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先輩インタビュー Interviews with alumni

インターンシップや筆記対策など
就職課を活用しながら早めに準備

ベトナム GTさん 業界:専門商社

日本が好きで、ベトナムの大学で日本語を専攻していましたが、「語学を勉強するなら周囲の環境が大事」と中退して来日。日本の大学へ入り直したという努力家です。日本を第2の故郷と考え、母国と日本に貢献できる仕事に就きたいと、商社を志望しました。就活では大学の就職課をフル活用し、情報収集やエントリーシートの添削模擬面接などのサポートを受けたそうです。

就活データ

  • 志望業界商社
  • インターンシップ2社
  • 説明会参加20社
  • ES提出15社
  • 面接10社
  • 内定2社

日本語をどうやって
勉強しましたか。

周りの留学生も言っていることですが、本で勉強した日本語と実際に使われている日本語は違います!最初は全然、通じませんでした。日本語が上達するポイントは二つあります。まずは日本人とたくさん会話をすること。私はそのためにアルバイトやボランティア活動をしました。アルバイトは飲食店を中心に、上達してからは通訳や翻訳もしています。二つ目は、新聞とテレビを利用すること。日本語そのものより、新聞からは経済社会など全般、テレビからは日本の文化や日本人の考え方について、理解を深めました。だいたい一年くらいで買い物するときも不自由しなくなっています。

就職情報の収集に使ったのは?

日本の新聞、企業の合同説明会、大学の就職課、あとは就活サイトです。とくに就職課はたいへん役立ちました。最初はインターンシップの情報を探して3年生のときに訪れたのですが、就活でもずっと通っていました。留学生同士の交流があまりない学校だったので、悩みなど細々と相談できる就職課の存在はありがたかったです。残念なことに他の留学生はほとんど利用していませんでしたね。とてももったいないことです。

就活で大変だったことは何ですか。

一つは、自分のやりたいことにマッチする会社を探すこと。私は母国と日本に貢献したいとずっと考えていました。就活してわかったのは、海外進出している日本企業は多いけれど、外国人社員が活躍できているところは意外に少ないという現実です。例えば、外国人社員を採用する理由でよく聞くのが、多様性を促進して新しい発展につなげるというもの。ところが、肝心のビジョンがふわふわしていて、「ただ職場にいて欲しいだけ」という企業も少なくありません。具体的に外国人社員をどう活用するのか、見えて来ないのです。実は最初の会社もそのパターンで、結局は転職しました。入社後、どんな働き方ができるのか、最初からイメージできるといいのですが、難しいですね。なので、具体的に外国人社員をどう活用するのか確認できると良いですね。

もう一つは面接です。自分の思いをいかに簡潔に伝えるかが重要ですが、最初は緊張しました。何社も面接を受けるうちに慣れてきて、最後は自信を持って話せるようになりましたが、就職課で模擬面接を受けたり、想定質問を作って鏡の前でシミュレーションしたり、練習はずいぶんしています。

筆記試験、エントリーシート(ES)、面接で苦労したこと、その対策は?

日本人学生にとっても同じだそうですが、筆記試験は大変なので、3年生から本を買って勉強していました。わからないところはゼミの先生に聞いて、何回も繰り返し復習しています。面接は、回数をこなして慣れるのが一番。学校では外国人学生向けにマナーや敬語についての授業がありましたが、外国人なので、敬語などそこまで厳しくは求められません。それよりも緊張するシチュエーションで相手に自分の言いたいことをきちんと伝えることの方が大切です。

ESは、自己PRなどのテンプレートを一つ作っておくと、応用ができて楽なので、早くから準備するといいですよ。就職課で添削してもらえます。私は前の会社で採用に関わっていたのですが、その経験からアドバイスすると、ESはとにかく簡潔にわかりやすいことがポイント。そのため、「結論→理由→エピソード→結論」と論理的に書き進めると評価されます。

なぜその会社に入社しようと思いましたか?
また、内定をもらったアピールポイントは何でしたか。

ベトナムに進出していたので自分の強みが発揮できると考えました。また商社というネットワークを生かして、様々な仕事にチャレンジできるか期待感もありました。例えば国内外の営業とか。もう一つ、私が初めての外国人社員ということも面白いかと思った理由です。内定については、入社後、社長に「あなたはいつも前向きに考えて行動する人だね」と言われたので、面接でそういう印象を与えられたのかもしれません。面接は飾らずオープンに、自分らしく伝えられるように意識しました。

日本企業で働く上で良かったこと、大変なことを教えてください。

学生と社会人はやはり違います。留学生はだいたい皆アルバイトに追われていて、経済的に大変でしたが、今思うと気楽でした(笑)。仕事の重さ、責任感などメンタル面はハードになりますね。でも学生のときより、日本の社会と深く関わっていると感じられます。日本で就職して良かったです。大変なことは、仕事以外の、上司や同僚との関係です。「空気を読む」、のがまだまだ……。上司に報告すべきこと、しなくてもいいこと、話しかけるタイミングなど、難しいです。

私も含め、日本企業で働きたい留学生は「外国人社員が多い企業」を敬遠しがちでした。外国人コミュニティが強いところでは日本人の考え方を学べないと思ったからです。でも、外国人が一人だけの会社に入ってみると、キャリアパスのモデルがない状況は厳しかったです。転職先は既に40年以上もベトナムで事業をしている企業で、外国人社員も多いところにしました。人によって向き不向きがありますから、自分に合った企業を選んでください。

日本で就職を目指す外国人留学生の皆さんにメッセージをお願いします。

面接では「志望動機」を必ず聞かれますが、その他に、外国人向けの質問として「10年後は何をしていると思うか」「中国・韓国ではなく、なぜ日本を選んだのか」と聞かれることが多いです。「10年後」を聞くのは、どのくらい会社に在籍するつもりなのかを知りたいのでしょう。しっかりとキャリアパスのイメージを伝えられるといいと思います。

大変なことがたくさんありますが、心配するより前向きに行動しましょう。自己分析と業界研究は大切です。自己分析はインターネットの判定ツールが便利ですし、業界研究は合同説明会や企業のホームページから行えます。一人で悩まず、就職課を頼ることを本当にお勧めします。ストレスをうまく発散しながら、乗り越えてください。私は体を動かすことが気分転換になるので、公園を走ったり散歩したりしていました。

〜1問1答〜

先輩に知りたいことを徹底的に聞いてみよう!

Q今後のキャリアプランは?
A2年間は技術や知識を習得し、その後は営業をしてみたいですね。 将来的には日本の企業で管理職を目指しています。
Q就活を終えてどう感じましたか?
Aいろいろな業界の社会人に出会う機会を得て、視野が広がりました。
Q就活での必須アイテムは?
Aメモ帳です。それ以来、社会人になってからも、いつでもどこでも、誰と話していてもメモを取る習慣がつきました。

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