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オムロンのコア技術を用いて、社会的課題の解決に向けて取り組むべきことを提案してください。

オムロン株式会社

伊藤 雄さん/盛次 保花さん


「センシング&コントロール+Think」技術を有し、世界130ヶ国以上で製品・サービスを展開するオムロングループ。オートメーションのリーディングカンパニーとして確固たる地位を築くオムロンですが、同時に「社会的課題を解決し続ける」という強固な企業理念を持ち、徹底的なビジョンドリブンによって価値を創造し続けている企業でもあります。今回の課題は、そんなオムロンが出題するのにふさわしいソーシャルグッドなテーマ。そこに込めた想いや、学生のみなさんに期待することをお聞きしてきました。

創業から変わらぬ、社会的課題への強い思い。

───まず、オムロンがどんな企業なのかを簡単にご説明いただけますか?

伊藤さん 身近な例でいうと駅の自動改札機、みなさんもご利用されたことがあると思うんですが、世界で初めて自動改札機を開発したのも、オムロンですね。同じように、みなさんが生活の中で使う機械の部品であったり、工場を自動化する制御機器であったり、あとは体温計や体重計などのヘルスケア製品など、じつは身の回りにもたくさんのオムロンの製品があります。
というのもオムロングループでは、「われわれの働きで、われわれの生活を向上し、よりよい社会をつくりましょう」という企業理念が定められていて、暮らしや社会をより便利に、より豊かにするというのが私たちの使命です。「企業は利潤の追求だけではなく、社会に貢献してこそ存在する意義がある」という創業者立石一真の思いでもあります。


───社会貢献が、まず第一義にあると。仕事に対するやりがいも大きくなりそうですね。

盛次さん 仕事にやりがいを感じている社員はすごく多いと思います。私は入社1年目ですが、オムロンに入ってから社会的課題の解決に対して熱い思いを抱いている社員が「こんなに多いんだ!」と感じました。
オムロンでは毎年、“TOGA”(The OMRON Global Awardsの略)という大会を開催しています。このイベントは、各社員がそれぞれ取り組んだ事例を共有して各エリアで代表者を選出し、最終的には世界中の社員の前で、その取り組みを共有するというもの。私も、内定者の頃から参加していて最終発表を聴いていますが、どのチームも真剣に社会的課題に向き合っているのが、強く伝わってきました。社員の中に共通の思いがあることは、同僚ながらすごく嬉しく感じています。


───そこまで、社会貢献を徹底している企業は珍しいですよね。オムロンで働くことの魅力を挙げるとすると、どんなことでしょうか?

伊藤さん 私は、大手企業ならではの安定した基盤と、ベンチャーらしい前のめり感が両立していることが、魅力だと感じています。経営体制、教育体制がしっかり整った大手企業ならではの制度がありつつ、一方で、若手にも積極的に裁量を任せてくれるベンチャースピリットが両立している。

盛次さん たしかに自分でも、1年目にしては大きな仕事を任されていると思います。
私がオムロンに感じている魅力は“人の良さ”ですね。社会に出たら、「みんな必死で、人間関係も冷めているのかもしれない」という勝手なイメージを抱いていたのですが、まったくそんなことはなく(笑)。困っているときにはフォローしていただいたり、褒めるだけでなく成長に繋がるフィードバックをいただいたり。温かく見守っていただく中で自分が成長できている実感は強いです。

感じた社会的課題に真剣に向き合ってもらいたい。

───では、ここから課題解決プロジェクトについてお聞きしていきますが、今回、このテーマにした理由を教えていただけますか?

伊藤さん 先ほど申し上げたとおり、オムロンは社会的課題の解決に真剣に取り組んでいる会社です。ただ、社会的課題というのは時代や環境の変化に応じて、変わっていきます。その課題をどう捉えるかによって、解決策も異なります。
そう考えたときに、将来の担い手である学生のみなさんは、日々どんなことを社会的課題として感じているのか。今回のテーマは、みなさんが捉えている社会的課題を教えてもらうのと同時に、みなさんにも解決方法を真剣に考えてみてほしい、という思いで設定しました。

───社会的課題の捉え方と、解決策。例えばオムロンでの事例として、わかりやすい例などはありますか?

伊藤さん 冒頭の自動改札機も、社会的課題の解決の一つの例として挙げられます。
昔は電車の切符は一枚一枚、駅員さんが改札に立って切り込みを入れていました。高度経済成長期だった当時、都市圏への人口集中による通勤ラッシュが発生し、乗客数が増えるにつれ、駅員さんの負担が増え続ける。オムロンでは、それを社会的課題と捉えて、自動改札機という解決策を提示しました。
みなさんの中にも「不便だな」「どうにかならないかな」と感じていることはないでしょうか。それを、今を生きるみなさんにぜひ考えてもらいたいです。

───身近なものにヒントがあると?

伊藤さん そう言ってしまうと、そればかりが正解と思われてしまうかもしれませんが、とくに「身近なものから探さなければいけない」というわけではありません。課題の見つけ方は、柔軟に考えていただけるといいかなと思います。例えば、将来の人生に対する不安や、ニュースで見かけるようなことから課題が見つかることもあるかもしれません。 ただ、できれば自分が本気で考えられる課題のほうが、嬉しいですね。


───審査項目が5つありますが、その中でもとくにどんな点を意識して取り組むとよいでしょうか?

