最終更新日:2025/7/25

丸三製紙(株)【レンゴーグループ】

業種

  • 紙・パルプ
  • 環境・リサイクル

基本情報

本社
福島県

取材情報

我が社自慢の制度・社風

ネット通販の隆盛が追い風に。段ボール原紙製造を通し、世の中の物流を支える

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「人を生かす」ことを第一に掲げ、従業員のため各種制度を整備

福島県南相馬市の丸三製紙は、板紙や段ボールのトップメーカーであるレンゴーのグループ企業。その原紙供給を支える従業員たちに、世の中と丸三製紙との接点や働くモチベーションなどについて尋ねました。

齋藤雅彦さん(左)
福島県相馬市出身。2003年に中途入社し、受注業務に従事。2011年から総務経理部総務課で人事や労務を担当。課長として労使交渉窓口なども務める。

郡司峻さん(中央)
神奈川県横浜市出身。宇都宮大学農学部森林科学科を卒業後、2015年に入社。施設部環境課に配属され、主に排水管理を担当。水を再利用するための処理を行うほか、排出時には各種数値を基準値内に調整している。

鈴木純さん(右)
福島県浪江町出身。日本大学工学部機械工学科を卒業後、2003年に入社。施設部工務課に所属し、社屋や生産機械などのメンテナンスに従事。2004年からは施工管理を担当している。

3人目以降の子どもが生まれた場合、1人あたり50万円もの出産祝金を支給!

丸三製紙は段ボール原紙を製造する会社ですが、私の仕事は原紙を作ることではありません。原紙を作るための社屋・道路・生産機器といった機械のメンテナンスにあたっています。所属しているのは施設部工務課。この部署は自分たちで施工を行う工事班と社内を巡回して設備をチェックする保全班、そして協力会社による施工の管理を行う事務所の三つに分かれて会社や工場のメンテナンスに取り組んでいます。
そのような業務に従事している私が感じるのは、当社が福利厚生の充実した会社であるということです。さまざまな制度が整えられているのですが、中でも特徴的だと感じたのは出産祝金制度でした。これは従業員に子どもが生まれた際、会社から祝金が支給されるというもので、1人目では2万円、2人目では5万円を頂きました。当社の福利厚生を象徴するのが、ここからの仕組み。なんと3人目からは50万円もの祝金が支給されるのです!我が家には2017年に3人目が誕生し、このことで支給対象第一号となりました。当社では3人目以降であれば、その都度50万円が支給される仕組みとなっています。少子化が進む世の中ですが、この制度ならその抑止力になるかもしれません。

また、資格取得についても手厚いバックアップが受けられる環境です。業務上必要なフォークリフト免許、ガスアーク溶接資格などの取得時には、会社に経費を全額負担していただきました。床上操作式クレーン、危険物取扱者、酸素欠乏危険作業主任者なども取得したのですが、受験費用だけでなく出張費や宿泊費まで支給されましたね。試験時は出張扱いになるので日当も出るんですよ。天井式クレーンの試験は1週間泊まり掛けで受験するのですが、その際の経費も負担していただけました。受験2回目までは会社負担となりますが、3回目からは自己負担。このラインの引き方も、本気で取り組める秘密なのかもしれません。

このほか野球部、ボウリング部、バレーボール部、ソフトボール部など、部活動が盛んであることも当社の特徴です。それぞれに経験者や愛好家が集まって汗を流しています。私の場合は、よさこい踊りに取り組んでいます。地元の浪江町のチームに所属し、活動歴は17年になりました。妻ともその活動が縁で知り合ったんです。いまでは家族そろって取り組んでいます。
(鈴木純/施設部工務課・2003年入社)

私にとっての丸三製紙とは?

