(株)日立産機システム

産業用インクジェットプリンタのメカ系の設計を担当しています。現在担当しているのは、インクの循環に関わる部分に新たな技術を複数取り入れるという開発プロジェクトです。これまでも、筐体や偏向に関わる電極など、製品ごとに様々な設計を担当してきましたが、いつも、どういう製品を作るかという方針に沿って構成を考えてきました。例えば、低コストの製品を作るということであれば、どうすればコストを低減できるかを様々な角度から検討し、その上で、部品の作りやすさや組み立てやすさ、サービスのしやすさといった幅広い視点に配慮して設計することが求められています。

当社は、製造、販売、サービスを一貫して提供する体制のため、私のような工場の技術者でもお客様の製造ラインを目にする機会が豊富にあるところは魅力ですね。産業用インクジェットプリンタにおいて、当社は幅広いフィールドのお客様ニーズを網羅しています。そういう多くのお客様のニーズを直接、製品開発に活かせるのは当社ならではの醍醐味。また、自分の独自のアイディアをどんどん仕事に活かしていけるところも大きなやりがいにつながっています。

私が大学時代に研究していたのがMHD（電磁流体）発電。これは、発電機内のプラズマに垂直に磁場をかけることで粒子を偏向させ電力を発生させるもの。その原理が、ノズルから出たインク粒子を静電場で偏向し印字を行う産業用インクジェットプリンタの原理に似ていることから、興味を持つようになりました。

幅広いフィールドのお客様から直接ニーズをヒアリングするたびに、多くの方が当社に対して高い信頼性を求めていることを実感します。お客様がどういう業務に製品をお使いになるかによって求められる性能は異なりますが、どのお客様も信頼性に関しては特に強い関心を示されます。当社が多くのお客様から支持されているのも、まさにこの部分。今後は、当社の強みでもあるこの信頼性をより一層、高めていきたいと思っています。

産業用インクジェットプリンタは印字の性能、信頼性、取扱い性など、さまざまな分野でまだまだ大きなポテンシャルを秘めた製品です。自分のアイディアをもとに、その可能性を最大限に引き出して、技術者として会社に大きく貢献していくことがこれからの目標。当社には、キャリアや年齢に関係なく、社員のアイディアを積極的に仕事に活かせるチャンスがあります。そういうメリットを活かして、今後は、現場でいただいたお客様の声や、自分の独自のアイディアをベースに、画期的な製品開発にチャレンジしていきたいですね。