最終更新日:2025/6/2

(株)藤田建装

  • 正社員

業種

  • 空間デザイン・ディスプレイ
  • 不動産
  • 設備工事・設備設計
  • 住宅
  • 建築設計

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

プロフェッショナルの技とモノづくりへの情熱が、理想の空間をつくり上げる

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それぞれの社員が胸に秘める、仕事への思い

商業施設などの内装に特化した空間プロデュースを展開する藤田建装。部署の異なる3名の社員にお話を伺うと、役割や立場を超えて、モノづくりに一心に取り組む姿が共通点として浮かび上がってきました。

(写真右)大倉さん/入社5年目/環境学部環境学科卒
営業3部1課(積算を担当)

(写真左)近藤さん/入社4年目/工学部デザイン学科卒
営業4部1課(営業設計を担当)

(写真中央)菅野さん/入社5年目/建築学専攻修了
設備部電気設備課(電気設備を担当)

※取材当時

社員の皆さんの一日

【大倉さん】見積の作成期間は、1案件あたり1、2週間ほど。オフィスで図面を参照して見積を作成する時間が大半を占めるが、必要に応じて現地調査をすることも。
【近藤さん】午前は社内でデザイン検討や図面チェック、ミーティングなどを行う。午後は外出し、お客さまとの打ち合わせ、現地調査、完成物件の引き渡しを行うことが多い。
【菅野さん】出社後は最初にメールをチェック。続いて社内で進行中の現場の確認や発注業務などを行い、午後は見積や図面を作成したり、現地で進捗を管理したりする。

【大倉さん】コツコツと取り組む細かい作業が好きな私が見つけた、「積算」という天職

学生時代から建築系の道に進みたいと考えていましたが、一口に建築といっても職種はさまざまです。コツコツと細かい作業を積み重ねるのが得意な自分にぴったりの職種は何だろうと調べて見つけたのが「積算」という業務でした。ただ、当時積算職を専門で採用している企業は意外と少なく、そのうちの1社である藤田建装に入社を希望しました。

学生の皆さんにとっては馴染みがないと思いますが、積算は建築になくてはならない仕事です。積算業務では、図面をもとに必要な工種や人員、資材、機器などを読み取って数量を算出し、最終的に当社の利益を上乗せして見積を作成します。お客さまが希望する予算の範囲内で、いかにコストを抑えて質の高い施工をできるかは、積算にかかっているともいえます。当社は、工事の透明性を高め、コストを抑えるため、多くの協力会社と直接取引をする「分離発注制度」を採っています。この方式では、積算の過程で各工種の細部まで確認をする必要がある半面、精度の高い見積を作成するスキルが身に付きやすいという良さがあります。

積算業務で最も避けなくてはならないのが、見落としなどのミスにより見積金額を間違えることです。最初は不安もありましたが、先輩社員が一緒にチェックをしてくれたり、協力会社の担当者が資材などについて詳しく教えてくれたりするため、着実に専門知識を高められました。入社から5年弱が経ち、累計で200件を超える見積を経験して、今では後輩へのサポートにも力を入れています。

この仕事の面白さは、コツコツと積み上げていく作業の達成感に加えて、実際に完成した物件を見に行けることです。図面をもとに頭の中でイメージした空間が形になった店舗を見るといつも感動しますし、「次はここを工夫してみよう」といった気付きにもつながります。ただ、休日に買い物や飲食に出かけると、とにかく内装が気になって頭の中で自動的に積算を始めてしまうのは職業病といえるかもしれません(笑)。

積算は決して目立つ仕事ではありませんが、社内で重要な役割を担っているという自覚がありますし、専門職としてスキルを高めていけることも魅力です。私と同じように細かい作業が好きという方であれば、きっと大きなやりがいを感じていただけるでしょう。

※従来、営業部は職種ごとに採用を行っておりましたが、2024年新卒採用から部門ごとの採用に変更になりました。

【近藤さん】プラスアルファのデザインを提案し、お客さまの理想とする空間を実現

大学で専攻した建築デザインの知識を活かせたらと思い藤田建装に入社しました。入社後は設計の業務に携わることになりましたが、実務に入る前にジョブローテーションとして積算と施工管理の業務を経験しました。積算業務では内装工事に必要な資材や人員などの要素を把握でき、施工管理では実際にどのような工程を経て完成するのかを体験。どちらも設計業務に欠かせない内容であり、その後の仕事に活かすことができています。

当社の設計の業務は、CADで図面を作成するだけではありません。プロジェクトに企画の段階から参加し、お客さまや関係者と打ち合わせをしたり現地の調査をする他、物件のコンセプトやプランの作成の相談から関わる案件もあります。このように、お客さまと直接やり取りをする営業職の役割を兼ねており、実際に現地に足を運んで知識を広げられることも、仕事の面白さにつながっています。

内装のプランや図面は、単にお客さまのご要望通りに作成するのではなく、デザインの提案やプレゼンテーションを行うこともあります。また、できるだけ予算を抑えたいというご希望に対して、コストを抑える材料や施工法を紹介することもあれば、少し遊び心をプラスしたデザインを提案することもあります。例えば、オフィスにパーティションを設置したいというご要望のあった案件。私は、単に仕切りがあるだけでは面白みがないと考え、書籍や書類を収納できる仕組みにするとともに、すりガラスで柔らかい光を感じられるデザインを提案しました。自分なりにチャレンジしたデザインでしたが、お客さまに気に入っていただき採用された時はうれしかったですね。

