最終更新日:2025/3/1

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 【鉄道・運輸機構】 (JRTT)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 公益・特殊・独立行政法人
  • 鉄道
  • 建築設計
  • 設備工事・設備設計

基本情報

本社
神奈川県
PHOTO
  • 10年目以内
  • 電気・電子系
  • 技術・研究系

人と環境にやさしい交通手段を創造できる電気技術者を目指して。

  • 中野 盛人
  • 2008年入社
  • 自然科学研究科 数理・情報電子工学専攻
  • 東京支社 魚津鉄道電気建設所(取材時)
  • 電気系統

会社・仕事について

ワークスタイル
  • 形の残る仕事
  • チームワークを活かす仕事
  • 社会インフラを支える仕事
現在の仕事
  • 部署名東京支社 魚津鉄道電気建設所(取材時)

  • 仕事内容電気系統

研究室で芽生えた興味に従って、進むべき道を決めた。

大学院では地球の温暖化対策研究室に在籍し、効率の良いオゾン生成の研究を行っていました。強い酸化力があるオゾンの殺菌・脱臭作用は空気清浄や浄水処理などに利用されていますが、コストが高いのが難点。コストを抑えるため、放電形式によって生成効率を改善する方法を模索していました。
ですから、幼い頃から好きだった鉄道についても、「二酸化炭素削減」という観点で考えるようになっていました。最も興味を持っていたのは、“人と環境にやさしい公共交通”を目指して登場した日本初の本格的LRT『富山ライトレール』です。バス並のコストで、車いすやベビーカーでも楽に乗り降りできる全低床車両、騒音・振動を抑える制振軌道(樹脂固定軌道)などを実現している点に強く惹かれていました。
鉄道・運輸機構への入社を希望したのも、広域的に鉄道ネットワーク整備を推進している機構なら、電気技術者としてLRTの導入・整備に関わることができるかもしれないと考えたからです。もちろん、整備新幹線の建設事業が軸であることは理解していましたし、電気設備を一から作ることにも魅力を感じていました。


今の仕事のやりがい

私は魚津鉄道電気建設所で北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」と「富山駅」の運転保安設備全般の施工監理を担当しています(※取材時)。北陸新幹線(長野・金沢間)は2015年3月に開業予定で、2014年7月まで現場の施工と試験、8月からは走行試験が行われており、11月からはJRが受検する完成検査の対応が始まっています。
この仕事で最も大変だったのは、過去に例のない工事の遅れでした。どれだけ綿密に計画を練っても、その通りに進まないのが建設工事というもの。私もある程度は覚悟して着任しましたが、現場で前任者から説明を聞いた時には愕然としたのを覚えています。しかし、工期を守れなかったために走行試験が遅れたという前例はありません。私は迷うことなく、施工業者の管理部門に直接掛け合って、シフト強化のための増員をお願いしました。
土木や建築チームからバトンを受ける電気チームは周回遅れを挽回しなければなりません。まさに体制を立て直して工事の遅れを取り戻すのが、私の「使命」だったといえるでしょう。


三陸鉄道北リアス線における電気設備の復旧工事

生涯忘れないと思う工事は、東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道北リアス線における電気設備の復旧工事の施工監理ですね。3名の応援職員とともに私が着任したのは、地震発生から半年後。現場はまだ水が引いただけという状況でした。そこから土木チームが作成した調査資料をもとに、鉄道事業者の三陸鉄道と密に連携しながら工事を進めていきました。当時、私の頭にあったのは、2012年4月1日までに田野畑駅~陸中野田駅間の運転を再開させることだけ。人員と資材の確保は想像していた以上に難しかったですが、みんなで気持ちをひとつにして突き進みました。
運転再開を喜ぶ地元の皆さんの姿は、久慈駅に隣接した指令所で見ていました。笑顔と涙がいっぱいの列車を見送った時の感激は、新人の頃に経験した九州新幹線の開業時とはまた違っていました。「『地図に残る仕事』に固執することはない。もっと違うやりがいもある」と思えるようになったのはこの時からです。


現場で学んでもらうのが機構の伝統

機構の技術者の仕事は、技術の研究開発というよりはむしろ現場で工事の施工監理を行っていくこと。北陸新幹線で導入された50Hz/60Hz両用DS-ATC(デジタルATC)にしても、私自身は信号設備の進歩を実感して感激したということはないですが、設置して初めて理解できたことがたくさんあります。新人にもそうやって現場で学んでもらうのが機構の伝統で、私も後輩に対してはそうありたいと思っています。
ものごとは、ただ新しくすればいいというものではありません。新幹線が開通すれば移動時間が短縮され、地域の活性化が期待できますが、在来線の経営状況は間違いなく変わります。鉄道設備も新たな技術開発が進めば、開発したことによって障害が浮き出てくることもあります。光が当たれば影ができる。機構で長年にわたって続いている技術の継承も、これからの世代に対してはそのことをもう一度しっかりと踏まえていきたいと考えています。


トップへ

  1. トップ
  2. 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 【鉄道・運輸機構】 (JRTT)の先輩情報