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内定を獲得した先輩のリアル・ボイス
私たちの決意

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園見学で浮かび上がった
心から納得できる志望先

PROFILE

源川 珠里さん
こども教育宝仙大学 こども教育学部 幼児教育学科

大学では、オープンキャンパスのスタッフを1年生の頃から担当。繁忙期には月に何度もイベントがあり、企画立案、進行、運営などさまざまな側面から尽力してきた。高校生や保護者が多く集まる会場で、学生代表としてメッセージを伝えた経験も。

Q. 保育士をめざしたきっかけは?

自分が保育園に通っている頃から、年下の子と遊んだりお世話をしたりするのが好きでした。母の話では、3~4歳くらいの時点で「保育士さんになりたい!」と明言していたそうです。とにかく子どもが好きという思いはその後も変わらず、中学時代の職場体験では保育の現場へ。保護者とコミュニケーションを取ったり、玩具を消毒したり、書類を作成したりと、子どもと遊ぶ以外の仕事も多くあると知りました。大変なことも少なくないと分かった上で、「それでも保育士になりたい」と気持ちが固まったことを覚えています。

Q. 実習の思い出を教えて!

初めての保育実習は、不安や戸惑いの気持ちでいっぱいでした。「こんなに楽しく遊んでいるのに、どう働きかければ食事の気持ちに切り替えられるだろう?」など、保育者としての言動に自信が持てないまま試行錯誤して過ごした12日間でした。しかし最終日、皆さんにあいさつして帰宅しようと外に出たとき、クラスの子どもたちが窓をたたきながら「バイバーイ! またね!」と懸命に手を振り見送ってくれて……。グッと胸が熱くなり、保育への思いを再確認できた経験でした。あの景色は、生涯忘れることはないでしょう。

Q. 内定先を選んだ決め手は?

学校の先生の勧めもあって公務員試験の対策を進めながら、6月から8月にかけて3つの私立保育園へ見学に行きました。比較検討の結果、やはりここだと確信したのが、あの思い出深い実習園。その日の活動内容を部分的に園児自身が選択したり、クラスの子どもたちの興味関心に沿ってプロジェクト型保育を取り入れたりしている、ユニークで魅力的な園です。保育士さんや保護者の皆さんが心から楽しみながら子どもたちに関わっていたことがとても印象的で、保育の仕事を長く続けられるイメージを持てました。

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Q. 志望先の面接は
どんな感じだった?

園長先生と30分程度、一対一の面接が行われました。幸いにも、実習や園見学ですでに面識があったので、面接時に緊張し過ぎることはありませんでした。終始和やかな雰囲気で、志望理由や理想の保育士像など一般的な内容を聞かれた感じです。公務員試験対策の一環として面接の下準備を重ねてきたことも、自信を持って答えられた要因でしょう。なお、面接の後には筆記試験もあり、具体的な保育場面でどう対応するかを論述する問題、保育観を問う小論文、保育に関連する漢字テストなどに答えました。

Q. 就活成功の秘訣を教えて!

何よりも大切なのは、自分自身が納得して志望先を決定することだと思います。周囲の意見に耳を傾ける柔軟性も時には必要ですが、最終的に決めるのは他でもない自分。「なんとなく」で決めてしまわないよう、しっかりと情報収集しておきましょう。たとえ実習先でも、あらためて園見学に行くことがお勧め。実習中は保育の実践で手いっぱいになりがちなので、働く環境など細かい点をチェックするために必要だからです。また、複数の園を比較することで、志望先の魅力が浮かび上がってくるということもあるでしょう。

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Q. 就活を振り返って、
最も大変だったことは?

自分自身について整理することです。エントリーシートや面接で的確に自分をアピールするためには、「私ならでは」の強みや思いを分かりやすく伝えることが欠かせません。それを漠然と思い描いているだけでなく、ふさわしい表現で言語化し、裏付けとなるエピソードなどの根拠を用意することに時間がかかりました。たった一枚の紙、あるいは数分の時間を通して自分を語るためには、相応の準備が必要ということでしょう。私の場合は、園見学と同じくらいのタイミングで自己分析を行い、ノートに要点をまとめていきました。

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Q. 就活を支えてくれた
モノやコトを教えて!

就活用のノートとファイルです。自己分析の過程、志望先についての情報、面接の予想質問と回答、適性検査の対策など、管理すべき情報がバラバラにならないよう一元化しました。公立保育園の選考対策として、地域別の保育ニーズなどについて調べたこともこのノートにまとめてあります。だんだんと充実した内容になっていき、「これがあれば大丈夫!」と頼れる相棒のような存在に。面接前の最終確認などで役立った他、自分の努力が目に見えるかたちで残っているため、自信や安心感にもつながりました。

Q. 後輩に伝えたいことは?

就活をどのように進めたらいいかよく分からず、不安に思うこともたくさんあるでしょう。そんなときこそ一人で悩みを抱え込まず、大学の先生方やキャリアサポートセンターの方を頼ってみてください。「何が分からないかも分からない」という状態でも大丈夫。きっと親身に相談に乗ってもらえるはずです。むしろ、「頼れるところはすべて頼る」くらいの気持ちでいいのではないでしょうか。たくさん話を聞き、考え、悩みながら、自分がやりたい保育が実現できる場を最後まであきらめずに探してみてください!

Q. 将来の目標は?

乳児院での実習を通して、実の家族と暮らせない事情がある子どもたちにたくさん出会い、言葉にならないような思いが湧き上がってきました。そして、一緒に幸せな時間を過ごせる親子を増やせるよう、少しでも貢献したいと考えるようになりました。そこで私がめざすのは、子どもだけでなく保護者のこともサポートし、「家庭」を支えられるような保育士。何十年という長い期間続く親子関係において、最初の数年間で大きくつまずいてしまうことがないよう、保育のプロとして力強く家庭を支えていきたいと願っています。

『ぼく、ひつじじゃなくて ぶたなんだ』

作:ピム・ラマース
絵:ミルヤ・プラーフマン
訳:長山 さき
発行:ほるぷ出版

一匹の羊が「ぼくはこぶたなんだ!」と主張し、毛を剃って豚として生きていくお話。見た目や周囲の声に左右されず、自分の意志を貫く力強い姿が描かれています。「自分らしさとは何か?」を問いかける一冊で、これからの時代を生きる子どもたちにこそ伝えていきたい内容だといえます。