就活準備編（自己分析+α）

自己分析

就職活動において自己分析は欠かせないといわれますが、その理由は何でしょう。 就活は、企業が期待している内容のESを書けることや、面接の場で正しい回答ができることを求めるテストではなく、学生個人と個別企業が「求めるもの」と「提供できるもの」をマッチングさせる作業です。

学生である自分が何を持っていて、何を企業に提供できるのか、自分が求めるものが何なのかを見極めなければこのマッチングは成立しません。一方的に企業が学生を選ぶものではありません。ただ「就職先人気ベスト100社」にランクインするような人気企業には、全国の優秀な学生の応募が殺到します。何万というエントリーをさばかなければならない人気企業においては、書類選考が行われるのは、ある意味仕方のないことです。

そうしたほんの一部の人気企業だけを志望するような戦略観のない就職活動は避け、適正なマッチングを実現させるためには自己分析で自分自身の特質などを振り返ることが不可欠なのです。逆にすでに自分自身のこと、企業に貢献できることなどが明確になっているのであれば、入念に自己分析をする必要はないかも知れません。しかし、ほとんどの学生は自分自身のことについてそれほど顧みる機会がないので、自己分析を通じて情報整理をするのは、その先の就活本番においても有効な準備といえるのです。

自己分析の方法

自己分析の方法はさまざまで、ルールも正解もありません。一般的な方法としては

・自分史を書く（これまで過ごしてきた人生を簡単にまとめる）
・エピソード、経歴、成績、得意・苦手科目、趣味、スポーツ、芸術、アルバイト、サークル・クラブ活動…などを書き出す
・強み（得意）、弱み（苦手）を抽出
・大学や院で専門的に取り組んでいる勉強・研究・実験・調査などの意義や目的成果の検証
・上記に共通する価値観（大事にしているもの）はあるか検証
・自分に対する他人の印象を確認する
・アセスメントツールを利用する
といったものがあります。

しかし、自分だけではうまく整理できないという人には、アセスメントツールがおすすめです。マイナビ2025の「適性診断　MATCH plus」を活用すると、仕事におけるあなたの特徴や仕事におけるあなたの価値観が分かり、あなたに向いている職種や業界のヒントも得られます。

文系学生との違い

理系学生の進路

学生生活

忙しい（実験、研究、レポート・・・）

サークル・バイト

授業が忙しくできない人も珍しくない

専門性

高い

専門分野就職

専門と仕事が直結する傾向

専門外就職

専門外でも理系の特質発揮可能

推薦

有効な選考も

IT

得意

理系と文系の学生は、就活においてどんな違いがあるでしょうか。

理系学生は理系職でも文系職でも応募できるのに対して、文系学生が理系職に応募・採用されることは少ないというのが大きな違いです。これはまさに理系の特質である、専門性とその応用の関係があるからです。

学生生活と課外活動

理系学生は実験や観察、研究、レポートといった学業に割く時間とエネルギーがとても大きいのが普通です。専門分野によって時間的拘束に差はありますが、他学部と比べて大きいことは間違いありません。とくに大学院生は学部生よりも自由に使える時間が少ないため、アルバイトやサークル活動をしない人もそれほど珍しくありません。

就活対策として、書籍やWEBサイトで紹介されるESの実例などではサークル活動やアルバイトの話が多く見られますが、大学の勉強に集中した結果、サークルもアルバイトも、課外活動は何もしなかったとしても問題ありません。その分いかに本業の勉学において努力したかをアピールすることで、理系の就活は成果につながります。

もちろん課外活動が魅力的な内容ならば、しっかりアピールしましょう。大切なことはアルバイトやサークル活動をやったかどうか、勉強や研究をしたかどうかを聞いているのではなく、どのように取り組んだのか、どのようなかかわり方をしたのか、それがアルバイト先、サークル、研究室、ゼミなのか、しっかり説明できるように整理しておくことです。

専門分野の整理

理系学生は性格や特性などの自己分析に加え、今、自分が専門に勉強、研究している分野について、他人に説明できる準備もしておく必要があります。 就職活動のプロセスで絶対に欠かせないESや面接で、とくに理系学生は専門分野の説明を求められることが多いのです。専門外分野での就職を考えている場合でも、今勉強している内容はきわめて重要で、きちんと第三者に説明できる準備をしておけば、就職活動が始まるとともにスタートダッシュを切ることができるでしょう。

専門性の整理

１）学部学科／研究科専攻の中身（大学の紹介ではなく、自分が大学で勉強していることの説明）
２）自分の中心テーマ、素材、対象（専門家向けバージョンと、専門家以外でも分かるバージョンがあると便利）
３）その勉強を通じて得られる成果、結論、応用、実用（とくに基礎系の専門の場合、「応用」を幅広くとらえることが欠かせない）
４）ユニークさ（独自の視点、手法、対象、成功率・失敗率）

大事なことは学会発表や論文発表をするのではなく、志望企業に説明することが目的だということです。学部３年や修士１年の途中で成果が出ることはあまりないでしょう。研究の途中で成果が出ない、発表段階に至っていないといったことは何の問題もありません。どんな取り組みで何を目指して進めているのかを説明できることこそ重要なのです。

適性検査・WEBテスト

実際に就職活動が始まるとエントリーの際に適性検査やWEBテストの受験を求められることがあります。 仕事への興味や思考能力を見たり、一般常識、文章読解や数理計算能力を見るもの、論理能力を見るものなどがあります。 SPIやCAB、GAB、クレペリンなどいろいろな種類がありますが、テストによって出題形式も内容も違います。応募しようとしている企業がどんな適性検査を導入しているかどうか確認し、その試験形式くらいは知っておかないと、試験当日、初めて見るようではかなり厳しい結果となる可能性があります。

また適性検査やWEBテストは、年次によって内容が変化することもあるので、参照する際は必ず最新版を見るようにして下さい。

ただし適性検査（性格診断）の準備のやりすぎはオススメしません。適性検査は満点というような評価が出るものではなく、またどれだけ高得点だとしても、採否を決めるのはESを経て面接した結果です。 また性格診断をやりすぎると結果がぶれ始めて、結局適性が見えなくなるような本末転倒なことにもなりかねません。当然そのような分裂した診断結果は企業側も不信を感じる恐れがあります。性格診断はほどほどにしましょう。