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先輩インタビュー Interviews with alumni

「この会社に向いている人」と
思ってもらえる面接を意識する

中国 J.Jさん 業界:IT

小さい頃から、ずっと興味があった日本を訪れたのは高校卒業後。2年間日本語学校に通い、大学に入学しました。理工学部で情報学を学んだ経歴を活かすため、就職活動当初はIT、コンサルティング、メーカーの3つの業界を視野に入れていましたが、最終的にIT業界1本に絞りました。就活の進め方はロジカルでスマート。大学のキャリアセンターを活用しながら、6社からの内定を獲得しました。

就活データ

  • 志望業界IT
  • インターンシップ5、6社
  • 説明会参加20社以上
  • ES提出30社
  • 面接15社
  • 内定6社

日本語をどうやって
勉強しましたか。

言葉や文化を理解するのは、やはりある程度、時間がかかります。人との距離の取り方、集団の雰囲気などがわかったのは、大学で日本人の友人ができてからでした。日本の大学生のイメージをつかもうとテレビドラマも参考にしましたが、大事なのはとにかく話しかけてみること。語学の習得には友だちを作ることが一番有効だと思います。来日して9年目になりますが、街がキレイだし、みんなマナーのいいところが気に入っています。僕にとっては生活しやすい国ですね。

就職情報の収集に使ったのは?

最初はキャリアセンターです。次にインターネットで就活情報サイトにアクセスし、合同説明会や外国人留学生向けセミナーなどの開催情報を得ました。最後は実際に会場に足を運んで情報収集しています。情報系の知識を活かせるIT、コンサルティング、メーカーを考えていましたが、若いうちにIT業界で技術を学びたいと思い、早い段階からIT業界に絞って動いていました。第1志望の会社は就活中に何度か変わりましたが、4月には今の会社の志望度が最も高くなっています。

就活で大変だったことは何ですか。

なんといっても日本の就職活動に不慣れで、何から始めたらいいのか、どういう流れで進んでいくのか、全然わからなかったことが大変でした。3年生の夏休みを中国で過ごす間に、両親とも相談し、「せっかくなので日本で就職してみよう」と決めました。日本に戻ってみると、周囲はもう就職活動でザワザワしていたんです。留学生はまだのんびりしていましたが、日本人学生の間では就職活動の準備が始まっていて、焦りました。日本人の友人にキャリアセンターがいいと聞いて、訪ねたのが9月です。日本語をチェックされるエントリーシートの構成や、面接の内容にも不安がありましたが、キャリアセンターに何度も通い、支援してもらうことで乗り越えました。

理工系はレポートも多く、就職活動と両立するのはなかなか大変です。履修科目を1日にまとめて時間を作るなど、同じ境遇の友人たちと情報交換しながらスケジュール調整を行いました。9月から2月までは準備期間、4月までが最も忙しい実行期間、5月以降は就職活動も締めに入ってくるという流れでした。

筆記試験、エントリーシート(ES)、面接で苦労したこと、その対策は?

キャリアセンターの先生と仲良くなって、ESの添削も模擬面接も、とても親身になって支援していただきました。先生たちは就活の専門家ですから、どんどん助けを求めて自分に足りないところを教えてもらうべきです。ESは、選考の初期は何万通という中からの流し読みですが、最終面接に近づけば数人分ですから、じっくり読まれることになります。ですから他の学生と差別化するためにも時間をかけて仕上げる必要があります。学生の側も応募社数が多くなるといい加減に書いてしまいがちですが、そこは流してはいけないポイントだと思っていました。

面接は数をこなすうちに慣れました。最初の5社くらいはひたすら用意してきた答えを一方的に発表するだけで、相手の話を聞く態勢になっていませんでした。「面接はコミュニケーションだ」と気づいた6社目以降からは、ちゃんと会話のキャッチボールができるようになってきたと思います。想定質問への答えを考えておくのはもちろん大切で、私も回答を繰り返しブラッシュアップしました。ただ、その場にならないとわからないこともあります。柔軟に対応するには、やはり場数を踏んで慣れるしかないのではないでしょうか。

なぜその会社に入社しようと思いましたか?
また、内定をもらったアピールポイントは何でしたか。

業界トップの企業だったことが一番の理由です。日本のトップカンパニーはどのようにシステムを構築しているのだろうかと興味がありました。中国はネット系などの技術に強く、日本はITマネジメントに強いイメージです。私はクライアントのビジネスを理解できる「流れ」の川上の位置で仕事がしたかったので、日本企業で働くことに意味がありました。

企業が採用を決めるには二つのポイントがあると思います。一つはその企業に向いている人かどうか。もう一つは志望度の高さです。つまり学生側からいえば、この二つをアピールすることが必要なのです。私はエンジニア志望でしたが、この会社のエンジニアはクライアントとのコミュニケーションでニーズを把握し、それを基にシステム設計をすることが求められます。内定を頂けたのは、面接でコミュニケーション力が十分にあると判断されたのでしょう。質問に答えるときは、論理的であるように意識しました。クライアントに説明する場面ではロジカルに話すことが重視されると思ったからです。

日本企業で働く上で良かったこと、大変なことを教えてください。

日本企業の特長は、即戦力よりも長い目で人を育てる文化にあります。そのために研修制度が充実しており、これはとても良い点だと思います。大変だったのは、言葉と文化。と言っても、私が外国人だからではありません。言葉とは業界の専門用語、文化は社風です。専門用語は日本人の同期も「何を話しているのかさっぱりわからない」と言っていましたね。それから仕事の進め方にも会社の文化があり、それぞれに違います。言葉も文化も慣れるしかありません。私も、最初の1年間は固定電話のあるデスクで毎日電話を取っていました。会社名もお客様の名前も聞き取れないところから、だんだん慣れていったのです。とにかく焦らず勉強していくこと。もし不向きだと思ったら、キャリアチェンジという道もあります。

日本で就職を目指す外国人留学生の皆さんにメッセージをお願いします。

いくつかありますが、まずは早めに動くこと。私は逃してしまいましたが、夏に行われる長期インターンシップに参加すれば日本企業の文化を現場で体験できます。次に、面接はコミュニケーションの場であることを意識すること。緊張するのは仕方ないのですが、相手と会話する方が選考に通ると思います。3つ目はKPT(Keep:続けるべきいい点、Problem:改善すべき問題点、Try:新しく取り組むべき点)を回していくこと。失敗は必ずありますが、振り返ってそこから何を学ぶかが重要なのです。最後に、私が今一番思うのは、学生時代にもっと勉強しておけばよかったということです。将来の夢に役立つような専門的な勉強をする時間が、一番取れるのは学生時代です。社会人になると1日30分がせいぜいなので、取りたい資格があるなら学生のうちに取っておくといいですよ。

〜1問1答〜

先輩に知りたいことを徹底的に聞いてみよう!

Q今後のキャリアプランは?
Aある専門領域の有識者になりたいです。そこから得意分野を広げていって、全体的なビジネスを理解できるようになれたらと思っています。
Q就活での必須アイテムは?
A説明会ではノートが必須でした。あとはやはりスマートフォン。情報収集にも使いましたが、一番役立ったのは3月に面接が立て込んできたときのスケジュール管理です。

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