知る
know

知る・know

業界&シゴト研究

業界&シゴト研究

保育所以外の職場

保育士が活躍できるフィールドは多彩

保育所について、具体的な説明をしてきましたが、前述の通り、保育士が求められている職場は保育所だけではありません。スキルを活かせる場は幅広いのです。ほかの児童福祉施設も紹介しましょう。

児童養護施設

事情があって家族と一緒に暮らせなくなった子どもを迎え入れる施設。食事、洗濯から勉強のサポートまで、24時間体制で支えています

乳児院

両親の病気や未婚出産など、事情があって家庭で育てるのが難しい乳幼児(原則1歳未満だが必要に応じて就学前まで可)を引き取って育てる施設。保育士のほか、医師や看護師なども働いています。

母子生活支援施設

生活に不安のある母子家庭を、親子で迎え入れる施設。保育士の資格を持つ人などが母子指導員として、育児や就業の相談にのっています。

助産施設

経済的な理由などで入院助産を受けられない妊娠中の女性が、安心して出産できるよう指定された施設。助産師や保育士が働いています。

児童自立支援施設

不良行為をしたか、する恐れのある子どもを入所させて立ち直りを促す施設。保育士は児童生活支援員として、児童自立支援員と協力して働いています。

児童厚生施設

地域の子どもが元気に暮らせるよう、遊びの場と遊びのアイディアを提供する施設。保育士資格や教員免許を持つ人が、遊びをサポートする職員として働いています。

児童家庭支援センター

地域の子ども相談や、保護者や周りの大人の相談にのる施設。保育士や社会福祉士が、相談役あるいはほかの児童福祉関係者へのつなぎ役を担っています。

障害を持つ子どもたちをサポートする施設

2012年4月1日より、児童福祉法が改正され、これまで障害の種類別に分かれていた支援体制を一元化。重複した障害を持つ児童に対応するとともに、身近な地域で支援が受けられることを目指しています。

障害児入所施設(福祉型/医療型)

身体に障害のある子ども、知的障害または精神に障害のある児童、虐待されている子どもを保護し、治療や日常生活の指導、自立のための支援を行う施設。児童はここで暮らしています。医療型は治療も行います。保育士のほか、医師や看護師、児童指導員、栄養士、調理員、職業指導員などが働いています。

児童発達支援センター(福祉型/医療型)

身体に障害のある子ども、知的障害または精神に障害のある児童に、日常生活における基本的な動作の指導や、自立して生活するための知識・技能を身につけてもらい、集団生活へ適応できるよう訓練を行う施設。医療型のセンターでは治療もします。保育士のほか、児童指導員、栄養士、調理員、医師、看護師、作業療法士、理学療法士などが働いています。

児童心理治療施設(情緒障害児短期治療施設)

軽度の情緒障害がある児童を短期間入所させるか、保護者のもとから通わせて、治療する施設。退所後の相談や支援も行います。医師、心理療法士、保育士、教員などが力を合わせて児童とその家族を援助しています。

それぞれの職場における働き方は?

保育士と園児

保育所と違い、これらの施設で働いているのは保育士ばかりではありません。さまざまな分野のプロフェッショナルたちと連携して、チームで働くことになります。また、関わりを持つ子どもたちの年齢も、多くの施設で、上限が18歳~20歳未満までと、非常に幅広くなります。入所施設は、子どもたちがそこで暮らしているので、職員も常駐しています。ローテーションを組んで、寝泊まりする日もあるわけです。

さらに支援の選択肢を広げるために、既存の施設を利用して、障害を持つ児童を対象とした放課後等デイサービスや、保育所等訪問支援という活動もあり、こちらも保育士の力を必要としています。