最終更新日:2025/7/18

トキタ種苗(株)

業種

  • 農林・水産
  • 商社(食品・農林・水産)
  • 通販・ネット販売

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

記事で読む社会科見学

世界各国に高品質な野菜の種子を届ける!国内外の生産者・食卓を支える仕事

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美味しい野菜の根幹を担う先輩3名の仕事に密着!

私たちの食卓を豊かにする美味しい野菜。その生産には生産者、そして野菜の種子を提供する種苗会社が不可欠だ。100年以上にわたり野菜の種子を安定供給しているトキタ種苗の仕事について、先輩社員に話を伺った。

■時田 理代さん(写真右)
種子生産部 品質管理課 課長/2006年入社

■吉川 亜矢さん(写真中央)
種子生産部 品質管理課 係長/2003年入社

■相関 彩加さん(写真左)
種子生産部 品質管理課/2022年入社

種子の品質管理はトキタ種苗の生命線。会社の信頼に関わる必要不可欠な仕事

スーパーマーケットや青果店に並ぶ野菜は、全国の生産者によって作られています。その野菜作りの出発点となるのが“種子”、つまり“品種”です。私たちトキタ種苗は、この品種を開発し、国内外に販売しています。
当社が目指すのは、良い品種を作ること。そのためには、時代のニーズや環境変化に応じて改良していくことが欠かせません。天候の変化に対応するものや味の良いものをはじめ、最近では生産者の高齢化の進行を受け、農作業を省力化できるものも開発しています。状況を踏まえた品種開発によって生産者の暮らしを支え、人々の食に貢献する。これが当社の使命です。

私が所属する品質管理課では、販売前に種子の品質を確認します。確認項目は「ちゃんと発芽する種子なのか(発芽試験)」「種子に間違いがないか(純度検定)」「種子が病気に汚染されていないか(病害検定)」の3つがあり、私は主に純度検定を担当。PCR検査やアイソザイム分析といった手法を用いて種子の遺伝子やタンパク質を調べ、取り違いがないかどうかやF1品種の交配率を確認しています。種子は外見だけでは違いが分からないものも多いです。もし生産者にキャベツの種子だと思って販売したものがブロッコリーの種子だったら、生産者にとっては大損失ですし、当社も一気に信頼を失ってしまいます。このようなことを防ぐのが品質管理の役割です。また、もし交配率の低い種子が見つかったとしても、種子を調製することで交配率を改善することができるので、関連部署と連携してより良い種子の提供を目指しています。どの作業も裏方に近い仕事ですが、責任が大きい仕事であり、Seeding is Believingの精神のもとに、常に気を引き締めて取り組んでいます。

これからも生産者だけではなく野菜を食べる皆さんなど多くの方々に喜ばれるよう、間違いを見落とさず、高品質な種子を提供できるように励んでいきます。
(時田さん)

先輩が語るトキタ種苗の魅力

当社の品種を採用した飲食店を利用すると、飲食代が補助される社内キャンペーンがあります。自分が携わった種子が流通しているところを見ると感慨深くなります。(時田さん)

発芽試験は種子の品質を物語るもの。どんな状況でも求められるのは「正確性」

私は入社以来、品質管理課で発芽試験を行っています。発芽試験とは、種子の力だけで根・茎・葉が健全に成長できるかを調べる試験のことです。試験用種子を、作物ごとに決められた条件のもと、人工気象器という機械の中で育てて評価した後、そのデータを社内に共有しています。
現在は、事前にストレスを与えた種子で試験を行う手法を模索している最中です。というのも、近年異常気象による発芽・生育障害が多くなっているからです。耐性の高い品種の開発のために、新たな手法による発芽試験で一役買えるようにしていきたいです。

当社では、様々な種子に携わることができ、珍しい品目と出会ったときは面白さを感じます。同じ品種でも種子を生産した場所・時期によって発芽の状態が違うので、些細な違いに気づけるのも発芽試験の楽しさです。一方で、商品品質の基本を担っている責任を感じます。私たちの仕事は良い発芽率(結果)を出すことではなく、正確に、公平に現状を評価することです。栽培時期などの関係で、担当者から急かされることもありますが、後から生産者に迷惑をかけることのないよう、客観的データに基づき正確に伝えることを心がけています。あらゆる面でのスタートを背負っている緊張感は常にありますが、だからこその楽しさ・やりがい・誇りだと思っています。

入社して思うのは、世界との関わりが大きいということです。例えば、当社の種子の9割以上が海外で生産され、現地の種子生産会社に生産を依頼しています。当社の種子生産が彼らの仕事になっていると考えると、野菜生産者を含め、世界中の生産者の生活を支えているのだと実感します。

今後の抱負は、後輩たちの育成に励むことです。下記に登場する相関さんのように、心から発芽試験を楽しんで取り組んでくれる後輩たちの成長を促し、より楽しく働きやすい職場作りに注力できればと思っています。
(吉川さん)

先輩が語るトキタ種苗の魅力

若手社員の成長を温かく見守りつつ、過保護にはならないスタンスが当社の魅力だと思います。加えて、話しやすい雰囲気やチームワークを大切にする文化も。(吉川さん)