物件により設計の自由度には差がありますが、一見、同じ内装に見えるチェーン店にも店舗によってさまざまな工夫があります。お客さまのご要望をよく理解し、いかにプラスアルファの提案ができるかが、難しい半面、やりがいを感じる部分であり、自身の成長が試されます。どのような設計やデザインを施せば、お客さまの理想により近付けられるか。検討を重ね提案するという意味では、空間づくりのコンサルティングのような役割もあると考えています。材料や工法、デザインなどに関する知識を広げて提案力を高められるように、経験を重ね常に学びつづける毎日です。

【菅野さん】一見、遠回りのキャリアパスが、自分を大きく成長させてくれた

大学院の研究室では自然光や照明器具による心理的影響を研究しており、その知識を活かせる仕事を探すなかで藤田建装に興味を持ちました。インターンシップに参加した際、社員と話しやすく良い雰囲気だったことにひかれて入社を決めました。

半年間の研修後は設備部に配属となり、はじめは機械設備課の業務を担当。空調や換気扇、ガス設備、衛生設備といった機械設備に携わり、機器の選定や見積、図面作成、発注、協力会社の手配、現場での指示などを行いました。最初は専門知識がなく戸惑いながら業務をこなす日々でしたが、「お客さまの立場になって考え、より良いものを作るためにはどうするべきか」という基本を学ぶことができ、ここで積んだ経験が後の業務に活かされることになります。

入社4年目には電気設備課に異動になり、照明器具やコンセント等の電気設備、非常灯や感知器といった防災設備に関する見積作成や設計、現場フォローなどの業務を行っています。扱うものは異なりますが、機械設備を担当したことで、より広い視点から物事を捉えることができるようになり、その経験が現在の業務の助けになっていることに気が付きました。一見、遠回りの配属のようでしたが、結果的にはスキルアップにつながっており、会社にはとても感謝しています。

これまでにショッピングモールに入居する飲食店や物販店、保育園、公共施設などさまざまな空間づくりを経験してスキルの幅を広げてきました。電気設備の仕事の難しさは、機器の詳細な仕様から建築基準法などの各種法律・規制まで、幅広い専門知識が求められることです。仮に法律・規制に抵触すると工事のやり直しを求められる場合もあり、お客さまにも会社にも大きな迷惑がかかるので細心の注意を払っています。その一方で、営業部や制作部など他部署の方と連携しながら、着工から引き渡しまで全ての工程に責任を持って関われるのは、この仕事の大きなやりがいです。

今は電気設備課に配属になって日が浅く、一つひとつの現場をクリアすることに精一杯の毎日です。覚えることは山ほどありますが、先輩社員にフォローしていただきながら、日々成長していける環境に喜びを感じています。当面は電気設備の業務を一人でこなせるようになることが目標。その先は大学院の研究室で培った照明に関する専門知識を活かして、人がより快適に過ごせる空間づくりの提案をできるようになりたいです。

学生の方へメッセージ

当社は、「モノづくり、一直線。」という合言葉が示すように、店舗内装を中心とした空間づくりに特化した企業です。その原点に改めて立ち返ろうという思いで、2022年には「cazari(かざり)」というオーダーメイド家具ブランドを立ち上げました。モノづくりには大きな苦労が伴いますが、だからこそ完成した時には言葉では言い表せないほどの喜びや達成感があります。

当社の社風を一言で表すと、「自由」という言葉がぴったりです。社員は自分のアイデアを自由に提案してチャレンジし、それを周囲がサポートする風土が受け継がれています。経営層との風通しも良いため意思決定が速く、アイデアが熱いうちに取りかかれる環境も良さの1つです。

入社時には、図面作成やプレゼンテーションのスキルなどは、あまり必要ありません。何よりも自分の思いを語れる熱さを備えた社員が活躍しやすく、成長できる環境です。学生時代、好きなことに熱中する時間が、そのような自分の思いを培ってくれるのだと思います。例えば、カフェ巡りが好きという学生であれば、「こんなカフェをつくりたい」という思いをお持ちのはずです。一見、遊びに見えることが仕事に生かされるのが、社会の面白さです。自分は何が好きなのか、どんなモノづくりをしてみたいのか。ぜひあなたの熱い思いを聞かせてください。
(商環境開発部 部長/中村 由美さん)

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「『制作過程が楽しい』『完成品を見るのが好き』などモノづくりに感じる喜びは人それぞれ。自分の個性に気付くとモノづくりをもっと楽しめるはずです」と中村部長。

マイナビ編集部から

1924年に「藤田店飾専門店」として創業し、人形やお菓子のショーケースなどの制作を手掛けてきた同社。創業100周年を迎え、商業施設の内装を中心として、企画提案から施工監理、メンテナンスまでをワンストップで担う企業へと大きな成長を遂げたが、モノづくりに精魂を込めるという創業の精神は一貫している。
取材時のお話でも、それぞれの立場からモノづくりという言葉を大切にしている印象を受けた。そうした理念を共有しているからこそ、部署や立場を超えた連携がスムーズで、クライアントの理想とするイメージを多角的に捉えた具現化ができるのだろう。オフィスでは、フリーアドレス制を採用する部署もあり、社員同士のコミュニケーションがとても活発な様子もうかがえた。

同社は創業の地である浅草を中心に地域に根付いた経営を展開する一方で、グローバルネットワークの拡充にも積極的だ。中国での自社家具工場の設立、欧米からの商材の直接仕入れなどに、その姿勢が表れている。地域密着とグローバル展開は一見相反する動きにも思えるが、クライアントにさらに喜ばれるモノづくりに向けて進化を続けるという同社の軸は、常に明確だ。だからこそ、地に足をつけた上での多方向への展開が可能になるのだろう。

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「モノづくりが好きな人、流行に敏感で商業施設に関心がある人、そして、時には会社のイベントに参加してくれる人。そんな方との出会いに期待しています」と藤田社長。
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