内定者インタビュー

内々定をもらった自動車メーカーに、子どもの頃から親しんでいました。家の車にはそのエンブレムが輝き、同社のイベントに足しげく参加。思春期を迎えても興味は尽きず、国立東京工業高等専門学校の機械工学科に進んだのも、自動車やエンジンの構造・仕組みを学ぶためでした。入学後は自動車部に入部し、空き時間にはエンジンを分解したり組み上げたり。就職活動も当然……と思いきや、同社への入社を目指してまっしぐら、とはせず、熊谷優太さんはあえて“まわり道”を選択しました。

内定者インタビュー Vol.03

国立東京工業高等専門学校 熊谷 優太さん
自動車メーカー 総合職技術系 内々定
国立東京工業高等専門学校
機械工学科
熊谷 優太さん

在学中に一番力を入れていたことは何ですか?

熊谷さんの画像

授業で学びながら、自分の車をカスタマイズしたりチューニングしたりすることに熱中していました。自動車部にも参加していましたが、それだけでは飽き足らず、空き時間ができると友人と誘い合い、車やバイクに手を加えていました。

そうした毎日を過ごしていたのは、車やバイク、エンジンをいじっている時間がただ楽しかったから。就職のためではありませんでしたし、将来自動車関連の分野に進めたらとぼんやり考えることはあっても、進路の目標としてはっきり意識してはいなかったように思います。

就職活動を振り返ってみて、どうでしたか?

就職活動はあっという間に過ぎ去りました。振り返れば刺激も学ぶことも多かった就職活動ですが、本格的な動き出しは仲間と比べて遅れてしまいました。子どもの頃からファンとしてずっと見てきた自動車メーカーを、そのまま就職活動の第一志望にしていいのか、確信が持てなかったのです。

就職の話題が周囲から聞こえてくるようになった4年次の夏、エンジン関連の企業2社が募集したインターンシップに参加したときも、エンジンをより深く理解したいという興味が勝っていました。というのもこの時期はまだ、卒業後に進学する選択肢も残していたのです。

進学の選択肢を捨て、就職を選ぶきっかけを与えてくれたのは、4年次の秋に聴いた卒業生による講演でした。先輩の話では、「高専枠採用」を設けている企業もあり、これならライバルは高専の卒業生だけ。対してプラス2年学べば専門性を高められる一方、就職活動は大学生も加わっての競争になる、と。その話を聞いた私の中に、入社してからの方が仕事に直結する学びができるのではないか、という期待感が広がりました。

就職活動中につらかったことは何ですか?

熊谷さんの画像

自分の選択が正しいと、確信する方法がなかったことです。そもそも、就職に対して「正解」かどうかは分かりようがありません。ですから、踏ん切りを付けるための根拠を求めました。

憧れの企業を第一志望にして良いのかを見極めるため、企業説明会に参加しだした4年次の12月から、対面とオンラインを合わせて11社の説明会に参加しました。あえて業種が異なる企業も含め、将来働くことを念頭に「憧れ」以外の要素──例えば業界の将来展望や企業の成長期待なども配慮し、生涯にわたり働き続けられる企業を考えました。

面接には前もって想定問答を自作し、答えを用意して臨みました。実際に面接本番では、準備した「高専で取り組んだこと」についてのやり取りがされました。具体的には社会実装のプロジェクトや卒業研究について述べたのですが、想定外だったのは予想していた以上に深く掘り下げられたことです。どれも力を注いだことですから返答に困ることはありませんでした。むしろ、自分の話を真剣に聞いてくれることに充実感を覚えました。

入社予定の企業を選んだ決め手は?

第一志望になったのは、子どもの頃からイベントに参加したり工場を見に行ったりした自動車メーカー。企業や新車の情報を、高専に入学する前から集め親しんできたのも理由のひとつです。就職活動の途中、憧れを仕事にしていいのかと考えたこともありましたが、自分が本当にやりたいことを自覚し向き合ったら、そこしかないという結論に達しました。

しかし、子どもの頃から知っていたのは、その企業の一部に過ぎないことを、企業説明会に参加したり採用担当者の話を聴いたりしたことで理解しました。就職活動を通してこの企業でやってみたいことがたくさんあると思えたことが、就活に挑み入社を決めた最大の理由だと思います。

入社後のキャリアアップに学歴を問わないという社風も、高専卒で就職しようとしている私の背中を押してくれました。多業種の企業説明会に参加した経験から、就職や仕事に対する自分の考え方や姿勢を相対的に見られるようにもなっていたこともあり、子どもの頃からの憧れに、志望という意志が伴い、第一志望の絞り込みに自信が湧きました。

その後、5年生になった4月にエントリーしました。面接は4月と6月にあり、6月の最終面接を終えた日に内々定をいただきました。 面接では、ものづくりに対する考え方や姿勢も問われました。その回答が同社のそれと共鳴したことが内々定の理由と聞き、自分の判断が「正解」に近づいたことを実感できました。

後輩に向けてメッセージをお願いします

熊谷さんの画像

就職活動は情報戦です。その第一歩は、情報を幅広く集めること。志望企業のオフィシャルサイトや就職情報サイトなどのほか、社員の声などが掲載されていれば、それもチェックすることで、企業を知るための多面的な情報が得られます。文章化されたものだけが、情報ではありません。企業説明会や見学会などに参加し、社員と話した印象や職場で感じた雰囲気も有効な情報になります。私は職場候補地に出かけ、外から駐車場に並ぶ車を見たり、工場周辺の住環境などを調べたりして、企業選びの参考にしました。

もう一点重要なことは、スケジュール管理です。説明会や見学会などは同時期に重なりがち。幅広く情報を集めた上で興味が湧いた企業や分野にもれなくアプローチするためには、丁寧なスケジュール管理が欠かせないと考えます。

就職活動は、それまで知らなかった企業や人、技術と出会える絶好の機会になります。エントリーに至らなくとも、そうした出会いを楽しむことが、悔いのない将来選択につながると思います。

ページTOPへ