予約リストに追加した企業へのエントリーを行いました。
以下のボタンから、予約リストを確認してください。
予約リストへ
エントリー受付を開始しました。
トップページへ
検討リストに登録した企業の中から、気になる企業にエントリーしよう!
0社を選択中
エントリー受付開始!!
会員の人はログインしてください。
最終更新日:2025/3/1
予約リストからも削除されますがよろしいですか?
部署名九州新幹線建設局 長崎鉄道建設所(取材時)
仕事内容土木系統
私が鉄道業界を軸に就活を始めたのは、平成16年に「九州新幹線鹿児島ルート」(新八代~鹿児島中央間)が開業した時の地元の盛り上がりが強く印象に残っていたからです。建設中の高架橋や橋りょうを見る機会はなかったのですが、毎日利用していた博多駅に新しいテナントなどが入り、利用者の流れが変わったことはよく覚えていましたからね。地域の交通の利便性を高めるだけでなく、経済も大きく発展させることのできる鉄道建設という仕事に大きな魅力を感じていたのです。それを鉄道・運輸機構という公的機関が行っていることは就活を始めてから知りました。新幹線建設という国家的なプロジェクトの構想段階から開業にいたるまで、技術者として関わることができると聞き、「ここしかない!」という気持ちでした。大学OB の土木系職員の方からは、入社後の早い時期から、複数の建設会社から成る共同企業体が施工する大規模な土木工事の施工監理を担うことを聞いていました。その方は施工監理だけでなく、鉄道路線の選定や需要予測、採算の検討といった調査業務も経験されていたので、話を聞いて、胸が躍るような気分になった憶えがあります。
ですから、入社2年目という早い時期に北陸新幹線の本線と白山総合車両所(車両基地)の土木工事の施工監理を任せていただいた時も、重圧より楽しさの方が勝っていました。車両基地は、車両の留置施設と、試験車庫、検査線、メンテナンス施設などを備えた最も重要な施設のひとつ。入社1年目に工事の発注、地元との設計協議などの準備業務も担当していたので、気持ちが昂ぶっていました。サポートしてくれる上司、先輩も全国の現場で難しい工事を経験してきたベテランばかりですから、すべてを吸収するつもりで何でもやりました。だから楽しかった記憶しかないですね。
そのなかでも特によかったと思うのは、施工業者である建設会社の技術者の皆さんと土木工事の工法や協議について議論できる機会が多かったことです。工事は決められた予算と期間内に完了する必要がありますので、図面どおりにやってもらえたらそれでいい、という考え方もあります。でも、私にとって新幹線の建設工事は難解なパズルを組み立てるようなもの。予算内・期間内に完了するためには発注者と施工業者が議論を重ねてベストの方法を探る必要があると思っています。それが、この現場では何度もできた。事前に検討することばかりではなく、時には不測の事態に直面して、その原因を究明し、改善策を協議することもありましたが、多くのことを勉強させていただきました。土木技術者としての基礎を築いたという意味で、この先もずっと忘れることはないと思います。
2015年4月からは、九州新幹線西九州ルート(武雄温泉~長崎間)の土木工事を担当。担当工区は、諫早市と長崎市の境界に建設する「久山トンネル」(4,980m)の西側半分と、長崎市に建設する「経ヶ岳トンネル」(1,940m)。経ヶ岳トンネルは入社2年目に経験した北陸新幹線の本線や白山総合車両所と同様、工事の発注業務(積算・設計など)も担当しました。現在、重点的に進めているのは経ヶ岳トンネル前後の高架橋建設予定地で生活をされている地元住民の皆さんとの協議です。集落内の生活道路が非常に狭いため、工事車両の通行ルートを確保することが第一歩。「それがなぜ必要か」「どこに造るべきか」というテーマで町内会ごとにご説明しています。私のキャリアは機構では中堅ですが、地元住民の皆さんからみれば息子のようなものなので、若さを生かして信頼関係を築いているところです。物事を理論的に考え、自分の考えを周りの人に分かりやすく伝えるという点では、大学時代に培ったスキルを十分に発揮できている実感がありますね。まだ始まったばかりですが、機構の代表として地元の皆さんに新幹線建設についてお話できることにやりがいを感じています。
鉄道建設の総合技術者集団として独自の専門技術を保有する公的機関である機構の技術者には、現場で採用した工法とその成果などを社内外に発表する機会がたくさんあります。私自身、本社に在籍していた時は、土木学会などの各種学会、鉄道工学シンポジウムなどの各種シンポジウムへの論文投稿・講演、鉄道総研の発行する専門誌への論文寄稿など、大学院での研究時代さながらの活動を仕事として行っていました。工事現場で施工監理を行っている現在も、社内外の研究発表会で論文を発表する機会があります。時間を作るのが難しい時もありますが、高度な鉄道建設技術を学ぶだけでなく、積極的に発表し、足跡を残しながら成長したいという方にとっては最適の環境だと思います。全職員が経験する一定期間ごとの全国転勤については、ポジティブに捉えて楽しむ。これに尽きます。いろんな考え方があるでしょうが、私自身はこうした転勤を経験して、ひとつの土地に留まって同じ仕事するのは勿体ないと思うようになりました。いろんな場所に出かけて、多くの人に出会い、知見を広げていく楽しみがありますよ。