グッドデザイン賞

先輩たちの就活体験記

多様な人が周囲にいるのは学生の特権
今のうちにいろいろな人と交流してください

2010年入社

ソニーグループ株式会社
システムプラットフォーム技術部門 デジタルツインシステム開発部

栗田 光晴さん

  • 下肢障がい
栗田さんの写真
就活データのアイコン 就活データ
  • 説明会参加:約5社
  • エントリー:約4社
  • 面接:4社
面接で実際に聞かれた質問のアイコン 面接で実際に聞かれた質問
  • 志望動機
  • 学生時代に力を入れたこと
  • 研究内容
  • 障がいの内容

どのような就職活動をされましたか?

基本的に一般的な就職活動と大きな違いはありませんでした。インターンシップに参加したり、合同の説明会に行ったり、個別の説明会に行ったり、などを経て、面接に至るといったものです。 就職活動を行うにあたって、不安が全くなかったと言えば嘘になります。その不安とは障がいがあることで特別扱いされることでした。

栗田さんの写真

私自身は障がいがあることによってキャリアが狭まるような環境で働くことは避けたいと思っていたため、障がい者雇用を明示的に区分けして募集している企業への応募は避けようと思っていました。そのような条件に合う企業、つまり障がいの有無に関係なく評価され、キャリアアップできそうな企業は、実はソニー以外にも何社かありました。しかし、私が修士課程に進んでまで研究してきたソフトウエア開発の専門的な知識を利活用する場所は、生活に利便性や豊かさ、楽しさをもたらすソニーで、という思いがありました。実際に私の知識や経験、研究内容、そして仕事への思いを採用担当者がじっくり聞いてくれたのもソニーでした。

今の会社を選んだ理由を教えてください。

ソニーへの入社を決めた理由は、ソニーは、障がいがあっても特別な枠で採用するのではなく、純粋に戦力として自分をとらえてくれたうえ、入社後もしっかりキャリアを築ける体制を整えてくれることが分かり、「自分のキャリアは自分で作っていける」と感じたからです。そのことは、障がいの有無にかかわらず、業務内容や成果で応分に評価してもらいたいという自分の思いと合致していました。
また、自分のキャリアを考えるにあたっては、障がいがあるから仕事が制限されるというより、制限されないように働くには何を学び、どんな会社で働くと良いのかをイメージし、ソフトウエア分野なら、何もハンディキャップはないと考えていました。
入社してみると、ソニーはテクノロジーで最先端を目指そうという空気がベースにありますし、製品以外に会社の仕組みの面でもバリアフリーやアクセシビリティに関して進んだ取り組みをしている会社だと感じます。また、そうした企業文化に共感する前から、ソニーには強い憧れもありました。小さい頃から、いくつかのソニー製品を使ってきて、中には深く愛着を持ったものもありました。自分が感じたように、ユーザーにも思い入れをもってもらえるような製品をつくりたいという思いもありました。

今はどのようなお仕事をされていますか。

入社当初は半導体の中で動くソフトウエアの開発に携わる部署に配属となりました。テレビの電波から取り出されたデータを画面に映し出すまでの処理の、最初の方の部分にあたるプログラムを作っていました。そこで5年ほど経験を積んだ頃、より幅広い経験を積むにはどうすればよいか考えた結果、「もっとユーザーに近いところで、技術を生かした挑戦をしてみたい」と思うようになり、社内募集制度を利用して、グループ会社に出向。社内向け情報システムの開発を担当しました。そのシステムは、実際に社内でいろいろな方が使用するので、「使いやすい」「分かりにくい」など、直接様々な意見が上がってくるんです。作ったものの良し悪しがダイレクトに分かる点には、大きなやりがいを感じました。
その後、ソニーグループ株式会社で、動画をAIで解析するシステムの研究開発を経て、現在は、現実世界をデジタル空間で再現するデジタルツインの開発プロジェクトで、地理空間データを解析するシステムの研究開発をしています。

ソニーには、多様性を当たり前のものとしてとらえる空気があるためか、これまで特に自分の障がいによって仕事に支障が生じるようなこともなく、本当に障がいに左右されずキャリアをつくれていると感じています。

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会社にはどのようなサポート体制がありますか。

設備的なことで言えば、私は小学校1年生のときから車いすを使って生活していますので、移動の不自由には慣れています。そんな私にとって、ソニーは極めて働きやすい会社ですね。オフィスは、トイレなども含めて環境は整っています。デスクまわりも余裕をもったレイアウトになっていますから、通行に困ることもありません。
ソニーの場合、設備面でも制度面でもいろいろとサポートをしてもらえるのですが、自分自身が成長するには、サポートをしてもらいながらも、自分から積極的に他の人に働きかけていくことが大事だと感じます。特に入社して間もない頃などは、障がいがあるからと周囲に変に気を使われたくないという思いもあって、自分の意見をためらわず伝えなければ、と意気込んでいたように思います。ちゃんと議論ができる相手だと認識してもらえれば、周囲の人たちともどんどん情報交換ができ、生きた勉強になる。そう考えています。もっとも、最初はそうやって、多少気を張っていたものの、ソニーでは自然にみんなと打ち解けられる雰囲気があるので、「特別扱いされるのでは……」といった心配は完全に杞憂でした。

後輩たちへのメッセージ

栗田さんの写真

私自身、実際に働いてみるまでは、障がいがある自分がきちんと意義ある仕事を得て、なおかつそれが正当に評価されるような職場があるのか、不安な面もありました。振り返ってみると、自分ひとりでできることは非常に限られていて、いかに人を巻き込んでいけるかが非常に重要だと感じます。
働き始めると業務の関わり上、自分が学んできたことと同じようなバックグラウンドの人との接点は多くなります。学生時代は全く違う分野の人がたくさん周りにいますので、今のうちにぜひいろいろな人と交流を持ってもらえればと思います。
障がいがあることで、就職にあたって似た悩みを抱えている人は多いと思いますが、ぜひ安心して、全力で臨んでください。

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