Vol.01

戸板女子短期大学
国際コミュニケーション学科
上圷 莉央さん
航空業界に憧れがあったという上圷さんですが、高校卒業時にはホテル業界にも興味がありました。夢を絞りきれず、どちらも高いレベルで学べる戸板女子短期大学を選んでいます。「エアライン業界への就活はチーム戦」という言葉通り、エアラインゼミの仲間と情報共有しながら厳しい指導についていきました。内定を獲得したホテルと航空会社の地上スタッフ(GS)で迷い、最終的に憧れの業界だった航空会社に入社を決めるまでの軌跡を振り返っていただきました。
自立した強くてしなやかな
女性に憧れを持つ

子どもの頃、家族とよく空港に遊びに行きました。そこで見かけたGSの仕事ぶりを格好いいなと思っていたんです。昔から、自立していて強いけど、しなやかさや思いやりもある女性像に憧れていました。高校の修学旅行で初めて飛行機に乗って、そういう女性を体現しているのが航空関連業務だと感じました。ホスピタリティの素晴らしさが注目されますが、CAやGSはそもそも保安要員です。強さと美しさが両立していますよね。
でも高校卒業時は、ホテルやウェディング業界も勉強してみたいなど、将来を絞りきれずにいました。専門学校だと進路が決まってしまう気がしたので、幅広く、高いレベルで学べるカリキュラムが魅力だった戸板女子短期大学を選びました。入学後は早い時点で航空業界での就職が第一志望になり、1年生の後期からはエアラインゼミに参加しています。ホテルやウェディングなど進路ごとにゼミがあるのですが、その中でもエアラインゼミはいちばん厳しいと言われていました。外部講師の先生がとても厳しく指導してくださり、教室に入った瞬間から身だしなみや挨拶を厳しくチェックされます。あまりの厳しさに、途中でゼミを移る子もいて、最後まで残ったのは私を入れて20人くらい。残った人たちの結束は固く、航空業界への就職を目指す同志として情報を共有していきました。私も途中で心が折れそうになりましたが、仲間がいて心強かった場面が何度もあります。
語学力の不足を痛感したので
これからも磨いていく
エントリーは6社で、1社はジュエリー販売、1社はホテル、そして4社が航空会社です。そのうち内定を頂いたのはホテルと航空会社のGS職1社でした。就職活動を通じて明らかになったのが、語学力の不足です。足りないものがわかっているので、今は卒業までにスコアを上げていくことを目標にしています。就活でいちばん役立ったのは、やはりエアラインゼミの存在。最初に先生から「エアライン業界への就活はチーム戦です」とのお話があり、それ以来、求人状況や面接の雰囲気など新しい情報を得るたびに皆で共有し合っていましたが、仲間がいることは精神的に大きな支えになりました。
ほかに役立ったのは、面接練習のフィードバックなどをまとめた自作のノートです。そういうものがあると、見返すたびに「これだけ準備したんだから大丈夫」と自信になります。あとはマイナビの「面接時の身だしなみ」という記事も参考にしました。

4年制大学と同じ土俵で、
圧倒されてしまった

ホテル業界の受験は専門学校と短大が同じ枠でしたが、航空業界は専門学校だけが別枠で、短大と大学は一緒でした。2歳年上の人たちと同じ条件で受験するということで、実際に試験会場に行ってみると皆さんとても大人に見えて、すっかり圧倒されてしまいました。周りと自分を比べてしまったのは反省点です。周囲に負けずに自分らしくいられるよう、これまで努力してきた証であるノートをお守り代わりに、面接に臨みました。幅広く学んだ上でGSという進路を選ぶことができたので後悔はありません。
大学進学を機に一人暮らしを始めたのですが、12月〜1月くらいにホテルと航空会社の選考が重なって忙しかったときは、かなり辛かったです。アルバイトもあっていっぱいいっぱいでした。それなのに、家に帰っても真っ暗だし、出迎えてくれる人はいないし、話を聞いてもらうこともできない。最初の内定が出るまではずっとメンタルが落ち込み気味でした。
気持ちを引き上げるために、志望先のホテルを見学したり、TOEICの会場を羽田空港の近くにして、帰りに寄ったりしたのですが、これは私にはけっこう効くんです。空港でCAさんやGSさんを見ると、「絶対にこうなりたい」と気持ちを新たにすることができました。そういえば、高校受験のときも勉強に疲れると、よく志望校を見に行って制服姿を想像していましたね。そういうところは昔から変わっていないようです。
想いをもって活動を続けた先に、
必ず自分に合った企業が待っていることを信じて

正直第一志望の企業に落ちたときは泣きました。そこから気持ちを切り替えられたのは、先生に「何としても航空業界で働きたいと思って頑張っていれば、絶対に叶えられる!」と励ましていただいたからです。結果として内定をいただいた2社のうち、ホテルも魅力的だったのですが、周囲の人がより喜んでくれたのは航空会社でしたので、最終的に入社を決意しました。
内定の連絡をいただいたとき、理由として「1次から最終まで、面接時の立ち居振る舞いが素敵でした」と言われました。気持ちが伝わるよう、丁寧に話そうというのは意識していたので、そこを評価していただけてとても嬉しかったです。航空会社によって、欲しい人材像は「きっちり淑やか」とか「明るく元気」とかけっこう異なるイメージがあるので、自分に合った企業を受験するのも大切だと感じました。
OBやOGの情報は積極的に
自分から取りに行く

短大生が大学生の中に入ると周りがとてもお姉さんに見えるものですが、比べてしまうと雰囲気に飲まれるので、自分は自分と気にしないでいましょう。努力した経過がわかるノートは自分を取り戻す精神安定剤になってくれるのでお薦めです。それから、とても大事なのがOBやOGの存在です。
戸板女子はOGとの関係が深く、就活生にとっては大きな強みでした。志望企業にOGがいたら、すぐに連絡を取ったほうがいいです。実際に働いている人の声を聞くのが、いちばん職場のことがわかります。それは説明会で聞くのとはまた違う視点であり、相違点も含めて企業研究の一環として役に立つでしょう。情報は受け身で待つのではなく、自分から積極的に求めていくほうがためになります。そうして得たものを仲間と共有すると、他の人からの情報も入ってきます。
入社したらGSとして、お客さまのそばで働くことができます。通常は5年くらいでバックヤードの仕事になるようですが、私はできるだけ長くお客さまに寄り添っていきたいと願っています。語学の勉強は卒業後も続けていきますし、キャリアアップに繋がるチャンスがあれば挑戦するつもりです。
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