2019年の出荷額約9兆6,000億円。リサイクルも進む
経済産業省の工業統計によると、2019年の非鉄金属の製造品出荷額は、前年比6.0%減の9兆6,141億円だった。非鉄金属は鉄以外の全ての金属を指し、銅、アルミニウム、スズなどのベースメタルと、ニッケル、チタン、リチウムなどのレアメタル(希少金属)、金、銀、プラチナなどの貴金属に分類される。
海外から原料を輸入して国内で精錬する流れのため、為替や国際市況に左右されやすい面もある。携帯電話などの電子製品から非鉄金属を回収する金属リサイクルも進んでいる。
政府は自給率100%目指す。電線の海外展開も活発
銅を中心とする非鉄金属について、政府は海外で権益を持つ鉱山を含め自給率を現在の50%程度から、将来的には100%を目指す方針だ。特にガソリン車の3倍の銅を使う電気自動車の生産急増により、国際市況が上昇しているためだ。非鉄大手は海外投資を積極化しており、支援策を打ち出すとみられる。
海外展開では、非鉄金属を使用する電線業界も活発。日本電線工業会によると、2020年度の海外現地法人による出荷額は、銅・アルミ電線合わせて約1兆1,700億円にのぼる。