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関西の「モノづくり」事情。技術革新の波が到来中!新たな産業が立ち上がる? 関西の製造業は苦戦?それって本当?

造業の不振がニュースで相次いで取り上げられている関西。円高による国際競争力の低下、新興国による技術の追い上げ、それにともなう製造部門の海外流出など、前向きな話が少ないのが現状です。
そのため、学生の皆さんは「関西のメーカーは厳しいのでは?」「機電系技術者の活躍の場がなくなるのでは?」と不安をいだいているかもしれません。

たしかに、一部のメーカーは苦戦しています。しかし一方では、時代を先取りした新たなモノづくりに挑戦しているメーカーがたくさんあるのも事実です。例えば、電子部品の業界ではMEMS(微細加工技術)の進歩を背景に、スマートフォンなどに搭載される、極めて小さな電子部品の開発が急ピッチで進んでいます。この分野は日本のお家芸。今後、一大産業に成長していくことでしょう。

ほかにも、化学素材や輸送・産業用機械、製薬といった業種では、強みとする基盤技術で勝負しているメーカーが数多く、市場環境は厳しいと言われながらも、業績が堅調なところが少なくないのです。

こうしたメーカーの元気を支えているのは、世界のライバルに勝つための技術革新。各社とも自社の強みをさらに伸ばすとともに、異分野を含めた新技術の導入を積極的に進めて、新製品の開発に取り組んでいます。

ここ数十年間の製造業の歴史を見ると、一世を風びした画期的な技術や製品が登場したのは、オイルショックやドルショック、バブル経済崩壊など、いずれも厳しい時代。そう考えると、逆境にある今こそ、実は大きなチャンスが潜んでいるかもしれないのです。


ここに注目!これから伸びる分野

は、これから期待の業種は何でしょうか? 例えば、電機・電子、機械などのメーカーは、グローバル競争の中で先進技術を意欲的に生み出し、新製品の開発に注力しています。国内の有力大学との産学連携も活発で、その中にはまさに夢の技術がたくさんあります。今後、あらゆる分野で技術革新の波がやって来るといっても過言ではないでしょう。


元々、関西には世界ナンバーワン、オンリーワンの技術・製品が目白押しです。世界に通用する固有の技術を活かした事業を通じて、堅実な経営を続けている企業が数多くあります。電機・電子、機械のほかに、化学、金属などにも優良企業は多く、企業研究を進めていくと、「こんなスゴイ企業があったのか」と驚かれるはずです。

よく誤解されがちなのが、化学・素材メーカーなどでは「機電系出身者は入社してもメインプレーヤーになれない」ということ。しかし、実際はそんなことはありません。たしかに新素材の探索など基礎研究は化学の専門家の領域でしょう。しかし新製品は研究所で開発された後、量産のための生産設備が欠かせません。設備設計や施工管理の中心的な役割を担うのが機電系の技術者です。

また、近年は新製品を早期に市場に出す必要性から、基礎研究の段階から生産技術の専門家が関わるケースが増えています。さらに、環境対策を踏まえた既存設備のリニューアル、そして海外拠点での新規工場の立ち上げなど、機電系の活躍の場は増える一方です。

時代の変わり目で中小企業にもチャンス

電系技術者の可能性は大企業だけでなく、中堅・中小企業でも見逃せません。関西の元気な中小企業の中には、社長のリーダーシップのもとで得意分野を伸ばし、自社独自の技術・製品の開発に力を入れているところがあります。

インターネットの普及で情報の広がりが早い今、その気になれば中小企業でも最先端の技術をいち早く導入することが可能な時代です。しかも、意思決定が早い上に、組織的に小回りが利く中小企業の方が、革新的な技術・製品を生み出す上ではむしろ好都合といえます。

今の世の中、明るい未来が見えにくいという風潮が強いようです。しかし、先を見通しにくい時代は、これまでの固定概念を打破する動きが必ず出てくる時代でもあります。

就職活動ではまずは先入観を持たずに、数多くの出会いを心掛けることが大切です。大企業から中堅・中小まで、勉強のつもりでさまざまな会社を訪ねてみましょう。聞いたことのない社名の会社でこそ、思わぬ発見がきっとあるはず。そして、それが自分の未来を開くチャンスにつながるかもしれないのです。