毎回楽しい発見があるのが発芽試験の魅力。会社を支える「縁の下の力持ち」として取り組む

大学で植物学を専攻していた私は、卒業後は植物や食品に関わる仕事をしたいと思い、種苗業界だけではなく、食品関連も含め幅広く企業・業界を見ていました。そんな中で出会ったのが当社であり、インターンシップで体験した発芽試験に衝撃を受けました。植物の成長段階を見るのが好きな私にはとても魅力的で、「絶対にこの仕事をしたい!」と思いました。また、イタリア野菜の種子を取り扱っている点や、当社の品種が埼玉県内の学校給食を通じて地産地消を促し、社会貢献している点も入社したいと思った理由です。

新入社員研修では、各部署を回って種苗会社としての業務の流れを学んだり、約2週間生産現場での研修を行ったりと、現在の担当業務以外にも幅広く学ぶことができました。その後に品質管理課に配属となり、念願の発芽試験担当に。種まきから始まり、慣れてからは発芽の評価も行えるようになりました。入社2年目からは、人工気象器1台分の生育管理を任され、3年目からは生育管理全体を担当しています。インターンシップなどで学生さんの案内をするようになったのもこの頃から。2年目までは業務内容・進め方を学ぶことが中心でしたが、3年目からは自ら考えて一人でできることが増えていったように思います。

様々な種子の育ち方を見ることができるのも発芽試験の魅力です。野菜の種類や品種によって発芽の仕方が異なるので、毎回楽しい発見があります。これまでの経験をもとに新たな気づきを得たときは何よりも嬉しくなります。一方で、生育管理は僅かな水加減で結果が変わりますし、急ぎの納期で依頼されたときは、不測の事態が発生しないよう管理には一層気を使います。発芽試験は生産者からの信頼のもととなる重要な仕事です。表に出る部署ではないですが、会社を支えられるよう縁の下の力持ちとして前向きに取り組んでいます。

入社して驚いたのは、埼玉県内のマラソン大会にトマトを提供していること。地域活動に積極的なのは知っていましたが、まさかマラソン大会の補給所でランナーに提供されているとは知りませんでした。様々な形で地域社会に貢献している会社で働けていることに誇りを感じます。今後の目標は、尊敬する吉川係長をはじめとする先輩方のように周りから頼られる存在になること。そのためにも日々の業務に励み、もっと知見を広げていきたいです。
(相関さん)

先輩が語るトキタ種苗の魅力

社員同士の仲が良いことです。同じ趣味を持つ仲間と一緒に出かけたり、家庭菜園が好きな人とは情報交換したりしています。公私ともに良い関係を築ける会社です。(相関さん)

企業研究のポイント

興味がある企業を見つけたら、できるだけ現場を見られる仕事体験やインターンシップに参加することをおすすめします。もしかしたら、自分でも思いもしなかった仕事に面白さを感じるかもしれません。今回ご紹介した品質管理課のように、普段あまり聞かない職種について知ることができたり、企業の雰囲気を感じることができたりと、その場に行くことで初めて分かることがたくさんあります。企業を訪問できる機会や、社員と話せる機会があったら積極的に参加してみてください。

種苗会社について調べる際、まずイメージを掴みたいならホームセンターに行ってみると良いでしょう。ホームセンターでは様々な野菜の種子や苗を販売しています。同じトマトでも複数の品種があることや、どの種苗会社がどんな品種を販売しているのかが分かります。また、スーパーマーケットや直売所に足を運んでみるのも良いかもしれません。最近では野菜を品種名で販売していることも多いです。それぞれの品種が生産者の方々によって生産され、皆さんの食卓に届く。あまり馴染みのない業界ですが、皆さんの食卓になくてはならない存在だということに気づくでしょう。
(総務経理部 柳井 里美さん)

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市場や生産者のニーズを汲み取る営業職、種子の品種改良を行う研究職、それぞれが意見を交換しながらより良い品種を生み出していく。

マイナビ編集部から

創業100年以上の歴史を持つトキタ種苗。生産者や消費者から本当に喜ばれる品種を届けるべく、型にとらわれず柔軟に育種・品種改良を行っている。イタリア野菜を日本で育てやすく品種改良した「グストイタリア」はメディアにも取り上げられ、現在は埼玉県内のレストラン約1,000店舗で、同社が販売している種子から生産された野菜が採用されている。アジア圏をはじめイタリア、アメリカにも現地法人や生産農場を構え、近年は海外輸出が伸びているなど勢いが止まらない。

今回取材した品質管理課の仕事は決して目立つものではないが、種子の種類や発芽の確認という会社の信頼に直結するものだ。自分の働きが会社の根幹に関わり、社会全体に大きなインパクトを与えると思うと、やりがいは大きいだろう。

取材中にひしひしと感じたのは社員同士の仲の良さだ。部署の垣根を越えた交流に一役買っているのがゴルフや麻雀、ランニングなどの部活動であり、活動は活発とのこと。社長も社員間のコミュニケーションを気にかけ、各部活動に顔を出すという。また、2017年に竣工した本社、2023年に竣工した研究農場はともに壁がほとんどなく、社員同士がコミュニケーションを取りやすい空間である。良好な人間関係のもとで世界中の野菜作りに貢献したい人はぜひ同社を見てほしいと感じた。

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壁がほとんどない開放的な本社。声をかけやすく、席はフリーアドレスなので部署を越えての仕事もしやすい。自然と会話(雑談)が生まれる環境だ。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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