教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

卓球は今の自分の礎
ビジュアルスノー症候群によって引退を決意

2013年頃から、雪が降るようなノイズが視界にチラつく「ビジュアルスノー症候群」という症状に悩まされ始めました。症状が一気に進むことはありませんでしたが、2018年頃になると、かなり悪化し、まぶしくて卓球のボールも見づらい状態になっていました。
その影響で、今まで負けたことのない相手に連敗し始めたのです。このときは、とても悔しかったです。自分の目の状態が悪いからといって試合で何かが配慮されることもありませんし、この時期は不安で眠れないことも多く、引退を意識し始めました。それでも「東京五輪までは」という思いだけで競技を続けていました。
2012年に出場したロンドン五輪で悔しい思いをして、試行錯誤していた2013年に東京での五輪開催が決まり、そのときから何としても自国開催までは卓球を続けたいと思っていたからです。
本来の力の3割でも金メダルを取れたのは準備ができていたから
ところが引退を懸けて臨むつもりだった東京五輪の開催が、新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で1年延期となりました。ボールの回転が見えなくなるといった症状はさらに進み、自分の感覚では本来の3割くらいのパフォーマンスだったように記憶しています。
だからといって、勝つことをあきらめたわけではありません。練習法を変え、気持ちを整えて臨んだことで、東京五輪の混合ダブルスで金メダルを獲得できました。それを成し遂げられたのは、実力が3割しか出せなくても勝てるように、練習に取り組んできたからです。加えて、無観客試合だったこともあり、いつもの試合より平常心を持って試合ができたことも大きな勝因です。

事前にスケジュールをしっかり確認しよう
就職準備では、常に目標を見据え、先回りして準備に取り組んでいく必要がある。取り組むべき事柄や志望企業の説明会の日程など、就活準備に関するスケジュールをしっかりと押さえておこう。
基本的な就活スケジュールを知るためのコンテンツはこちら!
体育会系学生の就活スケジュール自分の得意分野でない仕事も準備力で乗り切る
東京五輪で金メダルを取ると、さまざまな場所に呼んでもらえるようになり、それが引退後のセカンドキャリアにつながっています。
テレビや新聞、雑誌などのメディア以外にも、講演会や全国各地での卓球イベントで大忙しの毎日となっていきました。講演会や卓球のイベントは、幼いころから続けてきた卓球がベースとなる仕事なので得意分野でした。しかし、テレビの情報番組のコメンテーターなどの仕事は正直、少し苦手意識がありました。中学生のころから卓球一筋の人生を過ごしてきたので、社会で起きた問題などに明るいわけではありません。ただ、卓球で培った「場の空気を読む力」と「準備力」があったからこそ、とてもありがたいことに継続的にお声がけいただいているのだと思っています。
自分の弱みは案外、自分の経験などでカバーできることがあります。こういった部分は体育会系の学生と共有できる感覚ではないかと思います。
弱みと感じている部分こそ、
裏返すと突出している特長
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他人を気にしすぎる【周囲に配慮ができる】
つい他人の発言や行動を気にしすぎてしまうことは、場合によっては「周囲に流されやすい」と誤解されてしまいかねないが、その一方で、周囲の意見に耳を傾ける、配慮ができるともいえる。 -
行動力に欠ける【計画性がある】
思い立ったらすぐに行動できないことは決して悪いことではない。思慮深く問題点に気付けたり、いろいろ考えたりして計画を練ってから行動するようにしているといえる。 -
優柔不断である【多角的に判断する】
なかなか物事を決められないのは、その物事を肯定している、賛成している、良い点を見つけられているから。物事を直感的に決めず、さまざまな角度から見て判断できているという長所になる。 -
頑固である【芯が強い】
自分が決めたことをなかなか変えられないと、相手の意見を受け入れない頑固さがあるというマイナスの印象になりかねない。しかし裏を返せば、自分の決めたことにしっかり意思や信念を持って取り組んでいることになる。