最終更新日:2025/6/1

エーザイ(株)

  • 上場企業

業種

  • 薬品

基本情報

本社
東京都

取材情報

我が社自慢の制度・社風

一人ひとりが主体的に成長できるように、社内体制のさらなる進化を目指す

PHOTO

キャリア、教育、働き方……。さまざまな角度からの改革が進行中

エーザイでは、社員の自立した成長を促すことで、会社として次なるステージを目指している。現場を経験後、人事業務にキャリアチェンジした3名の社員から、進化していく社内制度についてお話を伺った。


■柴田 直範さん(写真右)
人財開発本部 タレントマネジメント部
大学院自然科学研究科修了
2007年入社

■古森 雄一朗さん(写真左)
人財開発本部 タレントディベロップメント部
教育学部数学科卒
2009年入社

■高橋 明日香さん(写真中)
人財開発本部 タレントマネジメント部
薬学部薬学科卒
2005年入社

(※2022年3月取材時のものです)

【キャリアプラン】評価制度を進化させ、若い世代の管理職が急増中

入社してからの約8年間、私は医薬品製造現場で生産管理・技術職として勤務した後、現在の人財開発本部に異動となりました。以来、エーザイ全体の人事課題にさまざまな方向から向き合っています。異動直後の2016年に、非管理職の人事制度の改定が行われましたので、私も人事異動、組織再編、評価基準の改定といった大掛かりなプロジェクトに取り組む機会に恵まれました。

なかでも大きな取り組みのひとつが、社内公募での人事異動を行う「ジョブチャレンジ制度」の導入でした。それまで当社では、社命での異動が主体でしたが、社員自身が考えるキャリアの実現機会を提供できないかと考え導入しました。ジョブチャレンジ制度を通して、会社が一人ひとりの成長を支え、個人の成長とともに社の成長も果たしていくことを目指しています。

また、導入した人事制度では、成果を出し続ける社員へは短期的には報酬で、中長期的には処遇で報いる制度としており、その結果、従来よりも早期に管理職へ登用され、2021年度時点で30代管理職数が223名にまで増えました。私自身も5年前に管理職に登用され、2年前よりR&Dや製造部門の人事を担当するグローバルファンクショングループのグループ長として、組織のマネジメントを行っています。若手の皆様から見れば、年の近い先輩がマネジメントする姿を通して、自身が目指すべき将来像を身近に感じてもらえる効果があるとも考えています。

コロナ禍以降、当社では多くの部署でリモートワークが進んでおり、出社率もいまでは5割程度となっています。こうした変化に対して、マネジメントの仕組みも対応させていく必要があり、新たにマネジメントガイドラインを策定するとともに、コミュニケーションを円滑にするために1on1での対話を推奨するなど、対応を進めています。

新しい人事制度がスタートして5年以上が経過しましたが、時代の流れが加速している今、さらなる進化が求められています。患者様、生活者の皆様の健康を支えることが私たちの使命だという想いをしっかりと堅持しつつ、多様な能力やスキルを有する人財が活躍できる職場を作り上げるために、これからも力を尽くしていきたいと考えています。
<柴田さん>

職場の雰囲気について

「hhc(ヒューマン・ヘルスケア)」という企業理念が全員に共有されており、社内のあらゆる仕事において、その実現を第一としているのがわかります」(柴田さん)

【教育・研修】教育のテーマは“自立”。自らの意志で成長できる環境を整備

私が所属するタレントディベロップメント部では、研修を中心とした社員の能力開発や、社員同士のエンゲージメントの向上、ダイバーシティの推進などを任務とし活動しています。近年、教育研修に関しては年次や職域ごとに一括して行う従来型研修から、社員一人ひとりが主体的に進みたい方向に自己研鑽できる方向にシフトしています。

その好例が2021年初頭からスタートした「学び方改革プログラム」。これは、一方的に人事担当が教育メニューを決定するのではなく、複数用意した多様な教育プログラムの中から社員がそれぞれ希望する研修に参加できるスタイルを取っています。医薬品に関する専門性はもちろん、文章の構成力、論理的思考を磨くプログラムなども用意。さらにはオンデマンドの学習ツールも充実化させることで、コロナ禍を受けてテレワークが進んでいる昨今の社内状況にも対応しました。導入して1年が経ちますが、既に300人以上の社員が利用するなど、大きな手応えを感じています。

社員の多様な視点を育む取り組みとしては、社内の別部署を数日間体験できる社内インターンシップ「EKKYO」プログラムを実施しており、入社2年目の若手を含む毎年40~50名が参加しています。MRならマーケティングやデータ分析など、関連する他部署の業務を知ることで、自分の仕事をより深く理解できると好評を博しています。

コロナ禍で社員同士のエンゲージメントを育む機会が減ってしまっているのを受け、オンラインでの交流の場「Eトーーク」を開始し、テーマごとに社員が直接対話できる場を提供。仕事に直結する内容のみならず、“育児”“ふるさと納税”などをテーマにしたコミュニケーションが活発に行われています。

新人研修としては、入社後に全職種の新人を集めた導入研修を実施しています。ここでは、企業理念や、会社としての中長期の戦略、キャリア形成の仕組みなどを学びつつ、同期の横の連携を強める機会にもなっています。約8カ月後に振り返りの研修をしているのですが、リアルな仕事に触れて成長をした姿を見ていると、研修を支えている私自身も非常に大きなやりがいを感じます。社員がより主体性を持ってチャレンジできるように、これからも自立をテーマにした研修の仕組みのブラッシュアップに努めていきます。
<古森さん>

