1/1000mmの
精度が求められる
精密加工技術に挑む日々

生産技術
  • 大山 貴之
  • プレサイズ プロセス エンジニア
    工学部 機械システム工学科出身 2020年入社

大学ではロボットの制御に関わる研究に携わっていた。約100社が参加する大学主催の合同企業説明会の中で、企業一覧の冊子の中からスミダ電機を見つけ、説明会に参加。専攻していた知識が活かせそうな点や人事部門からの熱烈なオファーが決め手で入社を決めた。地元に球団ができた当初から楽天ファンで、春〜秋の休日はプロ野球観戦が一番の趣味。野球がシーズンオフの時期にはハゼ釣りやワカサギ釣りを楽しんでいる。

複雑な構造であればあるほど、
考えたことが形にできると楽しい

所属している精密加工技術部門のミッションは、「車載向けコイルの開発・製造に必要な部材を作ること」。中でも、私が担当しているのは、部材を作る上で欠かせない「金型」の加工です。製作する金型のサイズは、10mm×20mm〜150mm角まで、大小さまざま。金型を製作する時には、ワイヤー放電加工機やフライス盤、マシニングセンター、型彫り放電加工機、研削盤など、色々な工作機械を使用します。それぞれの特性を踏まえ、どの順序で各機械を使い、どんなプログラムを組み、加工を施すかによって仕上がりが全く異なるというのが、この仕事の面白さです。

この仕事に求められるのは、何といっても「細やかさ」や「正確さ」。金型の形状は非常に複雑で、中には図面で見る限りでは「本当にこんな構造の加工ができるんだろうか?」と思ってしまうようなものもあります。しかし、複雑であればあるほど、自分なりに考えた手段と手順で加工が思っていた仕上がりになると、大きなやりがいを感じることができます。

工作機械の精度の検証・改善も
大切な仕事の一つ

入社2年目の頃、「細穴放電加工機」というコンマ数mm単位の小さな穴を開ける工作機械の加工精度を検証・改善するという仕事を任せてもらった時はとても苦労しました。検証開始前、改善対象となった機械には、なぜか0.1mm単位でのズレが起きてしまうという不具合が起きていました。「たった0.1mm?」と思う方もいるかもしれませんが、精密加工技術に関わっている私たちの仕事の難しさは、1/1000mm単位の精度が求められるということ。

金型は上型と下型を組み合わせて部材の原料を流し込むので、例えばどちらか一方がほんのわずかに不具合があると、製造される製品の形にも問題が起き、部材として使用ができなくなってしまうからです。原因の候補を洗い出し、仮説を立てながら検証を繰り返したのですが、根本的な原因の特定にはなかなか至らず…。上長や先輩からアドバイスをもらったり、加工機のメーカーの技術相談窓口に問い合わせたりしながら、根気強く検証を続けました。結果、約1年後、ついに原因を特定することができました。

図面を見た瞬間に数手先が読めるような
プロフェッショナルの領域に
辿り着きたい

実を言うと、大学の合同説明会で初めてスミダ電機を知った当初は、仕事内容に惹かれたと言うよりは「地元にこんな企業があったのか。実家から通いやすそうだなぁ」という第一印象でした。しかしいざ入社してみると、自分の性格に合っていて、かつのめり込みがいのある仕事が経験できています。さらに、精密加工技術部門には、驚くような知識・技術を持った方が数多く在籍していることもスミダ電機の魅力の一つ。例えば工作機械を使う時には、各機械の扱いに精通したベテランの方が付いて、私が思い描いている形状の金型加工を実現するためにサポートをしてくれます。

さらに、私の直属の上長や先輩の中には、金型の図面を見た瞬間に金型の構造から必要な工作機械の選定、さらには最適な加工形状の提案までできてしまう方もいるんです。そんな素晴らしい技術を持った方々に比べたら、自分はまだまだ金型加工技術という奥深い世界の入り口に立ったばかり。1日でも早く、先輩方に追いつけるよう、経験を積んでいきたいです。