事制度がスタートしました。これまでは年功序列の傾向が強かった評価体系を一新。若い人にチャンスを与え、力をつけた人は正当に評価する形に変えていこうとしています。

そうしたなかで新たに社員たちがどのように働いていくべきか、指針となるものをまとめるべきだとの声があがりました。企業理念自体は数年前に刷新したとはいえ、それを行動に落とし込む部分は整備されていなかったこともあり、人事制度の刷新と併せて以下のような社内行動指針を作り上げています。

<社内行動指針>
■挑戦しつづける/Never Stop Challenging
課題や問題に対して果敢に取り組もうとする姿勢こそが大切なものだと信じています。時に報われないことがあっても決して諦めることなく、私たちは挑戦しつづけていきます。

■イノベーションで価値を創造する/Creating Value through Innovation
お客さまの想いをカタチにするためには、イノベーションによる価値創造が必要です。現状に満足せず、より高いものを求めて、私たちは心躍るアイデアを提供しつづけていきます。

■共に成長する/Growing Together
一人だけでは良い仕事はできません。皆で意見を出し合い議論を重ね、相手を尊重しながら同じ目標に向かって歩んでいくことが大切です。お客さま、家族、同僚、お取引先、地域社会に支えられながら、その信頼や期待に応えて大きな喜びを共有するため、私たちは学び、共に成長しつづけていきます。

コロナ禍以降、世の中がそれこそ数カ月単位で激変する時代に突入しました。新しい人事制度を通して激動する時代の中でも耐えうる企業として成長を果たし、次なる未来に会社をつなげていく所存です。

企業研究のポイント

“i”に込めた思いに恥じぬように、労働環境やワーク・ライフ・バランス面の整備などは当然のように行っています。現場で働く社員たちも一人ひとりの声に寄り添った仕事を進めており、実際、上司が若手の提案を否定から入るようなことはしません。まずは背中を押してのびのびと挑戦をさせていく文化が根付いています。当然、失敗をしてしまうこともあるでしょうが、そこから多くの学びを得ることが本人の成長につながっていくとの気持ちで、先輩たちは若手を温かな目で見守っています。

企業研究を行う際には、各企業の人事・研修制度にも着目してみてください。そこから企業の特色や風土が見えてくることもありますし、自分に合った企業選択の一助になると思います。

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社名の“i”にはinnovation、impact、idea、intellectual、interesting、inspireなどといった意味が込められている。

マイナビ編集部から

2023年に100年企業となった東京インキは今、伝統の座にあぐらをかくことなく、さらなる高みを目指しつづけている。事実、新中期経営計画で標榜するESG経営、さらにSDGsへの対応などはそのパイオニア精神を表わす最たるキーワードだ。そもそも過去、インキから化成品、そして加工品と新しい領域を果敢に開拓してき同社だけに、これからの新時代も果敢に変革を実践しつづけてくれるに違いない。

今回、記事中で紹介した新しい人事制度は変革の目玉の一つ。等級制度と職務を連動させるのを目指しており、従来は年次で判断されていた部分が大きかった給与に関しても、早い段階で役職につけば、その分、大胆に給与に反映していく仕組みに変化したという。

かといって長く働いている人材をむげにするわけではない。地道に功績を残してきた者は正当に評価する仕組みは継続して残していく。まさに行動指針にある“共に成長する”を体現し、多様な背景を持つ人材を尊重していくべく創意工夫をしているのだ。

新人事制度の構築の背景に関しては人事担当者から話を伺ったが、社員一人ひとりに真剣に向き合っている姿勢が、言葉の一つひとつからひしひしと伝わってきた。自分の将来を安心して預けられる場が東京インキには広がっている。

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約100年前の創業当初の本社社屋。当時は豊島区大塚に位置していた。インキメーカーとして産声を上げた同社は、今や多彩なものづくりを担うメーカーとして飛躍を遂げた。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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