
高校・大学で電磁気学を学ぶ中で、シンプルな構造ながら用途が多岐に渡るコイルに興味を持った。スミダ電機に入社したのは、「トップシェアの製品を作っていること」「グローバル企業であること」が決め手。休日は愛車で紅葉を見に行ったり美味しいものを食べに行くなど、ドライブを楽しんでいる。
品質保証の主な役割は、「幅広い知識を武器に、品質不良・不具合を未然に防ぐ仕組み作り」です。例えば、新製品を立ち上げる際には試作段階から量産前、そして量産中の各段階に立ち合い、研究開発から提出された仕様書の記載内容に漏れがないか、基本構造やコンセプト、用途、顧客の要求、外観に問題がないか等、様々な観点から評価を行います。
この仕事をする上で大切にしているのは、「自分がスミダ製品の品質を守る『最後の砦』であるという意識」です。私の手元に試作品と仕様書がやってくるまでに、他の人が何人も同じ物を見ているとしても、決して気を抜かず、チェック項目を一つひとつ細かく確認することを徹底しています。新製品の評価は、特に納期と精度の両方を保って進めていかなければなりません。
この仕事の難しさは、新製品の立ち上げの際には「品質不良・不具合を絶対に出したくない」という品質保証部門と、「そうは言っても、納期やコストのことを考えると……」という研究開発・生産技術部門の双方の立場があること。時には先輩の人達に対しても改善点を指摘しなければいけません。ただ、改善点を伝える時には、ただ要求を押し付けるだけでは相手も納得しませんよね。そのため、「過去にこういうことがあったので、この部分はこのようにした方がいいのでは?」というように、自分なりの根拠を用意して伝えることを心がけています。
スミダ電機は年の離れた他部署の方々も気さくな方ばかりなので、険悪なムードになることはないのですが、それでも改善要望を伝える時は緊張します。ここ最近になって、ようやくちゃんと自分の意見を自分の言葉で言えるようになりました。「あれ、ここはどうなっているんだろう?」と気になった点は、各部署が集まる会議の最中でも自分から発言しています。
新製品の立ち上げだけでなく、既存製品の改善活動も品質保証にとって重要な役割です。例えば、製造工程で発生する不良率の改善は、品質保証側から工場へ働きかけています。不良率が多ければ多いほど、社内での検品漏れによりお客様に不良品が届いてしまうリスクも高まるため、原因の把握やどうすれば改善できるかを考えることが、結果的にスミダ電機の品質力向上につながるのです。そのためにも、各工程においてどんな不具合がどの程度起きているのかデータを分析し、中国やベトナムの工場の従業員から詳しく話を聞いた上で、改善策を検討・提案しています。
もちろん、データだけでは把握しきれない問題点もあるため、机上の空論ではなく実際に「現場」で「現物」を観察し、「現実」を認識した上で問題解決を図る「三現主義」を徹底したいです。現在は主にスマートエントリーキーのアンテナに使われるコイル製品の評価に携わっていますが、ゆくゆくは次の主力となる新製品の品質面を担っていきたいと思っています。