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就職活動の基礎知識 発達障がい/知的障がいの基礎知識のMV

発達障がい/知的障がい

脳機能の発達に関連する発達障がい、あるいは知的障がいがある学生の皆さんが、
能力を発揮して社会で活躍するには、自分に合った環境に身を置くことがとても重要です。
実際に障がい認定された方はもちろん、診断は受けていなくてもご自身に気になる特性がある方、それによって自信が持てなかったり不安がある方、皆さんにぜひ知っておいていただきたい就職活動のコツをお伝えします。
※発達障がいと知的障がいは異なる種類の障がいですが、働きやすい職場の条件や就職活動における注意点などで一部共通する部分があるため、ここでは同じページで取り上げて説明します。

発達障がい/知的障がいページのイメージ画像

発達障がい/知的障がいの特性と雇用の現状は?

発達障がいは個々の能力のばらつきが大きく就労先も多様

厚生労働省の「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」によれば、発達障がいと診断された人は、全国に約48万人以上いると推計されています。

発達障がいは自閉症スペクトラム障がいや学習障がい、注意欠陥多動性障がいなどを含む多様な概念であり、複数の特性が重なっている場合もあります。能力のばらつきや得手不得手など個人差が非常に大きく、適性のある業務ではかえって障がいのない人より高い成果を挙げられるケースも少なくありません。
例えば、高度な記憶力やチェック機能を持つ発達障がい者の活躍で、パンフレットなどの読み物の作成における校閲の精度が向上し、それによって部署の業務効率も格段にアップした事例などがあります。

発達障がいの方が就いている職業
発達障がいの方が就いている職業の割合を表すグラフ
出典:厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査」

「ゆっくり成長」が特徴の知的障がい

厚生労働省の「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」によれば、知的障がい者の人数は療育手帳の所持者数から約96万人で、そのうち約37万人が重度と推計されています。

知的なハンディキャップにより作業遂行やコミュニケーションに制限が出ることもありますが、環境に慣れるに従って、ゆっくりと確実に成長していく傾向があると考えられています。
厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」の推計では、約18万9,000人の知的障がい者が雇用されていると推計されています。職種別に見ると、生産工程やサービスの職業が約60%を占めるほか、運搬、清掃、包装などの職業でも多くの人が活躍しています。

知的障がいの方が就いている職業
知的障がいの方が就いている職業の割合を表すグラフ
出典:厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査」

働きやすい職場環境や条件は?

就職後も悩みに寄り添ってくれる職場が理想的

発達障がいと知的障がいのいずれにおいても大切なのが、自身の適性に合った仕事に就くことです。業務内容そのものはもちろん、求められる作業の量やスピード感も大切な要素で、無理なく取り組めそうか十分に検討する必要があります。また、企業にも社員の個人差に配慮した指示・指導が求められます。
例えば、言葉による説明を理解するのが苦手な社員に対しては絵や写真、フローチャートなどを活用し、視覚的に伝わるような指示書を作成するといったことです。

「任された業務量が多すぎる」「社内の雰囲気にうまくなじめない」など、就職後に悩みが出てくることもあるでしょう。そこで大切なのが、進捗管理を含めた定期的な面談が実施されていること。障がい特性への理解が深いキーパーソンがいて、気軽に相談できるような体制が整っていると、より安心して働くことができるでしょう。

【発達障がいのポイント】

発達障がいでは、音や臭い、光など周囲の環境に敏感な人も少なくない上に、気になるポイントは人それぞれ。
例えば、物音がすると仕事に集中しづらい人と、静かな環境ではかえって気が散るという人では、理想の職場は全く異なるものになるはず。自身が苦手とする環境要因がないか、あるいは調整可能かといった点を意識的にチェックしてみましょう。

【知的障がいのポイント】

時間をかけて理解を深めていくという知的障がいの特性を理解し、最初は指導者が一緒に作業を行い、慣れてきたら一人で取り組むといった段階的な指導があると理想的です。
また、複数人の指導者から一度に指示を受ける環境よりも、担当指導者を一人に絞るなど指揮系統が統一されている方が、業務をスムーズに進められるといわれています。

就職活動で気を付けたいことは?

自己分析&他己分析で自身の特性を整理

厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」によれば、発達・知的障がい者の雇用上の課題として、「会社内に適当な仕事があるか」を挙げる企業が約75%に上るということです。ということは、学生側からも「自分に何ができるか」「自分だからこそ得意なことは何か」を企業側へ伝えることが大切だといえます。これまでの人生で、自身の強みを生かして達成できたことを具体的に伝えてみましょう。
また、弱点の言い換えやその克服の事例も必要です。苦手なことだけではなく、「臨機応変な対応は苦手ですが、粘り強さには自信があります。例えば高校時代には……」といった話し方ができると理想的です。

面接などでうまく自己表現できるよう、あらかじめ長所や短所を文章にまとめておくこともお勧めします。また、自己分析は大切ですが、客観的な視点で他己分析してもらうことも効果的です。家族や友人、学校の先生などに加えて、通院している場合は主治医の意見も参考になるでしょう。

「課題と対策」をセットで提示することが安心材料に

周囲に気を遣ったりためらったりしてしまい、履歴書などで「配慮事項は特にありません」と伝えることは、必ずしもベストではないことも覚えておきましょう。もちろん、本当に配慮が不要な場合は問題ないですが、そうでない場合は自身の障がいへの理解が不十分と見なされてしまう可能性もあります。
自身が抱える課題を整理し、自分から相手に具体的な対策を提示することは、企業に安心感を抱いてもらうことにつながります。

発達障がい/知的障がいのまとめ

  • 発達障がいでは販売、知的障がいでは生産工程への従事が最多だが、肝心なのは自分の特性に合った仕事を選ぶこと。
  • 企業からの社員への個人差に配慮した指示・指導や社内におけるキーパーソンの存在が、働きやすさにつながる。
  • 苦手なことばかりにとらわれず、特性を生かした成功体験を見つけて自己PRしよう。

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