教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

いろいろな角度から企業を調べる
応援してくれる企業があるのはモチベーションになる
僕はフェンシング競技を行うために、高校生時代から森永製菓のサポートを受けていました。これは父が、僕のモチベーションを上げる方法を考え、いろんな企業にメールを送ってサポートを依頼してくれたのがきっかけです。それが、森永製菓の方の目に止まり、高校3年生のときからサポートを受けられることになりました。

あえて無職を選んだ北京五輪後
大学卒業に向けて周りが就職活動を始めた時期はリーマンショックの前年ということもあり、売り手市場、中でもハードウェア業界が人気でした。早々に就職を決める同級生を見ながら、内心ではめちゃくちゃ焦っていたのを記憶しています。それでもあえて就職活動をせずフェンシング1本に絞り、逃げ道を断ちました。すべては世界一になるという目標を果たすためです。
卒業後の2008年、北京五輪を終えた段階では無職でしたが、その後、サポートをしてくれていた森永製菓に、契約アスリートとして入社することになりました。
企業に所属してよかった2つのこと
企業の所属となって会社の宣伝的な役割を担うようになったものの、通常の業務は一切していませんでした。自分がどうしたいのかが明確でしたから、デュアルキャリア(※)を選ばなかったのです。
僕が世界一になりたいという思いは、会社の思いとも一致していたため、トップレベルのサポートや応援をしてもらうことができ、とても感謝しています。
また製菓メーカーと契約したことで、アイスやお菓子などを作っている工場を訪問できたのはとても大切な思い出です。各地へ出向き、モノ作りをする人たちが真剣に仕事へ向き合う姿勢を見られたのはとても良い経験になりました。仕事と向き合う気持ちの持ち方などで話がはずみ、モノ作りとアスリートの親和性にも気づけました。自分の競技をサポートしてくれる方たちが頑張る姿に直接触れることができ、とても励みになったのです。
企業の店舗などに足を運んでみよう
興味のある企業が運営する店舗や施設があれば、積極的に足を運び、職場や働いている人たちの雰囲気を触れてみましょう。そこで実際に見て感じたことが志望動機のポイントになることもあります。また、インターンシップ&キャリアや説明会やOB・OG訪問なども普段、なかなか聞くことのできない企業のオフィスや工場の中で、働く先輩と話ができるチャンスです。こういう機会をぜひ有効活用しましょう。

朝から晩までトレーニングに打ち込み、あまり世の中との接点がないまま、競技のことだけを考える生活をしていると、知らず知らずのうちに浮世離れしていきます。世間の常識や感覚から遠のいてしまうこともあるのですが、工場の人たちとお話しすることで、どのようにして自分が競技を続けていられるのか、どんな人たちが応援してくれているのかといった、現実的な感覚にも立ち返れたような気がしています。
※デュアルキャリアとは、アスリートが競技を続けながら会社員として勤務したり、現役中から将来を見据えた準備をすることを指す。企業に所属するアスリートの中には、午前中など決められた時間は通常業務をし、午後からはスポーツトレーニングをする雇用形態の人もいる。
企業選びは将来像を想像しながら
就職活動に取り組む皆さんは、これからさまざまな企業と向き合う訳ですが、僕の考える企業選びのポイントは、「その企業で自分のやりたいことが、できるかどうか」ということです。これから先10年、その会社がどうなっていくかを予想するのは、企業研究ではとても重要です。
ここ数年の業績や、業界の動向などに加え、その企業に就職したらどんな仕事ができるのかといった事業領域についても調べた方がいいと思います。自分の将来像にも影響を与えてくることですからね。
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1
業界・企業研究を行う
マイナビ2027、業界地図、企業のホームページなどを活用し、売上高・営業利益など、業界内での業績をチェックする。
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2
インターンシップ&キャリアに参加する
インターンシップ&キャリアのプログラムに参加することで、企業で行う仕事の具体的な内容を学べる。また実際の職場で行うプログラムでは、会社の雰囲気を確かめることもできる。
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2
説明会やセミナーなどに参加する
説明会やセミナーでは実際に企業側からどのような会社でどんな業務があるのかの情報を得られ、業界、企業への理解を深められる。
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3
SNSやインターネットで情報収集
企業の評価や社風、従業員の声などを知るためには、企業のWEBサイトはもちろん、SNSや口コミサイト、メディア報道などを調べると効果的。企業の社会的評価や働きがい、問題点などの声を拾える場合もある。
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4
OB・OG訪問をする
OB・OG訪問では、実際に働いている先輩に相談できる。また、会社の雰囲気や環境、士気の高さなどがわかる。
企業選びのポイント
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