システムエンジニア

自分が勝てる環境をつくり上げよう

自分の勝ちパターン・負けパターンを理解しよう

握手するスーツ姿の男性
(画像素材:PIXTA)

就活を進めていくうえで大事なポイントは、自分の勝ちパターン・負けパターンを理解することです。自分の長所や短所、何が得意で、何が苦手なのかを把握するのはもちろん、どんな場面だとパフォーマンスが上下するのか、どんな場面だとモチベーションが上下するのか、自身の傾向をできるだけ具体的に理解しましょう。

なぜなら採用する側も、若い人たちの志向が分からず悩んでいます。どうすれば若手のやる気を引き出せるのか、どういうシーンだとパフォーマンスが上がるのか、モチベーションが上がるのか、より良い環境をセットアップしたいと考えています。しかし、世代が異なる学生の考えを理解できる機会はそう多くありません。多くの企業の採用担当者が、今の学生たちがどんな志向を持っているのか、むしろ教えてほしいと語っています。

就職とは、採用側と応募側の両者のニーズをマッチングさせることです。あなたが一方的に選ばれるわけではなく、採用する側もあなたに選ばれたいと思っているのです。だからこそ、自分が最高の価値を出せる「勝ちパターン」と、そうでない場合の「負けパターン」を、まずは自分自身で把握することが大切なのです。そのためには、アンテナを高くして情報を集め、多くの人に接し、さまざまなことにチャレンジすることが大切です。

自分の勝ちパターン・負けパターンを理解しないまま、なんとなく就職するとミスマッチが生じます。「自分が能力を発揮できないのは会社のせいだ」「いや、お前自身のせいだ」と互いに不満を抱いたり、それを理由にして退職したりしてしまったら両者にとって不幸です。そんな人生の負けパターンに陥らないためには、自分の勝ちパターンを理解することが大切なのです。そして、自分の勝ちパターンに合致する環境があるかどうかを、企業選択の1つの指標にしていくのです。

成功と失敗から「観点」を増やしていく

では、どのようにして自分の「勝ちパターン・負けパターン」を理解すればよいのでしょうか。これもやはり、自身の成功体験や失敗体験を振り返ることで見えてきます。例えば、イベントを主催して成功した経験があるのなら、さまざまな観点から、それを検証してみましょう。登壇者、テーマ、日取り、場所などを細かく分析して振り返ってみると、その成功が「計画的成功」だったのか、「偶発的成功」だったのかが見えてきます。

さらに、そのイベントに対して自分のモチベーションが上がったのはなぜなのか、高いパフォーマンスが発揮できたのはなぜなのか、その理由も探ってみましょう。さまざまな体験を振り返って、そこに共通する部分があるのなら、それがあなたの「勝ちパターン」です。失敗した体験も同様です。なぜ失敗したのか、なぜモチベーションが下がったのか、なぜパフォーマンスを発揮できなかったのか、その理由を探っていくと、自分の「負けパターン」が見えてきます。

物事には「良い成功」と「良くない成功」、「良い失敗」と「良くない失敗」があります。成功体験から多くの学びを得ることができれば、それは「良い成功」。たまたま成功したからといって、何も振り返らず過信してしまったら、それは「良くない成功」。過去の成功体験にとらわれて、成長できない人になってしまいます。失敗にしても同様です。失敗しても学びを得ることができれば「良い失敗」。何も学ばなかったら「良くない失敗」です。

成功にせよ失敗にせよ、さまざまな観点で振り返ることで、多くの「学び」が得られます。そして、どんな体験も「良い成功」「良い失敗」にすることができます。こうした観点を自分自身に向けて自己分析を行えば、自己理解が深まり、自分の「勝ちパターン」「負けパターン」も見えてきます。だからこそ、多くの経験をすることが大切なのです。それらの経験から、自分の「勝ちパターン」「負けパターン」が理解できるようになれば、どんどん勝てる人間になっていきます。

T字型人材のイメージ

自分が勝てる環境を主体的にセットアップしていく

就職活動、そして仕事で成功していくためには、自分の「勝ちパターン」「負けパターン」を見つけましょう。自分は何が得意で、何が苦手なのか、どういう場面だとモチベーションが上がり、最高のパフォーマンスを発揮できるのか、それをきちんと理解して、他者に伝えることができる人は強いです。常に自分の勝ちパターンに持っていけます。なぜなら、周囲の人が勝てる状況をつくってくれるからです。

例えば「お酒は何でも大好きです」という人と「ワインだったら何杯でも飲めます」という人がいたとしましょう。「お酒は何でも大好きです」という人は、実は日本酒が苦手だけど、無理して飲み続けてつぶれてしまったりします。一方、「ワインだったら何杯でも飲めます」という人は、「あいつが来るからワインのある店に行こう」と周りの人が心地よい環境をセットアップしてくれるので、本人はいつでも大好きなワインが飲めます。これもある種のWin-Winです。

仕事も同じです。自分が勝てる環境を主体的にセットアップしていきましょう。自分の「勝ちパターン」「負けパターン」をアピールしていけば、あなたの「勝ちパターン」に該当する企業が声をかけてくれます。そして勝てる環境をセットアップしてくれます。なぜなら企業も採用した人材をしっかりと生かすことによって、採用活動を成功させたいからです。あなたが自分の「勝ちパターン」「負けパターン」をアピールすることによって、双方にとってWin-Winの関係が築けるのです。

採用する側・応募する側、お互いにとってのゴールは1つ、一緒に働きたいかどうかを見極めることです。だからこそ自己分析は客観的に正しく行うことが重要です。自分の成功体験・失敗体験を、できるだけ多くの「観点」から振り返り、自分はどんな人間なのかを徹底的に分析しましょう。「Will・Can・Must」と「VSOP」の視点を念頭に入れて業界・企業研究も深めましょう。そのうえで、自分が勝てる環境を自らつくっていける情報発信や自己PRを積極的に行なっていきましょう。

まとめ

・就活で大事なポイントは、「自分の勝ちパターン・負けパターン」を理解すること
・自分の経験をさまざまな観点から自己理解を深める
・自分が勝てる環境を自らつくっていけるように、情報発信や自己PRを積極的に行なっていく

監修者プロフィール

沢渡 あまね(さわたり あまね)
作家/ワークスタイル&組織開発専門家。
あまねキャリア株式会社CEO/なないろのはな 浜松ワークスタイルLab取締役/NOKIOOアドバイザー/エイトレッド フェロー。日産自動車、NTT データなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。
350以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。主な著書:『バリューサイクル・マネジメント』『職場の科学』『職場の問題地 図』『マネージャーの問題地図』『業務デザインの発想法』『仕事ごっこ』 趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング 推進者。
沢渡 あまね

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