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新たな楽しみ方の提案でビジネスを広げる
2020年ごろから、さまざまな業界に甚大な影響を与えた新型コロナウイルスの流行。スポーツ業界も例外ではなく、なかなか集客に結びつかない苦しい時期もあったといいますが、「コロナ禍を経て、現在は毎試合平均約4万人の集客を維持できています」と布施さん。
しかし、会場としての優位性を確立し、集客が維持できている現状に布施さんは甘んじていません。中長期的な課題として「少子化+野球人口の減少」を挙げ、「スポーツビジネス市場は拡大傾向にありますが、東京ドームで開催する野球市場に限って言えば成熟しつつあるのかもしれません」と前置きしたうえで、ビジネスの裾野を広げる新たな取り組みが重要だ、と布施さんは教えてくれました。

布施
子どもたちへのアプローチを意識しないと、野球を含めたスポーツ人口はどんどん減ってしまいます。この課題について、球団の方とも意見交換をすることもあるのですが、会場である東京ドームとして、そういった未来の野球振興につながる少年少女の野球イベントにも協力し、憧れの場所として感じてもらえるように取り組みを継続していきたいです。
また、当社のイベントとして普段は立ち入れないグラウンドを開放し、身近な公園のように東京ドームを使い、野球場をもっと身近に感じてもらうイベントなども企画・実施しました。このように、野球をメインに据えつつ、スポーツやエンタメを通して子どもたちの心に残る体験を提供していきたいと考えています。
また、当社のイベントとして普段は立ち入れないグラウンドを開放し、身近な公園のように東京ドームを使い、野球場をもっと身近に感じてもらうイベントなども企画・実施しました。このように、野球をメインに据えつつ、スポーツやエンタメを通して子どもたちの心に残る体験を提供していきたいと考えています。
スポーツ業界の将来を担う若年層へのアプローチはもちろん、東京ドームでの巨人戦ではビール価格を半額にするキャンペーンや、大学生を対象としたキャンパスチケットなど、野球観戦の魅力を伝える施策も打っている、とのこと。そして主催者・球団とともに、現地で試合を観る楽しさだけでなく、テクノロジーを活用した試合の楽しみ方も提案しています。

布施
リアルにはリアルの、バーチャルにはバーチャルの良さがある。野球業界に限らず、テクノロジーを取り入れるのは必然の動きかと思います。一例として挙げられるのは、キヤノン様のボリュメトリックビデオシステムの導入です。球場内に設置された複数のカメラで撮影された選手や演者の動きを3次元データに変換することで、あらゆる方向から見た映像を鑑賞できるようにする技術で、さまざまな角度からプレーを振り返ることができます。これはバーチャルならではの新しい野球の楽しみ方といえます。
東京ドームから、新たな野球の楽しみ方や魅力を広く発信できるよう、今後も発展を続けるテクノロジーの活用に惜しまずチャレンジしていきたいです。
東京ドームから、新たな野球の楽しみ方や魅力を広く発信できるよう、今後も発展を続けるテクノロジーの活用に惜しまずチャレンジしていきたいです。
2022年3月に、これまでで最大規模のリニューアルを行った東京ドーム。国内最大級のメインビジョンを新設し、試合の演出面が強化されたほか、多様化していく観戦スタイルのニーズに対応するため、高価格帯の座席を充実させました。実際にスイートエリアや半個室グループ席は人気が高く、入場客単価のアップにつながっているといいます。
野球業界をさらに盛り上げるべく、試合の新しい観戦方法や楽しみ方、潜在層へのアプローチに取り組み続ける日々。布施さんは「まだまだ課題はあります」と真摯に未来を見据えています。
野球業界をさらに盛り上げるべく、試合の新しい観戦方法や楽しみ方、潜在層へのアプローチに取り組み続ける日々。布施さんは「まだまだ課題はあります」と真摯に未来を見据えています。


布施
ただ野球観戦するだけにとどまらない、+αの価値をお客さまへ提供するために、主催者さまや球団さまも含めた関係各所と『どんな施策を打てるか』を考え続けています。
東京ドーム以外にもスポーツ観戦ができる施設はありますから、他の施設に先駆けて『お客さまの要望に応える姿勢』が必要です。また、野球を切り口にスポーツ全体、はたまたeスポーツやエンタメからもスポーツビジネスを発展させられる面はまだまだ出てくると思います。多角的な視点で、新たな集客の種を見つけていきたいですね。
東京ドーム以外にもスポーツ観戦ができる施設はありますから、他の施設に先駆けて『お客さまの要望に応える姿勢』が必要です。また、野球を切り口にスポーツ全体、はたまたeスポーツやエンタメからもスポーツビジネスを発展させられる面はまだまだ出てくると思います。多角的な視点で、新たな集客の種を見つけていきたいですね。
東京ドームの直近では、国内外のビッグアーティストの公演のほか、ラジオ番組やカードゲーム、ゲーム実況者のイベントなども開催。野球の試合やアーティストのコンサートと同じく、4~5万人近くの集客が見込める「種」は、さまざまな分野にあるといいます。
「デジタルの進歩と同様、リアルな体験も進歩する」ことが市場の発展にもつながる