盛次さん どの審査項目も大事ではありますが、難しさを感じそうなのが「オムロンユニークさ」です。「社会的課題の解決」を掲げている企業は世の中に五万とありますが、その本気度にかけてはどこにも負けない自信があります。ですが、本気になるためには理由が必要です。それは、オムロンが取り組む必要性があるかどうか。
あとでお話する、“コア技術の活用”にも繋がる話ですが、オムロンが取り組む必要性や重要性を言語化すると、「オムロンユニークさ」になるのだと思います。

オムロンが掲げる「センシング&コントロール+Think」と」とは。

───今お話にも出ましたが、テーマには「コア技術を用いて」ともありますよね。この辺りをもう少し詳しく教えていただけますか?

盛次さん オムロンにはコア技術を示す「センシング&コントロール+Think」という言葉があります。これまでコア技術としていた「センシング&コントロール」に、2011年人の知恵を表す「+Think」を加えたものです。
一つずつ説明すると、“センシング”は必要なデータを取得すること。“コントロール”は取得したデータを元に行うアウトプットの制御。最後の“+Think”はアクションを行うための人の知恵や知見を指します。つまり、取得したデータを元に考え、アクションする。その一連のプロセスを、「センシング&コントロール+Think」と呼んでいます。


───技術のお話かと思ったんですが、人間にも当てはめられるのですか?

伊藤さん もちろん、これらのプロセスを機械によって実現するために“技術”という言葉を用いていますが、言葉自体は、広義に捉えられると思っています。例えば、今回の課題解決プロジェクトでいえば、社会的課題の発見は“センシング”、解決策の模索は“+Think”、実際の行動は“コントロール”と、捉えることもできます。


───そして、「その技術を用いて」というのが今回の課題のテーマになっています。

伊藤さん そうです。もちろんオムロンは、各事業で「センシング&コントロール+Think」を用いて日々社会的課題に取り組んではいます。ですが、私たちでは気づけない社会的課題や、「その技術をもっとこんなふうに活用できる」という視点もあるかもしれません。 もし学生のみなさんの視点で、そういった観点からのアイデアが出てくれば、すごく嬉しいなというのも、このテーマを設定した理由の一つです。


───確かに。となると、学生のみなさんにも「センシング&コントロール+Think」をより深く理解してもらうといいなと思うのですが、何か参考になるものはあったりしますか?

伊藤さん そうですね…まずは、こちらのURL を見てみてください。
ロボットと人間が卓球をしている動画ですが、このロボットはオムロンのコア技術を象徴するロボット「フォルフェウス」です。ただ卓球ができるというわけではありません。プレイヤーの表情や心拍数、まばたきの回数などのデータを取得して機械学習を重ねながら相手が打ちやすい場所に返球する、プレイヤーのパフォーマンスを高めるロボットで、「センシング&コントロール+Think」をわかりやすく示していると思います。
さらにセンシング&コントロール+Think」についてもっと知りたいという方は、「EDGE&LINK」というサイトを見ていただくと、オムロンのこれまでの取り組みや社会課題の解決事例がたくさん出てくるので、参考になるのではないかと思います。

机上の空論でもかまわない。柔軟な発想を大切に。

───今回のプロジェクトを通じて、どんなことを学生のみなさんに期待していますか?

伊藤さん そうですね。今って、すごく柔軟な発想をもつ若い方が多いと思っています。若い方たちの感覚や考え方で、既存のものにとらわれず、考えてもらいたいというのが一つと、アイデアは、机上の空論でもかまわないと思っています。

盛次さん 私は、せっかく貴重な時間を使って考えていただくので、「オムロンはこういう事業をしているから、こういう社会的課題にしよう」という考え方はあまりして欲しくないと思っています。それよりも「あなたが社会的課題として捉えていること」のほうが、圧倒的に私たちからすれば気づきが多いです。最初に企業研究をしすぎると、そこに縛られてしまうこともあるので、いちばん根本となる社会的課題を考えるときには、まずオムロンのことを忘れて、考え始めてもらうといいのかなと思います。

伊藤さん たしかに、そういう意味では日本という枠に縛られてもほしくないですね。日本の社会的課題はもちろん多いけど、世界にはさらに多くの課題がありますから。ぜひ、視野を広げて考えてもらえればと思います。


───ありがとうございます。最後に学生のみなさんにメッセージをお願いします。


盛次さん 色々とお話してきましたが、まずはみなさんが自然と考えるところから社会的課題を見つけていって、その解決策を考えるときに「オムロン」という企業に向き合っていただけるといいのかなと思っています。ただ、ときにはその「オムロンらしい解決方法」も、評価項目も度外視して、自由に、柔軟に取り組んでいただけたらと思います。

伊藤さん この課題解決プロジェクトは、学校や先生から強制されるものでもないと思うので、まずは純粋に楽しんでもらえたらいいなと思います。その中で、社会的課題や解決策を考えるプロセスだったり、企業研究の仕方だったり、プレゼン資料のまとめ方だったり。何か一つでも学んだことや成長があれば、それは私たちにとってもすごく嬉しいことです。ぜひ楽しみながら取り組んでみてください。



───本日はありがとうございました!

TOGA(The OMRON Global Awards)
オムロン企業理念
オムロンのコア技術
統合レポート
サステナビリティ

伊藤 雄さん

前職である中途キャリアのエージェントを経て、2022年9月に入社。グローバル人財総務本部・人財開発部リクルーティングセンタ所属。グループ全体の新卒採用を担当し、戦略の立案から各施策の企画、実行まで一貫して取り組んでいる。


盛次 保花さん

2023年4月入社、グローバル人財総務本部・人財開発部リクルーティングセンタ所属。グループ全体の新卒採用業務全般に携わりつつ、おもに広報や内定者フォローの企画・運営を担当。とくに広報媒体などのバリューアップに力を注いでいる。