職場の雰囲気について

「キャリア入社社員からはよく『エーザイは優しい人が多い』との声を聞きます。実際、穏やかな社員が多く、非常に働きやすい環境です」(古森さん)

【ワークスタイル】部署を超えた人財が集結し、ダイバーシティを形にする取り組みを推進

当社では昨年、「エーザイダイバーシティ&インクルージョン2021」を策定し、10カ年計画で目標及びアクションプランを定めました。その中では、女性や30代以下のマネジメント層の拡大、多様な働き方が実現できる環境づくり、多様な人財の共存・共生企業の実現などをテーマとしています。

その実行に向けて社内プロジェクトが立ち上がり、生産や研究、本社管理部門など部署を横断して集められたメンバーが、目標とアクションプランの実現と推進に向けて議論を重ねてきました。私自身もメンバーに加わっており、二人の子どもを育ててきた育児経験をもとに、仕事と子育ての両立に関しては特に重点的に取り組んできました。直近では2022年4月の育児・介護休業法改正を受け、男性の育休取得推進に注力しています。

私自身、第一子が誕生したのは約10年前のこと。当時は、産休・育休についての知識があるのは出産する社員だけという状況でした。全社員が育休について理解を深めることが不可欠だと感じたことから、プロジェクト参画後、男性・女性・上司版のガイドブックを作成。育休取得に関する説明動画や、上司が部下との面談で活用できる面談シートなども作成しました。私たちの実体験に基づく取り組みが具体的に形になっていくなかで、当社は現場の声を反映してくれる会社なのだと改めて実感しました。

コロナ禍以降の働く環境づくりとしては、社員一人ひとりが、いつ、どこで仕事をするのが最も生産性が高く、創造的成果発現に寄与するかを考えながら、働く環境や場所を選択できる「ABW(Activity Based Working)」を推進しています。そのコンセプトに沿って、2021年秋には本社オフィスがリニューアルされました。固定席を取り払いフリースペースを設けることで、その日の仕事に応じて柔軟に座る席を変えられるようになり、部署を超えたコミュニケーションが取りやすい環境となったと実感しています。

リモートワークに関しては、1日の中で出社と併用することも可能。午前中に出社して、午後は子どもを迎えるためにリモートワーク。そんな働き方もできるようになり、育児や介護のためにキャリアを諦めることなく仕事とライフイベントを両立させられる環境も急速に整備されつつあります。
<高橋さん>

職場の雰囲気について

「hhcを大事にしつつ、時代背景や社会情勢の変化を受けて柔軟に制度・仕組みを進化させる。そんな適応力を備えているのが当社の魅力の一つです」(高橋さん)

企業研究のポイント

■皆さんが興味を持っている会社が将来、どういう方向に進んでいこうとしているのか。企業研究では会社の方向性という切り口から調べていくことが良いと考えます。例えば、エーザイにおいては、現在、多様な業界のパートナーを増やしており、保険会社や銀行、IT企業とのパートナーシップ構築など、新しい視点で社会を変えていく取り組みを推進しています。
<柴田さん>

■製薬会社や医療というと専門外の人間には入り込みにくいという先入観を持たれることも少なくありません。ですが、営業職であるMRなどでは学部学科は一切不問。どんなバックボーンを持つ人財でも働くチャンスが広がる点に気付いていただきたいですね。病気や命に直接的に関わるという製薬会社の重みある仕事に、ぜひ多くの学生の皆さんに興味を持ってほしいと思います。
<古森さん>

■学生時代を振り返ると、結婚・出産を経て働く自分の姿を具体的に想像する機会はありませんでした。昨今は、企業の働き方に関してさまざまな資料が公開されています。企業研究をするときには、自分の目指すキャリアに沿った環境がどのように整備されているのかなど、しっかりと調べるようにすると良いと思います。
<高橋さん>

PHOTO
リニューアルした東京・茗荷谷の本社オフィス。「Activity Based Working」のコンセプトのもと、リアルとオンラインを融合した働き方ができる。

マイナビ編集部から

1941年の設立以来、約80年の歴史を紡いできたエーザイ。『チョコラBB』などのOTC医薬品のイメージが強い人も少なくないかもしれないが、じつは、認知症やがん領域の医療用医薬品で世界に展開しており、既に27カ国で約1万1,000人が働いている。文字どおり、世界の人々の健康に寄与しつづけているグローバル企業だ。

同社が大事にしているのは企業理念「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」。患者さんとそのご家族、生活者にとって本当に必要なヘルスケアの実現に向けて、世界中の社員たちが一丸となって走りつづけている。2016年度からは10カ年の中期経営計画「Plan EWAY」を推進してきたが、2021年度にはその発展形の新戦略「EWAY Future & Beyond」がスタート。病気にかかった後だけではなく、健康な状態から最後のときまで、一人ひとりの“生ききる”を支えるべく、生活者一人ひとりに向けたキメ細かな取り組みを進めていこうとしている。

認知症・神経変性疾患の「ニューロロジー」、がん領域の「オンコロジー」という2つの得意分野のさらなる発展も目指している。さらにDXを活用したソリューションの創出などにも積極果敢に挑む構え。進化しつづけるエーザイの未来像が楽しみなところだ。

PHOTO
ヒューマン・ヘルスケア(hhc)の理念を掲げながら世界を舞台に活躍するエーザイ。患者さんやそのご家族、生活者のために、ヘルスケアを追求する姿勢を貫いている。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

トップへ

  1. トップ
  2. エーザイ(株)の取材情報