東京ドームという広い舞台で企画・渉外に携わる立場から、スポーツビジネスの発展のためにできることは何でしょうか。布施さんは「リアルの価値を高めることによって東京ドームのファンを増やすことが発展の機会になる」と考えています。

布施
さまざまな球場や施設が開発されている中、東京ドームの強みを挙げるなら「立地」と「規模」、そして「総合力の高さ」です。JR水道橋駅を下車して、すぐ目の前にあるアクセスの良さはもちろん、約5万人のお客さまを収容できる規模、そしてコンサートやイベントに限らず、遊園地や飲食店、ショッピングまで複合的に楽しめる総合力の高さが、東京ドームの価値だと考えています。チームを応援したい、選手を応援したい、といった気持ちに加えて、この施設(会場)だからこそ行きたい、など来場の動機の1つに施設が選ばれると嬉しいですね。
デジタル技術の進歩によりスポーツの楽しみ方は多様になりました。しかし、普遍的にリアルの場にいたい、というニーズが消えることはありませんし、コロナ禍が終わり、現場の価値が相対的に高まっていることを東京ドームにいて実感しています。
デジタル技術の進歩はよくニュースで目にしますが、リアルの場の体験も実は進歩しているんです。このリアル・デジタルの共存、共栄でスポーツビジネスの広がりは出てくると思いますし、チームや選手ではなく、会場起点で始まるスポーツのアイデアもあるかもしれません。ただの箱ではなく、『施設自体にファンがいる箱』になると、さらにまた新しいビジネスチャンスが広がってくるんじゃないか、と思っています。その取り組みの一貫として、東京ドームのSNSでは会場側の視点での投稿などもしています。
デジタル技術の進歩によりスポーツの楽しみ方は多様になりました。しかし、普遍的にリアルの場にいたい、というニーズが消えることはありませんし、コロナ禍が終わり、現場の価値が相対的に高まっていることを東京ドームにいて実感しています。
デジタル技術の進歩はよくニュースで目にしますが、リアルの場の体験も実は進歩しているんです。このリアル・デジタルの共存、共栄でスポーツビジネスの広がりは出てくると思いますし、チームや選手ではなく、会場起点で始まるスポーツのアイデアもあるかもしれません。ただの箱ではなく、『施設自体にファンがいる箱』になると、さらにまた新しいビジネスチャンスが広がってくるんじゃないか、と思っています。その取り組みの一貫として、東京ドームのSNSでは会場側の視点での投稿などもしています。
そして、たとえ同じような立地や規模の施設が増えたとしても、「東京ドームという場所そのものに宿っている歴史が付加価値なんです」と布施さんは続けます。

布施
後楽園球場から始まり、東京ドームになり36年。その背景にある数々の名勝負の歴史が紡いできたストーリーは、東京ドームならではの要素です。スポーツの試合が見られることができればどこでもいい、というのではなく、『東京ドームで観る野球やイベントがおもしろい』と思ってもらいたいですね。施設の改修やイベントの企画、演出面の強化を通じて、東京ドームのファンを増やしていきたいと思います。そういったストーリーも、今後何かを企画する上でヒントになるかもしれません
日々「来場してくれるお客さまを楽しませるためにはどうすればいいのか」に悩み、「東京ドームだからできること」「東京ドームにしかできないこと」に思いを馳せる布施さん。東京ドームの歴史とともに歩むその先には、きっと、新しい東京ドームの楽しみ方とたくさんのファンとの出会いが待っているだろう。
仕事内容 | 東京ドーム部 企画渉外グループの主な仕事内容は、野球の試合をするに当たって必要な関係各所との調整。顔合わせから契約書締結、運営経費の管理、前日から当日までの調整等細部にまで至る。その他、施設改修案件や撮影など東京ドームのパブリシティー管理、リブランディングなどにも携わる。 |
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仕事のやりがい | 数万人もの来場者の熱量を肌で感じながら、自分がこの「場」を作っている一員だと実感できること。 |
現状の課題 | 安定的に集客を維持できているが、少子化+野球人口の減少は中長期的な課題。将来のスポーツを担う若年層を含めた幅広い層へ野球ないしスポーツの魅力を伝え、施設面・演出面・テクノロジー面の掛け合わせにより魅力向上に努めている。 |
今後の目標 | スポーツビジネスの発展のためにも、東京ドームのファンを増やすことが目標。「会場」が主語になったときに新しいスポーツビジネスの広がりが出てくるかもしれない。さまざまな関係各所と連携をしながら、集客の種に目を向けて、東京ドームの独自性や優位性を発信していく。 |
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生で試合を体感する楽しさや価値は不変であり、そのニーズはコロナ禍以降の動員数からも再認識しているところです。さまざまな制限が緩和された現在、さらなる集客及び売上の拡大が期待されています。