「社内行事を通じて従業員同士が親睦を図っています。それぞれにプライベートも満喫していますね。私の場合は家族そろってよさこい踊りを楽しんでいます」と話す鈴木さん。

アパートの家賃のうち9割を会社が負担。光熱費の全額補助も

施設部環境課で、主に排水に関わる業務に取り組んでいます。環境課の業務は大きく二つに分かれます。そのひとつは私が主に携わってきた排水管理。原紙を作る際には大量の水を使用します。当社の排水は最終的に河川へ流されるのですが、環境に悪影響をおよぼす汚水を流すことはできません。リサイクル可能な分は再利用し、残った水を放流する際もさまざまな規制値内に収まるよう調整するのが仕事です。またバイオマス焼却炉の管理も環境課の仕事です。これは原紙製造時に出る不要物を処分するための設備。原紙を作る際には繊維のカスが出たり、混ざっていたフィルムなどが取り除かれたりするのですが、当社では不要物を自社で処理しています。その際も有害な煙などを出さないよう注意しなければならないのです。
普段の業務で気を付けているのは安全の確保です。排水の調整は遠隔で操作できるのですが、現地周辺に人がいないことを確かめながら作業にあたっています。現場にはカメラもあるのですが、何かあれば実際に行ってみて状況を確認することも必要。身近にヘルメットを置くなど、いつでも現場に向かえるよう備えています。

実際に入社して印象的だったのは、さまざまな制度が用意されていることでした。特に住宅費補助についてはありがたかったです。会社に用意していただいたアパートに住んでおり、毎月掛かる家賃のうち実に9割を会社に負担していただいています。私のような県外出身者は賃貸住宅を利用しがちなので、特に助かる制度という印象です。自分で住まいを探す場合も、県外出身者にとっては大変だと思います。会社に用意してもらえたことで大いに助けられました。現在では会社が確保したアパートも複数あり、自分に合った物件を選ぶことも可能。また、アパートの家賃だけでなく光熱費は全額が会社が負担してくれるので県外出身者には手厚い会社ですね。

当社では従業員教育にも力を入れ、従業員の階層別に研修が設定されています。1年目の新入社員教育をはじめ、2年目のフォローアップ研修、勤続10年未満を対象にした中堅社員研修、新任管理職研修などを実施。また、毎月1回、2時間ほどの研修も行われています。こちらは月ごとにテーマが変わり、安全、健康、薬品などについて学習。取引先の担当者を招くなどして、業務に関わる専門知識や実生活に役立つスキルなどを身につけています。
(郡司峻/施設部環境課・2015年入社)

私にとっての丸三製紙とは?

「当社では仕事のほか、職場改善のための6Sプラスワン運動なども推進中。積極姿勢をアピールしたい従業員には、それが図れる場も用意されているのです」と話す郡司さん。

ボトル入り飲料水のパッケージ、野菜や果物の梱包材などに使う段ボール原紙を製造

丸三製紙は段ボールの原紙を製造する会社です。手掛けているのは原紙のため、製品に社名が入ることはありません。ただ、当社の原紙を使った段ボールは世の中で広く使用されています。ボトル入り飲料水のパッケージ、野菜や果物の梱包材などが挙げられるでしょう。恐らくスーパーなどでみなさんも目にしていることと思います。

製紙業界はペーパーレス化などによって需要が減少している状況ですが、段ボールについては逆に増加傾向。ネット通販の盛り上がりなどによって、国内需要は2017年、2018年と過去最高を更新しました。当社ではそんな段ボール原紙製造を通し、世の中の物流を支えている会社だと自負しています。商品を安全に効率よく運ぶためには、商品の重量、長い移動距離、運搬しやすさなどに配慮した段ボールが必要です。当社ではお客様のご要望に合わせ、日夜最適な原紙を提供できるよう努力を重ねています。
最近では強度を保ちつつ、軽くて運びやすいという原紙が求められています。この難しいご要望にこたえるため、当社では大規模な設備投資を実施。2015年には原紙の薄物化とともに省エネや省資源も図れる、最新鋭の板紙8号抄紙機を導入しました。これまでの設備と合わせ、当社では1日に約1,300トンもの原紙を製造することが可能です。これは長さにすると約1,600kmにおよぶ量。本社のある福島県南相馬市から大阪市まで往復できるほどの距離となっています。
また製紙には大量の電気、水、油などを使うことから、環境負荷の低減も推進中です。2018年からは国際的に進められている持続可能な開発目標、SDGsにも取り組み始めました。SDGsについては省エネ、省資源、廃棄物の適正処理、雇用環境の改善などに取り組んでいます。このうち省資源については、リサイクルを積極的に推進。2017年の実績ですが、当社の古紙使用率は98%をマークするにいたりました。

