グッドデザイン賞

先輩たちの就活体験記

迷ったときのキーワードは「とりあえず」
とりあえずの繰り返しが挑戦になる

2019年入社

株式会社マイナビパートナーズ パートナー雇用開発2課 

Iさん

  • 発達障がい(ADHD・ASD)
Iさんの写真
就活データのアイコン 就活データ
  • 説明会参加:約3社
  • エントリー:約3社
  • 面接:2社
面接で実際に聞かれた質問のアイコン 面接で実際に聞かれた質問
  • 長所・短所
  • 障がい内容
  • 配慮内容
  • 学生時代に力を入れていたこと
  • ストレスの発散方法
  • 家族や友人に障がいを伝えているか

どのような就職活動をされましたか?

大学に入学し、大好きだったはずの授業でレポートの書き方がわからない、提出物も忘れてしまう、ということが続きました。周囲に相談できず、単位も取れず、大学2年生で留年。学内カウンセラーの元に通うようになり、自分が発達障がいであることを知りました。カウンセラーとの会話の中で就活の話題になり、正直、「大学の単位も取れなかった自分が働けるのだろうか?」という「働くことへの不安」は大きかったです。
その不安を少しでも解決するために、大学3年の4月にNPO法人が運営するセミナーに参加。働きたい気持ちがある一方で、働くことへの不安もあると伝えました。そこでNPO法人のインターンシップにチャレンジしました。Excelの入力作業を行ったのですが、本音を話すと「それほど難しくないなあ」と感じ、仕事にはいろんな幅があることを知りました。同時に、自分は同じ作業の繰り返しが向いていないことや、離席の回数が多いことにも気づきました。自分の向き・不向きを知ることができ、実際に動いてみて正解だったと思います。

同時期に大学の就職相談窓口にも通い、障がい者雇用の担当者の紹介で合同説明会イベントにも参加しました。合同説明会には4回ほど参加しましたが、これも大いに役立ちました。自分の障がいや配慮内容について企業の採用担当者に直接伝えることができ、その上でエントリーできるかどうかを確認できたからです。私は障がいの特性上、同時並行で物事を進めることが苦手でしたので、合同説明会では企業の担当者の話を1社ごとにじっくりと聞くことができ、選考に進むべきかどうかを決められたことも良かったです。この繰り返しで、エントリーする企業を自ずと絞っていくことができました。

(株)マイナビパートナーズのオフィス風景

就職活動で苦労したことはいくつかあります。まず大変だったのが履歴書を手書きで作成することです。私は障がいの特性上、手書きが苦手で、学生時代からPCでメモを取っていました。そこで手書きの履歴書を作成する際には、いったん鉛筆で下書きをし、その上からボールペンで書く工夫をしていました。
「学生時代に力を入れたこと」いわゆる“ガクチカ”の質問にも苦労しました。私が学生時代に力を入れたのは学業だったからです。障がいに気付く前は単位を落とすこともありましたが、その後は大学のサポートと自分の創意工夫・努力で次第に単位を取れるようになりました。もともと授業が好きだったんです。そのためサークルには参加せず、勉学にとことん勤しんでいました。ところが大学の就職相談窓口では、意外なことに「ガクチカとして学業はちょっと…」という反応でした。しかし学業に力を入れたことは事実でしたので、企業の担当者にも嘘をつかず学業に力を入れたと伝えました。
配慮事項の作成も苦慮した点です。そもそも企業のオフィスでどのような業務が実際に行われているのかは、学生には見えません。そのため「何ができる、何ができない」を具体的に伝えることが難しかったです。その対策として取り組んだのが自己分析でした。適性検査の結果だけでなく、大学生活で自分は何に困っていたのか。どんな工夫をしてその困りごとに対処していたのか。その振り返りを丹念に行いました。また、障がいのある他の学生の配慮内容も参考にし、それらの配慮事項が自分に必要かどうかを一つ一つ確認していきました。

今の会社を選んだ理由を教えてください。

合同説明会で立ち寄ったブースがマイナビパートナーズでした。担当者との会話で印象に残ったのが、障がい者雇用というよりも、一人の人間として私の話を聞いてくれたこと。配慮事項が明確に定まっていないことや働くことへの不安も、すべて赤裸々に話しました。すると「職場実習に参加してみては?」と提案され、自分の目で見たかったオフィスでの実習ができることになりました。
実際の職場を見ると社員たちがときには笑いながら、そして他者への優しさを持ちながら、共に働いている環境を知りました。業務も多岐に渡るので適材適所で仕事がしやすく、リーダーなどの役職に就くのに障がいの有無などは一切関係ありませんでした。自分の実力や頑張り次第でどんどんキャリアを築いていける点に引かれ、マイナビパートナーズを選びました。

今はどのようなお仕事をされていますか。

私の部署では発送資料の準備を行う軽作業業務と、データ入力を行うPC業務を担当しています。入社後にプログラミング言語のPythonやVBAのスキルを身に付け、もともと関心のあった業務効率化のためのツール作成も担当しています。業務効率化においては、これまでミスの発生しやすかった業務を見直し、工程を組み直すことで、少しでも仕事を進めやすい環境を作ってきました。貢献できていることが素直に嬉しいです。

マイナビパートナーズでは、各課の中で5人程の社員がチームを組んで仕事を進めますが、私はそのチームリーダーも担っており、メンバーのスケジュール管理や業務管理、さらには後輩の育成にも携わっています。実は就職活動の時から人材に関わる仕事をしたいという希望があったので、この後輩の育成という仕事はやりがいも大きいです。自分が育成に関わった後輩が、私と同じようにチームリーダーを務めるようになったり、他の社員から頼りにされている様子を見ると、これもまた嬉しくなります。

(株)マイナビパートナーズのオフィス風景

会社にはどのようなサポート体制がありますか。

発達障がいのある人の場合、画一的な配慮で一括りに対応するのは難しいです。特性や苦手なことが人それぞれ異なり、苦手なことに対処する方法もまた千差万別です。そのためマイナビパートナーズには社員一人一人に適した配慮を行うという考えがあり、私の場合は上司と定期的な面談を行い、やるべきことの整理や目標のすり合わせに協力してもらっています。自ら積極的に現在の課題や疑問などを伝えることが求められますが、それに対してしっかり応えてくれる社風です。

後輩たちへのメッセージ

Iさんの写真

将来に迷って、止まっているのなら「とりあえず」動いてみること。たとえば、合同説明会に参加することのハードルが高いのであれば、「とりあえず」パソコンに向かって障がい者雇用について調べてみること。このような「とりあえず」の積み重ねが実は大切です。私は留年でつまずきましたが、その後は学業で成果を収めたことが自身の成功体験の一つとなり、就職活動、自己分析、そして内定まで前進することができました。
いきなり大きなものに対峙するのは難しいですが、切り崩して小さなことから一つずつクリアすることで、段々とゴールに近づいていけます。自己分析も、単に自分の長所を見付けるだけでなく、できないことに目を背けず、なぜ自分はできないのかを理解することが大切です。自己分析というと大袈裟に聞こえて身構える方も多いかもしれませんが、自己理解と捉えれば挑みやすくなります。
私のように発達障がいのある人は少なくありません。言うまでもないのですが、特性が人それぞれ異なるので、なおさら自己分析を大事にしてもらいたいです。そこから「ここまでなら自分はわかる」「ここからは自分ではわからない」という分岐点のようなものが見えてきたら、企業の担当者にそのまま伝えれば良いだけです。止まったままではもったいないです。「とりあえず」一歩、踏み出してみてください。

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