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先輩インタビュー Interviews with alumni

自己分析と面接準備を徹底的に行い、
企業が「外国人の自分を採用したい」と思える理由を考える

台湾 O.U.さん 業種:小売

子どもの頃から日本のアニメに親しみ、高校在学中に日本語の勉強を開始。日本の大学に留学してからは、フレンドリーで社交的な性格を発揮して語学スキルを瞬く間に高めていきます。就職活動ではアニメやゲームに関連する業界・不動産業界の2つを志望。当初は良い結果が得られませんでしたが、自己分析と面接準備と徹底的に行うことで、3社から内定を獲得しました。

就活データ

  • 志望業種流通・小売・広告・出版・マスコミ・不動産
  • インターンシップ参加1社
  • 説明会参加35社
  • ES提出30社
  • 面接10社
  • 内定3社

日本語をどうやって勉強しましたか。

母国・台湾にいた頃に日本語を学び、日本語能力試験の「N2」にほぼ満点で合格しましたが、スキルが大きく伸びたのは来日後です。私はワーキングホリデービザで日本に1年滞在し、一度帰国。日本の大学に進学するため再び来日しました。国際交流を目的に作られた大学の寮に入ったおかげで日本人と日常的にコミュニケーションをとることができました。寮生はほとんど日本人で、留学生は私を含めて数人程度。私はすぐに寮生全員と仲良くなりました。同じ屋根の下で暮らし、毎日、日本人の友だちと食事をし、会話を重ねるなかで、自然と語学スキルが磨かれていきました。国際寮という環境の中で日本語を習得したからこそ、「自然な話し方」が身についたと思います。

日本の企業に就職しようと思った理由は?

日本の大学に通っていた頃は、将来の目標が定まっていなかったため、「日本企業に就職しよう」という思いも抱いていませんでした。唯一好きだったのがライトノベルで、母国語の台湾語と日本語で執筆していました。漠然とですが「いつかライトノベル作家になれたら」と思っていました。しかし、友だちの日本人が次々と就職活動を始めたことで、私も就職を意識するようになりました。ライトノベル作家を目指す道もありましたが、人生において「新卒入社」は一度きりのチャンスです。逆にライトノベル作家はいつでも挑戦できます。このチャンスを逃したくないと思い、「日本の企業に就職しよう」と決意しました。

就職活動の軸や志望業種・職種について教えて下さい。

私は大学の国際寮を満期の2年で退寮し、その後、自治体が運営する留学生向けの寮に入りました。この時に会長を務めた経験から、「人と人を結ぶ架け橋のような存在になりたい」と思い、就活の軸に定めました。ライトノベルに限らず、ゲームやアニメ全般が好きだったので、それに関連する幅広い業界で探しました。そして両親が不動産関連の仕事をしていることから、不動産業界も視野に入れました。業界の軸に加えて、「待遇とワークライフバランス」も重視しました。仕事だけを頑張るのではなく、「仕事もプライベートも充実させたい」という思いがあったからです。

就職活動で力を入れたことはありますか。

自分の希望にマッチする会社を探すため、徹底的に情報収集しました。まずは日本人の友だちに聞いて、就職活動の流れについて大枠を理解しました。マイナビをはじめとする「就職情報サイト」についても、この時に教えてもらいました。企業の情報収集に関しては、インターネットで「業界別の企業ランキング」を検索し、興味ある企業の採用サイトで情報を収集しました。

このように、就職活動当初は「企業ランキングから興味ある会社の採用サイトに飛び、エントリーをする」という方法をその都度とっていたのですが、手間がかかるのが難点でした。就職活動後半からはマイナビを活用し、効率よく就職活動を進めることができました。

エントリーシートや筆記試験、面接など、就活対策について具体的に教えて下さい。

留学生にとって、就職活動における一番のハードルが「面接」だと思います。私も当初はなかなか良い結果が得られなかったため、面接対策に力を入れました。面接が厳しいことで知られる企業から内定をもらった日本人の友人がいたので、面接で想定される質問とその答えをノートにまとめ、チェックしてもらいました。このほか、大学のキャリアセンターでも添削をしてもらい、模擬面接を数回行いました。

想定質問の答えは、箇条書きでまとめる方法もありますが、私は文章化しました。企業ごとに想定質問を考え、返答を用意し、さらに深掘って質問された時のために質問を細分化してそれぞれ返答を用意し、口に出して何度も練習しました。もちろん、友人にも聞いてもらいました。

友人からのアドバイスで最も参考になったのは「自己紹介が長い」という指摘です。丁寧な表現を心がけていましたが、逆効果になっていたようです。伝えたいことを1~2つに絞り、簡潔に伝えるよう心がけたところ、面接の結果が一気に好転。複数の企業から内定をいただくことができました。

就活で一番大変だったことはなんですか。

どんなに入念に準備を重ねても、面接で想定外の質問をされることがあります。想定外の質問を受けても、慌てることなくスムーズに答えるためには、自己分析をしっかりと行い、エピソードの深掘りをしておくことが大切です。たとえば私の場合、留学生会の会長で日本文化を学ぶイベントを企画・運営しました。このエピソードを面接で話したところ、「なぜ、イベントを開催しようと思ったのか」「どうやって実現したのか」「そのイベントを通じて、どんな成長があったのか」など、エピソードの背景にある部分も含めた部分まで質問を受けました。なので想定質問の返答をまとめる時には、その返答にどのような意図があるのかまで考えておく必要があります。手間と時間のかかる作業で大変でしたが、大切な準備だったと思っています。

日本企業に就職して良かったと思う点について教えて下さい。

働く環境の良さや福利厚生の充実は、日本企業ならではだと思います。私が就職した企業は引越しの補助金などの手当が充実しているので、遠方地の配属でも金銭的な負担はほとんどありませんでした。

就職活動中、人事担当の方から「仕事が楽しい」と言われたことを今も思い出します。日本の企業で働いている人たちは、こんなにはっきりと「仕事が楽しい」と言えるんだと、衝撃を覚えたからです。日本企業で働くようになった今、あの時の言葉は間違いではなかったと感じています。現在の仕事で一緒に働くスタッフたちが生き生きと働き、成長していけるように接する毎日はとても楽しいですし、スタッフから「ありがとうございます」と感謝の言葉をもらうたびに、やりがいを感じます。

日本で就職を目指す外国人留学生の皆さんにメッセージをお願いします。

企業側の視点になって考えると、私たち外国人留学生の就職活動は決して簡単ではないことに気づくと思います。そもそも、外国人を採用した実績がない企業は、今も多く存在します。では、日本企業への就職を成功させるためには、どうしたら良いのか。私は、「日本人ではなく外国人の自分を採用する理由」をとことん考え抜き、企業に自分をしっかりアピールすることだと思います。「日本人ほど日本の文化を知らないし、日本語が上手ではない。それでも、この学生を採用したい」と企業が思ってくれるような理由を考えることが大切です。外国人留学生であることで苦戦することもあるかもしれませんが、皆さんの努力次第でいくらでも「プラス」に働くことを知ってもらえると嬉しいです。

〜1問1答〜

先輩に知りたいことを徹底的に聞いてみよう!

Qどんな仕事を担当していますか?
Aキャラクター製品を販売するオフィシャルショップで、店舗運営や人事業務を任されています。
Q入社前後のギャップはありましたか?
A 日本人の慎重な姿勢や会議の頻度が多いこと。
Q今後のキャリアプランは?
A海外事業に携わったり、ゆくゆくは友人と起業もしたいと考えています。