バイヤーの仕事は仕入・販売管理・店舗配信がミッションです。新商品でも、世の中の動きを見て「いける」と判断すれば仕入れることができるのがバイヤーの特権。しかし、10数店舗を統括していたスーパーバイザー時代とは違い、バイヤーとして束ねるのは西日本に展開する約300店舗。規模がまったく異なりますから簡単には決断できません。まずはエリアを絞って導入し、様子を見てから次の一手へというのが常套ですが、トレンド商品は他社も仕掛けるので、スピード感を持ち展開しなければいけない。私が売上拡大に取り組んだダイエットコーヒーはまさにそんな商品でした。
テスト販売の成果も上々で、SNSでも注目の的。今思えばすでに火がついていた商品だったのに、バイヤー1年目の私はうっかり出遅れ、気づいた時には全国的な品薄に。しかし、売れるとわかっている商品を欠品させるわけにはいきませんから、必死の思いで商品を確保しました。さらにこの商品を大ヒットへと導くために、各店の目立つ位置での複数個所陳列という戦略を決行しました。最も苦労したことですか?それは店舗に指示を徹底させる事です。メール一通で300店舗に自分の想いを伝えることは難しく、担当スーパーバイザーや取引先にも協力を仰ぎ、皆さんのバックアップのもとでなんとか理想の売場をつくることができました。