福利厚生については有休取得率を84%まで向上させ、再雇用制度を整備し、育休取得率100%の実績を上げています。合わせて定年を60歳から65歳に見直すことも検討中。このように、当社は物流や環境だけでなく、働く人々についても大切にする会社となっています。従業員側でもその姿勢にこたえ、それぞれ自分の仕事に力を尽くしていますね。会社と従業員との間に信頼関係が築かれている会社だと感じています。
(齋藤雅彦/総務経理部総務課課長・2003年入社)

私にとっての丸三製紙とは?

「信頼関係のある職場ですね。震災時には6月まで操業を停止しましたが、その間も給与は出ていました。7月の再開時には全従業員が職場に戻ったんです」と話す齋藤さん。

企業研究のポイント

自分が身につけたことを生かせる業界や企業を見つけてほしいと思います。私の場合は大学時代に機械工学を専攻していたため、その知識や技術が生かせる会社を探しました。その中で見つけたのが丸三製紙でした。自分の能力を活かしてお客様や会社の役に立てるなら、やりがいにもつながるはずです。ぜひ自身の目でたくさんの企業を探してみてください。
(鈴木純/施設部工務課・2003年入社)

大学時代は森林科学科で学んだため、関係する分野で働きたいと考えていました。製紙業界を選んだのは、紙の原料に木材が使われていたからです。ただし企業選びの決め手となったのは、担当者の丁寧な対応でした。定型文などで対応する会社もある中、丸三製紙からは丁寧に書かれた文書が届いたのです。「この会社なら自分個人をしっかり見てくれる」と感じました。
(郡司峻/施設部環境課・2015年入社)

企業研究を行う際は、自分の足を使って工場や会社などを見に行くことが大切でしょう。実績などは書類やWEBサイトなどでも分かりますが、その会社の雰囲気などは実際に見てみなければ分かりません。会社というものは、長ければ40年にもわたって勤め続ける場所です。自分に合った環境なのかどうかを自分の目で見極めてください。
(齋藤雅彦/総務経理部総務課課長・2003年入社)

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企業研究について、実際に職場を見ることが大切と話す従業員たち。WEBサイトやパンフレットの情報を読むだけでなく、会社や工場に直接訪問してほしいとのこと。

マイナビ編集部から

取材時に強く感じたのは、人を大切にする会社だということだ。3人目以降は1人50万円も支給される出産祝金制度、アパート家賃の9割をカバーする住宅費補助、受験費用だけでなく交通費も宿泊費も支給される資格取得支援など、働きやすさに配慮された仕組みが数多く用意されていることに驚かされた。
SDGsといった取り組みも、有休取得率の向上、再雇用制度の整備、育休取得率100%などの実績を出している。多彩な社内行事も実施され、懇親会、日帰り旅行、ナイトウォーキングといった機会を通じて従業員同士の親睦が図られているようだ。プライベートの時間も確保できて趣味や子育てに取り組める環境は、17年間にわたって地元チームでよさこいを楽しむ鈴木さんの話からも理解できるだろう。
その中でも特に興味深かったのは、東日本大震災発生時のエピソード。6月まで操業を停止していた際も従業員には給与が支払われ、その対応にこたえるように、7月の再開時には誰一人欠けることなく戻ってきたのだという。齋藤課長によると、県内では避難や移住で従業員が退職して事業が継続できなくなった企業も多く、それだけに従業員全員で再び仕事に取り組めたことが印象に残ったようだ。
丸三製紙では「人を生かす 時を生かす 物を生かす」という社是を掲げている。その最初に挙げられているのが、ほかでもない「人」だ。そういった点が、この会社の姿勢を象徴している気がしてならなかった。

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2015年に導入された板紙8号抄紙機。原紙製造の心臓部となる最新設備です。丸三製紙では3交替制で24時間の稼働に対応し、1日約1,300トンの製造を可能にしています。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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