内定者インタビュー

中学校の理科では実験が好きだった中村さんは、それが化学という分野であることを知り、化学を専門とする物質工学科に進学しました。1~3年次には化学の基礎を固め、4年次には以前から関心があった環境やエネルギーの分野での課題解決につながる研究室へ。OBから引き継いだ研究の成果を、学会でも発表しました。そして学業と並行した就職活動では、理想とする人生や生活を実現できそうな企業を第一志望とし、内々定を勝ち得ました。

内定者インタビュー Vol.03

国立東京工業高等専門学校 中村 浩士さん
総合化学メーカー 専門職 内々定
国立東京工業高等専門学校
物質工学科
中村 浩士さん

在学中に一番力を入れていたことは何ですか?

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卒業研究です。本校物質工学科では研究室に配属されるのが4年次の11月。入学時から環境やエネルギーの分野に関心があった私は、今後の発展が期待される燃料電池を学べる研究室を選び、1年以上をかけて燃料電池に欠かせない触媒をより安く手軽に作製する技術開発につながる研究に取り組みました。

研究室の先生やOB、他大学の支援も受けた研究の成果を、4年次の終わりに電気化学会で報告しました。多くの研究者や学生に講演した経験は就職活動の面接でのアピールポイントになりました。研究は学会発表や就職活動後も継続し、卒業までにさらに進展した成果を改めて学会で発表する予定です。

課外活動では、「くぬぎだ祭」という文化祭の実行委員会に所属しました。学科や年次が異なる仲間と恒例イベントを作りあげた実績とその中で養われた協調性を、採用試験の面接で自身の強みとして訴えました。また第一志望の企業に就職した委員会の先輩からは、インターンシップや就職活動に臨む心構えや準備などの貴重なアドバイスをいただけました。

就職活動を振り返ってみて、どうでしたか?

就職活動は、おおよそ順調に進められたと思います。4年次の夏にインターンシップを経験して就職への意識を高めてからは、企業研究や業界研究に多くの時間を割きました。オンラインでの就職関連イベントにも積極的に参加し、興味を持った企業への理解を深めたり、自分の性格や強みを分析したりして、就職活動に取り組むための準備を進めました。

4年次の11月に研究室に配属されてからは、卒業研究と並行して、エントリーシートの書き方や面接での自己アピールのしかたを身につけるトレーニングに励みました。研究も就職活動も、指導をしてくれたのは研究室の先生です。そのなかで「どこで働きたいか」と同じくらい、「どのように働きたいか」を考えるようになり、仕事とプライベートのどちらも充実させるワーク・ライフ・バランスの実現を就職活動の柱としました。

就職活動中につらかったことは何ですか?

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就職活動でつらい思いをしたのは、面接を終えて内々定をもらえるかどうかが分かるまでの期間です。縁がなかったならば、“次”に向けて気持ちを切り替える心積もりでした。しかし第一志望企業の結果が出なければ動き出す気になれず、ただ待つだけのもどかしさを抑えるのに苦労しました。

一方で就職活動のためにやれるべきことは、すべてやれたという思いもありました。卒業後の進路を就職に絞ったのは4年次の後半。就職活動への動き出しが早めだったことで、満足できる十分な準備ができたのです。その結果として内々定を勝ち取れないのであれば、何度チャレンジしてもその企業に入れることはないだろうと腹もくくれていました。

就職活動に対する満足感と結果を待つもどかしさを抱えながら、できることといえば普段通りの生活を送ることです。そこで就職については頭の片隅に置きつつ、同時期に並行させていた卒業研究に没頭しました。

入社予定の企業を選んだ決め手は?

内々定をもらった第一志望の企業は、4年次の夏にインターンシップに参加した2社のうちの1社です。どちらも、学科の専門分野である化学系の企業。1社にはとてもエネルギッシュな力強さを感じました。これに対し第一志望にしたもう1社の方にはリラックスした自由な雰囲気が感じられ、さらに企業研究を重ねた結果、そちらの方が理想とする働き方にマッチしていると判断したのです。

私は、就職や仕事は人生や生活の一部であり、仕事以外の時間も仕事と同じく大切にしたいと考えています。そのため志望企業を決める際も、理想とするワーク・ライフ・バランスの実現が期待できる職場であることを重視しました。企業研究でも自分の専門分野や強みを生かせる職場であることはもちろん、家族や友人との時間も大切にできる雰囲気やそのための制度が整っていることを重視し、第一志望の企業を決めました。

第一志望の企業には職種転換の制度があることも魅力的でした。高専卒である私は専門職として、大学院を出た同期は総合職としてそれぞれ採用されます。しかし第一志望の企業には、入社後の活躍により専門職から総合職に移れる制度があることを企業研究で知り、仕事への意欲が増しました。

後輩に向けてメッセージをお願いします

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高専では人と出会える場に、自分から加わってみましょう。授業であればグループで取り組む実験科目に積極的に参加し意見を述べる。ほかにも課外活動など、高専生活には人と出会える機会がたくさんあります。そうして出会った人から、いろいろな意見をもらうことをお勧めします。

意見を言ってくれる人は、頼れる人でもあります。研究や就職活動は、最終的には個人の力で乗り切らなければなりません。とはいえ例えば壁に突き当たったとき、相談できたりアドバイスをくれたりする人が身近にいるのは心強く、一人では気づけない突破のきっかけをもらえることを私は実感しました。

就職活動は、どのような人生を送りたいかを自分に問うことから始めました。私は理想とするワーク・ライフ・バランスの実現を企業選びの柱としました。自問への回答によって志望企業が変わるかもしれません。就職活動に対する私の視点も、人からのアドバイスにより得たものでした。

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