最終更新日:2025/3/1

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 【鉄道・運輸機構】 (JRTT)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 公益・特殊・独立行政法人
  • 鉄道
  • 建築設計
  • 設備工事・設備設計

基本情報

本社
神奈川県
PHOTO
  • 10年目以内
  • 電気・電子系
  • 技術・研究系

鉄道に特化した電気技術者として、地域に貢献したい。

  • 牧戸 啓悟
  • 2012年入社
  • 工学研究科 電気電子情報工学専攻
  • 東京支社 電気第三部 電気幹線第二課(取材時)
  • 電気系統

会社・仕事について

ワークスタイル
  • 形の残る仕事
  • 資格・専門能力が身につく仕事
  • 社会インフラを支える仕事
現在の仕事
  • 部署名東京支社 電気第三部 電気幹線第二課(取材時)

  • 仕事内容電気系統

最も興味があり、知識的なバックボーンもあった「信号」のプロを目指して。

電気の知識を生かして、交通インフラという社会的な基盤の形成と地域の発展に貢献したい。それが、私が機構を志望した一番の理由です。鉄道会社も選択肢の一つでしたが、新幹線・都市鉄道を問わず、日本全国に鉄道を建設し、各地の鉄道事業者や地方自治体と協力しながら広域的な交通ネットワークを整備する――そんなスケールの大きな仕事ができる組織は他にないと思ったのです。
機構の電気5 系統(変電・電車線・電力・通信・信号)のなかで私が担当することになったのは、その時点で最も興味があり、知識的なバックボーンもあった「信号」です。信号設備は列車の衝突や脱線などを防ぎ、列車を安全かつ効率的に運転するための設備。現場を想像した時、最も鉄道らしい、列車の運行に直結する部分を扱う面白そうな分野だと感じました。


最初の担当は、北海道新幹線の信号設備の設計。

配属されて、最初に担当したのは北海道新幹線(新青森・新函館北斗間/2016 年3月26 日開業)の信号設備の設計。鉄道事業者、機構内の他の系統の担当者と協議を重ねた内容をもとに、外部の設計事務所に委託して作成する図面のチェックが私の仕事でした。初年度の終盤以降は本州側の電気工事の拠点となる「青森鉄道電気建設所」に出張する機会も多かったので、現場で働く自分の姿を想像しながら仕事をしていましたね。
その青森鉄道電気建設所へ配属されたのは入社3年目のことです。ベテランである工事会社の監督さんや上司にアドバイスをもらいながら信号設備の工事を進めていきました。工事が完了してくると、鉄道事業者への引き継ぎを行うために必要な膨大な資料の作成とチェックが私の主な仕事でした。技術職として入社して、建設所で事務的な作業をこれほど多く行うことになるとは思わなかったですが、自分のキャリアはまだ始まったばかり。上司にも「技術職の仕事は設備の設計だけじゃないよ。こういう目立たない仕事の経験も必ず役に立つので頑張ってほしい」と声を掛けていただいたので、任された仕事には全て教育的意義があるのだと思ってはりきって取り組みました。


入線・架線試験では、最高の緊張感と達成感を知った。

最も印象に残っている仕事は、開業の1年前に行った「入線・架線試験」ですね。私の役割は、列車を検知して連動する信号機器のリレーのタイミングが適切かどうかを確認すること。担当区間に初めて試験列車が入線する日の夜遅く、線路沿いの施設の中で「メモリハイコーダ」と呼ばれる信号測定器の画面を見ながらその時を待っていました。
失敗が許されない試験ですので、列車の走行位置が無線で伝えられるたびに緊張感が高まっていきました。そして――列車が検知エリアに進入した瞬間「バチン!バチン!」と小気味いいリレー動作音が聞こえ、信号測定器の画面には期待どおり波形が描かれました。
リハーサルで事前に取っていた波形と見比べて同じと分かったとき、成功を実感し心底ホッとしました。窓を開けると、ゆっくりと高架橋を走っている新幹線の上部が見えたのをよく憶えています。それを最後まで見届けながら、先輩、上司、工事会社の皆さんと一緒に喜びを分かち合ったことが、この建設所での最高の思い出です。


現在は東京支社で北陸新幹線を担当。

現在は、北陸新幹線の延伸開業(金沢・敦賀間/2022 年度開業予定)に向けた電気関係設備のための委託物の取りまとめを行っています。機構では、鉄道の電気5系統それぞれで設備を設計し工事を実施します。これらの電気設備は高架橋やトンネルなどの土木構造物や、専用の建物に取り付けることになりますので、土木、建築系の職員に取り付け穴やアース線、機器の設置スペース、配線用ダクト等の準備をお願いする「施工委託」が必要なのですが、内容が多岐にわたるため、ひとまとめにしてから委託することになっています。土木、建築系から図面を入手し、電気の各系統から集まった委託内容をその図面に反映させて土木、建築系へと伝える、いわば仲介役です。
いまはデスクワークが中心ですが、土木工事の拠点がある大阪支社へは定期的に出かけて設計の打合わせを行います。一同に会してみんなで図面を見ながら話し合わなければ伝わらないことがたくさんあるのが、鉄道建設という仕事の特徴かもしれません。


学生の方へのメッセージ

自分の研究テーマをそのまま仕事に生かせる人はそういないと思いますが、研究に対する姿勢は仕事に生かせると思います。
問題が発生した時、その原因を突き止めて解決の方法を探り、軌道修正する。実験を繰り返すなかで培ったそのアプローチ手法は、現場でもオフィスでも役立っていると確信しています。
また、表計算ソフトを使ったデータ処理のスキルも随所で役立ちました。特にそれを感じたのは、種々の信号試験の結果を記入するチェックリストの作成業務を任された時。膨大な量を作成する必要があったので、繰り返し処理を自動化して一気に進めました。処理項目が研究室時代とは桁違いでしたので、この方法を知らなかったらどうなっていたか分かりません。
鉄道建設を続けていくためには、先輩たちが磨いてきた技術と蓄積されたノウハウを学び、継承することが不可欠です。その一方で、学生時代に習得したことを会社へ持ち込んで仕事のフローを変えるといった革新も必要です。熟練の技術者でありながら新しい方法を積極的に受け入れる柔軟性を兼ね備える先輩たちが多い機構でなら、失敗を恐れず新しいことにどんどんチャレンジできると思います。


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