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就職活動の基礎知識 精神障がいの基礎知識のMV

精神障がい

精神障がいのために生活上の困難を抱えている学生の皆さんが、
自分の心身を大切にしながら社会で活躍するにはどうすればいいのでしょうか。
特に精神障がいがあることは周囲からも気付かれにくく、その種類もさまざまであることから、
ご自身でしっかりと障がいについて理解し、就職活動の場においても丁寧に説明できるようになることが、
より良い職場とのマッチングにつながるでしょう。

精神障がいページのイメージ画像

精神障がいの特性と雇用の現状は?

原疾患の安定により職場に定着できる人も多い

精神障がいには、統合失調症やうつ病などさまざまな疾患が含まれます。その症状も、抑うつ気分、不安、幻覚、食欲減退など一様ではありません。厚生労働省の「平成28年生活のしづらさなどに関する調査」によれば、約84万人が精神障害者保健福祉手帳を所持しており、平成23年時点に比べると約1.5倍に増えていることが分かっています。

就労についても障がいの状態に左右される部分が大きく、状態が落ち着いて安定すれば、職場に定着して活躍できるケースが少なくありません。ただし、業務量や残業が極端に多い仕事や、「感情労働」といわれる看護師や保育士のような対人援助職などでは、ストレスにより負担が重くなりすぎないよう細心の注意が必要です。

短めの勤務時間を選択する人が約半数

厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」によれば、実際に雇用されている精神障がい者は約20万人と推計されており、サービスや事務、販売の仕事に就いている人が多数で、約75%を占めています。
その就労している精神障がい者の具体的な内訳を見ると、統合失調症が約31%と最も多く、双極性障がいなどの気分障がいが約26%、てんかんが約5%と続きます。
また、1週間あたりの所定労働時間が30時間以上の人は約47%である一方、20~30時間または20時間未満で働いている人も約半数に上り、労働時間を短めにすることで負担過多を防ごうと考えている人もかなりいることが推測されます。

精神障がいの方が就いている職業
精神障がいの方が就いている職業の割合を表すグラフ
出典:厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査」

働きやすい職場環境や条件は?

段階的な受け入れや休暇制度があると安心

精神障がいがある人にとって、職場での人間関係や雰囲気の良し悪しは、極めて重要な要素となります。話しかけやすく、障がいについて相談できるキーパーソン的な存在がいてくれることが、働き続ける上で大きなポイントになるでしょう。
また、多くの精神障がいでは状態に波があり、「不調のサイクル」が存在するケースが少なくありません。定期的な通院で治療をしっかりと継続し、もし調子が悪いときには十分に心身を休めることができるような休暇制度も求めたいところです。もしその職場に、長期にわたって休職して職場復帰して働いている先輩などがいれば、より心強いでしょう。

そうした意味でも、一時的に時短勤務が認められるなど、労働時間・日数を柔軟に調整可能な職種・職場はお勧めです。特に、就職によるストレスや環境の変化が不安に感じられる場合は、「入社直後は午前中勤務で、慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていく」というように、段階的な受け入れを相談できるといいでしょう。

在宅勤務希望ならメリット/デメリット両方を考慮して

出勤そのものに対するストレスが大きい場合は、在宅勤務を希望する道もあります。例えば、パニック障がいがあり電車に乗るのが困難な人にとって、安心できる自宅で働くことのメリットは非常に大きいはず。
コロナ禍に伴いリモートワークに対応する企業が増えていることは、精神障がい者にとって追い風といえるかもしれません。ただし、自分しかいない環境で気持ちを切り替えながら働くことには特有の難しさがありますし、障がいの種類や程度によっては社会との接点を保つことが治療につながるケースもあるため、主治医のアドバイスを受けつつ複数の視点から入念に検討してください。

就職活動で気を付けたいことは?

根拠に基づいた説明で納得感を与えよう

採用担当者は、精神障がいの名称を聞いたことがあっても、具体的な症状まで詳しく知っているとは限りません。例えば、双極性障がいでは、うつ状態のときは十分な休養を必要とし、躁状態のときは安全管理に注意が必要というように、時期により配慮すべき点が異なります。自身の障がいの特性や必要な支援、てんかんの発作など緊急時の対応といった点を、分かりやすく相手に説明できることが重要です。

それに加えて、面接などで自己PRするときに意識したいのが、具体的なシチュエーションや根拠を示すこと。「病状は安定しています」とだけ伝えるより、「通院の頻度が少しずつ低下し、現在では月〇回程度になりました」「医師からは、こまめに休憩が取れるならフルタイム可能と言われています」などと添えた方が、説得力がグンと増します。

「頑張り過ぎ」でダメージを受けないために

実際に就職活動を始めるときは、心身共に無理をし過ぎないよう十分に気を付けてください。「回復期だから」「今だけだから」といった理由で頑張り過ぎることが、後から大きなダメージにつながってしまう可能性もあります。主治医のアドバイスを受けながら、スモールステップで前進しつつ、自分らしい働き方にたどり着いてください。

精神障がいのまとめ

  • 精神障がい者の約半数が、労働時間を短めにして負担を軽減しながら働いている。
  • 「不調のサイクル」を乗り越えられるような制度とキーパーソンの存在が大きな助けに。
  • 心身共に無理は禁物! スモールステップの就職活動で自分らしい働き方を目指そう。

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