最終更新日:2024/9/25

(株)ヴィッツ【東証スタンダード市場上場】

  • 上場企業

業種

  • ソフトウエア
  • 情報処理
  • 通信・インフラ
  • 受託開発

基本情報

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愛知県

取材情報

DXが変える、私たちの仕事

“アイデアをカタチにする”“新しい技術に挑戦する”楽しさにあふれた職場です。

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誰もが発言できるフラットな環境で開発に取り組んでいます。

1997年の設立以来、ソフトウェア開発に取り組む「(株)ヴィッツ」。クルマにかかわる高い開発技術を生かし、多分野で次世代技術を実用化しています。現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

今回は、新しい技術開発に取り組む「サービスデザイン事業領域担当」の取締役にインタビュー。2023年4月にパッケージ版がリリースされる「SF Twin Cobot」について、開発のキッカケから今後の展望まで、たっぷりと語っていただきました。

●大西 秀一さん(取締役/サービスデザイン事業領域担当/2001年入社)

自社開発「SF Twin」の魅力

仮想空間技術を用いたデジタルツインソリューション「SF Twin」から、パッケージ製品「SF Twin Cobot」が2023年4月にリリース!
「取締役という立場ではありますが、時には開発メンバーと一緒にプログラミングもします。フラットな組織で助け合いながら開発に取り組むのが特徴です」(大西さん)
製造ラインや製造設備を仮想空間の中に再現。シミュレーション結果を直接ロボットに流し込むことで、ティーチングにかかる時間を短縮する。

製造現場の生産効率向上を実現する「SF Twin」

最近よく「DX(ディーエックス)」という言葉を耳にしますが、「DX=デジタルトランスフォーメーション」とはどのような意味なのでしょうか。直訳すると「デジタル変革」、つまり当社が得意とするソフトウェア技術やセンサー、IoTなどのデジタル技術を組み合わせて、新たなビジネスモデルを創出することです。特に人手不足に悩まされる製造業の現場(工場)において、生産効率の向上を実現するものとして注目されています。しかしDX導入には高い専門性が求められるため、工場になかなか浸透しないという現実があります。当社がリリースした「SF Twin」は、「デジタルツイン」という考え方を取り入れることで、多くの工場が気軽に導入できるDXソリューションです。

「デジタルツイン」とは、現実世界の情報を仮想空間へ送り、仮想空間内に現実世界と同じ環境を再現するということ。現実世界と仮想空間が双子(=ツイン)になっているのです。仮想空間のメリットは2つあり、1つが時間の制約を受けないということ。自由に時間を加速させたり減速させたりして、より細かく世界を見ることができるのです。2つめは、未来の分岐パターンの最適化です。例えば製造現場においてロボットを右に動かすか左に動かすか迷った場合、現実世界で右と左のどちらも動かしてみるには、相当の時間と労力を要します。しかし、仮想空間では手軽に検証できるのです。具体的には、仮想空間内に仮想の生産設備を立体的に再現して、人やロボットの位置情報をシミュレーション。検証結果を現実世界へフィードバックすることで、効率的な運用計画の提供、安全度の自動診断を実施し、最適な答えを導き出すことができるのです。

半歩先の技術への挑戦が、日本のモノづくりを支える

当社が「SF Twin」の開発に取り組み始めたのは、東京証券取引所マザーズへ上場した2019年のこと。「半歩先の技術で人々の生活を豊かに」の理念の下、社長から「上場に甘んじることなく、新しいビジネスを立ち上げる」というミッションが与えられました。しかし、新しい技術をゼロベースから開発するのは、並大抵のことではありません。そこで10年ほど前から取り組んでいた、クルマの自動運転のシステム検証に使用していた仮想空間に着目したのです。当社が保有する仮想空間の技術を使い、何ができるか検討を重ねました。2020年にデル・テクノロジーズが開催した「DXアクセラレーションプログラム」に、現在の「SF Twin」の礎となる企画「仮想空間×製造現場=DX」を提案したところ見事入賞!その後、専門家からの支援や機器の提供をいただき、1年後にはプロトタイプが完成しました。当時のメンバーは5名。少数精鋭で、みんな他の開発業務をこなしながらでしたが、「いいものをつくろう」という軸だけはブレませんでした。現在サービスとして残っているものもあれば、開発を断念したものもありますが、私自身はこれまでも、アイデアが浮かんでは開発するということを繰り返していたため、周囲の目には「遊んでいる」ように見えていたかもしれません。

そんな中、2021年10月に経済産業省による「次世代ソフトウェアプラットフォーム実証事業」の補助金の対象になることが決定。さらに「リアルタイム」の性能に特化した研究開発に取り組みました。「リアルタイム」とは、現実世界の出来事を同時に仮想空間に再現すること。そこではじめて、人と一緒に働く協働ロボットを仮想空間内でリアルタイムに動かすことに成功したのです。それが大きな一歩となり、製品化に向けた話が加速しました。2022年10月に名古屋で開催された展示会では協働ロボットのデモンストレーションを披露。すると、準備していたパンフレットがすべてなくなるなど大きな反響をいただき、その後も問い合わせや受注が相次ぎました。しかしまだカスタム品のため、どこでも気軽に導入できるものではありませんでした。展示会で手応えを感じた開発メンバーは、パッケージ化へ加速度的に開発が進展し、2023年4月に協働ロボットのオフラインティーチングツール「SF Twin Cobot」をリリースしました。

