教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

ハプニングに強く、期日を守れるのが体育会系の学生
ハプニングに対する経験は必ず生きる
スポーツにはハプニングがつきものです。天気や対戦相手など、自分にはコントロールできないことが、たくさんあります。そうした要素にどう対応するのかを判断して、自分のパフォーマンスを発揮しなくてはいけません。
つまり、スポーツに取り組んできた人は、その場の状況に合った対応策を即座に判断し、チャンスを生み出したり、ピンチを最小限に抑えたりする訓練を幾度となく繰り返してきたという訳です。
そうした経験値が高いため、体育会系の学生は面接などで想定していない質問を投げかけられたときの応対も得意としているのではないでしょうか。
また、仕事で起こるハプニングに対しても、臨機応変さを発揮するのが体育会系の学生の強みだと思います。

面接で詰まったときの対処法
素直に「わからない」と述べる
無理して知ったかぶりをして答えず、素直に「わかりません」と言えることも大切。わかる振りをして内容の薄い回答をするよりも潔い方が好印象を与えやすい。
考える時間をもらい、頭を切り替える
緊張したまま勢いで話してしまうと、自分でも何を言いたいのかわからなくなる場合もある。そういうときは、少し考える時間をもらい、頭の中を整理してから話す。
質問の復唱や、質問内容を聞き返して時間を稼ぐ
質問を復唱したり質問内容を具体的に聞き返したりしながら、相手の質問の意図をくみ取って答えるようにする。
求められたときに最大のパフォーマンスを発揮できる
臨機応変さだけでなく、スポーツに取り組む中で自然に育まれた習慣や考え方は、社会に出たときに自分自身をサポートする武器となります。
例えば、大切な大会やレース、試合に向けて調子を整え、最高のパフォーマンスを出せるように日々、調整してきた人なら、仕事においても書類や成果物を期日までにまとめる業務管理の意識が高いはずです。
成長を実感するためにスポーツを続けてほしい
仕事の種類にもよりますが、社会に出てからの数年間は、課せられた業務に追われ、自分の成長や、仕事に対する充足感を得づらい人もいるでしょう。
そこでおすすめしたいのは、スポーツを続けることです。今までしてきたスポーツでもいいし、経験したことのない別の競技でもかまいません。
僕は今ランニングに夢中です。今月100kmしか走れなかったのに、翌月は150km走れたとか、日に日に速く走れるようになるとか、課題をクリアできると自分の成長を実感できるのです。
このようにスポーツをすることは、直接的にも間接的にもあなたの救いとなります。時にはリラックスすることに役立ち、ときには仕事や日常生活へのモチベーションアップにつながります。こうしたスポーツの効果をよく知っているのも、体育会系の学生の強みではないでしょうか。

太田雄貴(おおた ゆうき)
1985年生まれ、滋賀県出身。父の勧めで小学3年生からフェンシングを始め、小、中学と共に全国大会を連覇している。平安高校時代には史上初のインターハイ3連覇を達成し、高校2年生の時には全日本選手権で優勝。卒業後、同志社大学商学部へ進学。2008年 北京五輪では日本フェンシング史上初の銀メダルを獲得。2012年 ロンドン五輪では、団体で銀メダルを獲得。現在、国際フェンシング連盟理事、日本五輪委員会理事、IOC(International Olympic Committee)の委員会のメンバー。

今回の教訓
学業と部活のバランスを、よく考えて取り組むことが将来のキャリアにつながる。自分の軸を大切にしながら、アピールできる方法を考えてみよう。
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1
大学時代の勉強は必ず社会に出て役に立つ
授業の内容がわからないからといっておろそかにしないこと。後々、社会に出て役に立つこともあるので、授業を受けられる機会をむだにせず、大切にしよう。
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2
「だから」と「なのに」を使い分けて相手に信頼してもらう
自分の強みを伝えるときは「だから」と「なのに」を使って自分らしさと意外性の2軸でアピールすると相手に興味を持って聞いてもらえる。
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3
常に自分はどうなりたいのかを考える
どんな仕事をしたいのか、どんな会社で働きたいのか、ビジネスで成功したいのかなど常に自分がどうなりたいかを考えながら、企業選びでは取捨選択をする。
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