教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

抜群のコミュ力と逆算する力はスポーツで培ったもの
コミュニケーションなくしてスポーツはできない
スポーツに取り組んできた体育会系学生の皆さんは、アルバイトも自由にはできず、遊びも控えて、強くなるため、競技で成果を出すために練習に打ち込んできたと思います。多くの時間をスポーツ活動に費やし、自由な時間が制限される一方で、人とコミュニケーションする力は人一倍培われているだろうと私は考えています。
個人競技でも監督やコーチと密に話さなくてはいけない、チーム競技なら自分以外の他のメンバーとの関係構築も必要になります。こうして自分や他者の特徴、弱みと強みに向き合ってコミュニケーションを取ってきたことはとても有意義なことで、企業も高く評価する部分だと思います。

就活でも意識したい「相手の懐に入るコミュニケーション力」
自分から心を開く
インターンシップ&キャリアや説明会やOB・OG訪問などのシーンでは、企業で働く先輩社員や他の学生と話をすることが増える。初めて会話をする場合には、相手が歩み寄ってくれるのを待つのではなく、まず自分から心を開いて自分のことについて話すと相手も話しやすくなる。
いつでも一生懸命取り組む
競技でも就活でも、仕事でもいつでも一生懸命取り組んでいれば、その頑張りを評価してコミュニケーションを図ってくれる人がいる。まずは物事に前向きに取り組む姿勢を見せよう。
相手のことを知りたい姿勢を示す
常に相手にリスペクトを持って、「相手のいい部分をまねしたい」「そのためには相手や企業のことをもっと知りたい」という気持ちで接するようにしよう。
常に逆算して今やるべきことを考える
試合で勝つために、いつまでに何をしなければいけないのかを常に考えながら練習やトレーニングに取り組む。これは体育会系の学生なら当たり前のようにしてきたことだと思います。それは社会に出ても必ず役立つスキルになります。
体育会系学生ならではの強みが分かるコンテンツはこちら!
企業が抱く体育会系学生のイメージ1日1日を大切にすることでしか目標は達成できない
ある日突然、足が速くなることもなければ、レスリングがうまくなることもありません。また、突然新しい技ができることもありません。一朝一夕には物事は進まないことを、体育会系の学生の皆さんは、スポーツを通して痛いほど知っていると思います。
だからこそ、就活でも、そして就職してからも1日1日を大切にしてほしいと思います。そうしないと掲げた目標をクリアすることはできないからです。気づいたら何か成し遂げられているという奇跡を願うのではなく、日々充実した社会人生活が送れるようにしてもらえたらと思います。

登坂絵莉(とうさか えり)
1993生まれ、富山県出身。父の勧めで、小学3年生のときにレスリングを始め、中学3年生のときに2008年全国中学生選手権で優勝し、名門・至学館高校へ進学する。高校2年生、3年生と全国高校女子選手権で2連覇を達成。高校卒業後は至学館大学へ。2012~2015年まで全日本選手権4連覇、2013~2015年は世界選手権3連覇を達成。翌年、念願だったリオ五輪で金メダル獲得。その後ケガの治療をしながら競技を続ける。2022年現役を引退し、2023年にサッカー女子元日本代表の岩渕真奈と、プロテニスプレーヤーの穂積絵莉とともに一般社団法人スマイルコンパスを設立し、代表理事に就任。スポーツの楽しさを伝える活動のほか、レスリングの普及活動やメディア・講演活動に励んでいる。

今回の教訓
自分はどうなりたいか、そのためには今何ができるかをできるだけ具体的に考えることで自分のキャリアをイメージできる。長期的な視点から今の自分を考えてみよう。
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1
目標を明確化する
目標を明確にすることで、そこへたどり着くまでの道筋が見え、モチベーションを保つことができる
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2
自分を客観視することを怠らない
常に自分を客観的に見るように癖をつけよう。自分に今、何が足りないのか、どうしたらうまくいくのか分析できる材料となる
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3
発想の転換をすると見える世界が変わる
なかなか結果が出ないときは、あえて考え方を変えるようにしよう。自分の思い込みを取り払うことで物事の見え方が変わってくる
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