多くの製造現場が気軽に導入できるサービスを

製造現場で活躍する産業ロボットは同じ動きを繰り返すのですが、なにかのキッカケで部品を落としてしまうこともあります。これまでは、離れた場所にいるスタッフが現場に急行し、修復作業に取りかかるのが一般的でした。しかし、「SF Twin」を導入した現場であれば、遠隔制御しているオフィスで復旧作業を行うことが可能です。これで修復を担当する人手が不要となり、かつ迅速な修復作業の実現により、生産性が向上します。導入したお客さまからは、より高度な新機能の追加をご依頼いただき、開発にとりかかっている最中です。まだ詳しいことは公表できませんが、ロボットを自由自在に動かせる、近未来的な機能になると確信しています。最近ファミレスなどで見かける配膳ロボットにも、同様の技術が応用されています。配膳ロボットにスタートとゴールの位置を指示して動かすのですが、途中で障害が生じると止まってしまい、スタッフが修復する必要がありました。今後は、遠隔制御によりそれも不要になります。この機能も2023年ごろにはパッケージ製品としてリリースを予定しています。ただこれだけでは、会社が望む加速度も足りなければ、爆発的な成長にも直結しません。さらに3年間をかけて、「SF Twin」をさらに便利に、さらに導入しやすくブラッシュアップしたい。そして、日本の経済を支える製造現場をより元気にしたいと思っています!

当社の理念「半歩先の技術で人々の生活を豊かに」を、私自身は「技術で半歩先の未来を照らす」と考えています。当社の存在意義は、日進月歩で進化する開発技術を原資に、社会に貢献することです。そのために社員一人ひとりが未来を具現化できる会社でなくてはならない。いいものをつくる努力を惜しまず、お客さまが満足するサービスを提供しなければいけないと考えています。そして社員たちには「楽しい!」と感じながら働いてほしいです。なぜなら、ソフトウェア開発は進化し続けるため、「一生をかけて取り組める仕事」つまり「生き方」でもあると考えているからです。今後も皆で楽しく働きながら、新しいサービやビジネスにトライし続けたいと思います!

企業研究のポイント

どの業界、どの職種においても、社内の人と人のつながりは重要となります。とりわけソフトウェア開発においては、技術=社員であるため、社員のチームワークがなければいい仕事はできません。入社後のミスマッチを防ぐためにも、企業を調べる際は自分の性格にフィットするかどうかをじっくり調べてほしいと思います。企業研究の近道であるインターンシップにも積極的に参加して、先輩社員と交流したり、そこで働くイメージを膨らませたりしてください。
当社のインターンシップでは、実際にツールを使った研修を開催しています。そこでチームで働くことの楽しさ、先輩との関係性を肌で感じてください。先輩エンジニアは、どんな質問も受け付けています。良いことも悪いことも、会社のオモテもウラも。包み隠さずリアルな思いをお伝えするので、たくさん質問をしてみてくださいね。
150名規模の会社のため、社長を含め社員同士の距離が近いのが特徴です。年次や社歴に関係なく発言できるフラットな環境が整っており、若手社員が手を挙げればプロジェクトのリーダーを務めることだってあります。“やりたいが叶う”そんな職場ですよ!
(総務部/佐藤 倫子)

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コーヒーメーカーなどを完備した本社のフリースペース。ここで行われるスタンディングミーティングや雑談から、新しい技術のアイデアが続々と生まれている。

マイナビ編集部から

名古屋を拠点とするソフトウェア開発会社「(株)ヴィッツ」。2004年に自動車国際標準仕様RTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)の開発に成功したことで知名度を高め、2011年には機能安全規格「IEC 61508 SIL3 ソフトウェア開発プロセス認証」を国内で初めて取得。2012年には自動車向け機能安全規格「ISO 26262 ASIL D ソフトウェア開発プロセス認証」を世界で初めて取得するなど、目覚ましい活動が続いている。

今回のインタビューテーマである「SF Twin」は、製造現場の“新しい働き手”として生産効率を向上させてくれるソリューションだ。そんな「半歩先の技術」に取り組む同社の社員たちはみな情報系や工学系出身者かと思いきや、中心メンバーである大西さんは教育学部の出身だという。文系出身者であっても、若手に寄り添った研修やサポートにより、1年ほどかけてエンジニアとしての実力を習得できるそう。最近では勉強会の開催や、ある技術に特化したエンジニアにオンラインでなんでも質問できる制度を導入するなど、学びの場が整えられている。

「突拍子もないアイデアから、新しいビジネスが生まれる」と大西さんが話してくれた通り、新しい意見を取り入れる風土が根付いている同社には、無限の可能性が秘められていると、取材を通じて感じた。

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情報系学部出身者はもちろん、文系出身者もエンジニアとして活躍する「(株)ヴィッツ」。先輩によるきめ細かな指導で、1年後には確かな技術と自信が習得できる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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