理系就活の進め方

個別攻略 準備編

INDEX

このページでは本格的な就職活動の前に行う「就活準備」について説明します。就活本番でスタートダッシュを決めるには、就活準備をしっかり行っていたかどうかが大きく影響します。

科学的思考、論理的思考で取り組むことの重要性

理系学生の皆さんは、日頃から科学的思考、論理的思考をもって課題解決に向き合っていると思いますが、就活準備も同様に科学的・論理的に取り組むことで、その強みが生かされるでしょう。

就活準備を行う学生のほとんどは未経験。そのためサンプル数が「1」しかない個人(先輩や友人)の体験談やそれに基づく噂、ネット上にあふれる都市伝説など、玉石混交、真偽不明な情報が飛び交う中に身を置くことになります。就活準備や就活は、一つの正解が求められるテストではないため、内定者のやり方をそのまままねれば成功するというものではありません。

就活におけるプロセスは、数値化の難しい「生きている人間」と、日々環境が変化する中で「生きているビジネス」という、非線形な存在同士のマッチングです。森羅万象を科学的に解明するという理系のスタンスとビジネスは、実は非常に相性が良いのです。科学的に、そして論理的な思考を忘れず、まずは準備からスタートしましょう。

就活に具体的なゴールを設けるとすれば、それは「株式会社〇〇」といった会社から雇用契約である「内定」を得ることになります。そのためには、自分が目指す仕事や企業の方向性を決めなければなりません。仕事を選ぶためには自分自身の志向だけでなく、相手が求めるもの=適性やスキルといったものを検証することが必要になります。自分には何が向いているのか、どんな仕事をやりたいのか、そもそも世の中にはどんな仕事があるのか…。仕事を行う上で必要な適性やスキルを調べ、それをベースに具体的な会社を絞り込んでいく作業を就活準備として行います。

まずは自分自身を知る「自己分析」からスタートしましょう。次に、どんな業界や職種があり、どういう仕事をしているのかといった「仕事研究」を行います。最後にそれらの作業結果に基づいて具体的な応募先企業を調べる「企業研究」と進めていくと、整理しやすいと思います。

自己分析の方法

自己分析の基本

自分自身の特性(強みや弱みなど)や興味の方向性などを改めて検証するのが自己分析です。「やりたいことが見当たらない」「自分の適性が分からない」という人は、特にこの作業が大切です。自己分析を行うことで、それまで気づかなかった自分の特性や志向が見えてきます。そうした特性や志向を基に、自分がどんな職業に向いていそうか、それが生きそうな会社はどんなところかなどを調べていきます。

すでに専門分野の延長上にあるビジネスや、興味ある仕事・会社などが決まっている人は、その職務・企業と自分が合うかどうか、さらに深堀りをして具体的な仕事研究、企業研究を進めましょう。


自己分析の方法はさまざまで、ルールも正解もありません。一般的な方法には以下があります。

・自分史を書く(これまで過ごしてきた人生を簡単にまとめる)
・エピソード、経歴、成績、得意・苦手科目、趣味、スポーツ、芸術、アルバイト、サークル・クラブ活動…などを書き出す
・強み(長所や得意なもの)、弱み(短所や苦手なもの)を抽出する
・大学や院で専門的に取り組んでいる勉強・研究・実験・調査などの意義や目的成果の検証
・アセスメントツールを利用する


マイナビ2028には無料で受けられる自己分析ツール「適性診断 MATCH plus」もあります。


専門分野の整理

理系学生は、自身の性格や特性、興味といった自己分析の結果に加え、今、自分が専門的に勉強、研究している分野について、他人に説明できる準備もしておくと仕事選びやES作成、面接対策に役立ちます。


【専門性の整理】

1)学部学科/研究科専攻の中身(大学やゼミ・研究室の紹介ではなく、自分が実際に勉強していることの説明)
・エピソード、経歴、成績、得意・苦手科目、趣味、スポーツ、芸術、アルバイト、サークル・クラブ活動…などを書き出す
2)自分の研究テーマ、素材、対象(専門的な知識を持つ人向けの説明と、専門知識がなくても分かる説明の2つがあると便利)
3)その勉強を通じて得られる成果、結論、応用、実用(とくに基礎系の専門の場合、「応用」を幅広くとらえることが欠かせない)
4)新規性(独自の視点、手法、対象、成功率・失敗率)


大事なことは学会発表や論文発表をするのではなく、志望する企業に自分という人間を理解してもらうのを目的として、研究などへの取り組みを説明するということです。学部3年や修士1年の途中で研究の成果が必ずしも出ていることは限りません。研究の途中で成果が出ていない、発表段階に至っていなくても何の問題もありません。何に着目して、どんな取り組みで何を目指して進めているのかを説明できることこそ重要なのです。

仕事研究への取り組み

仕事研究の基本

仕事研究の目的は、「世の中にはどんな業界や職種があるのか?」「それぞれの業界や職種で、どんな仕事をしているのか?」ということを知り、さらに自己分析であぶり出した自分の特性や志向と照らし合わせて自分の進む方向性を具体化することです。

何となく知っている企業が多いとか、かっこよさそうだからという表面的な理由をきっかけに業界や職種に、興味を持つのも、それほど悪くはありません。会社や仕事を知るきっかけは何でもいいのです。ただし、「何となく知っている」止まりでは、業界や職種を選ぶ際の具体的な材料になりません。きちんとその業界や職種を取り巻く情報を集めて、しっかりと仕事の内容について調べなくてはいけません。

例えば、技術職や生産職、SE(システムエンジニア)など、職名を知るだけでなく、自分がその会社で担当する職務の具体的内容まで調べましょう。「技術系総合職」のような場合は、会社説明会などで、実際にどんな職務があるのか聞いてみるといいでしょう。

理系の仕事にどんなものがあるのか分からない場合は、マイナビ2028「理系の仕事研究」などを参照して概略を知り、さらに志望企業における、その職務内容を調べれば良いでしょう。完全に理解できずとも、大まかに人に説明できるくらいまで調べられたら十分です。不明点がある場合は会社説明会などで質問することで、解消できます。

企業研究の考え方

企業研究の基本

就活準備で行う企業研究とは、企業が行う仕事の内容や会社規模、業績から、働く上で関わってくる福利厚生などに至るまでさまざまな情報を収集し、詳しく知ることです。「メーカー」「IT」「商社」など、どの業界に属しているかという区分だけでは大くくり過ぎて、企業について分かったことにはなりません。

例えば、「レアメタル素材メーカー」「システムインテグレーター(SIer、システムインテグレーター)」など、少なくとも実際の商売の仕組みが類推できるくらいを最低ラインとして、その会社についての理解を深めましょう。

志望する企業に関連する会社を調べていくだけでも、その情報はぼう大なものとなります。いくら調べても切りがないように見えますが、実は最優先で調べるべき情報は限られています。まずは、志望する企業の「ビジネス」がどのようにして成り立っているのかという、「ビジネスモデル」を理解しましょう。ビジネスモデルの見方は後述しますが、これが理解できれば、その会社で自分が担当する職務や職種も想定でき、その会社で働きたいか、入社後に活躍できるかなど具体的なイメージも湧き、会社選びの判断もしやすくなるでしょう。


企業研究の進め方

日本国内にある企業は何百万社にものぼるため、いきなり企業研究といわれても、どの企業から調べていけばいいのか、とっかかりがつかめないということもあるでしょう。

また、企業研究があまり進んでいない状況で限られた情報に頼って対象企業を絞り込んでしまうと、極めて偏った母集団形成になってしまいます。まずは、このページで紹介する内容を参考に企業情報を集めつつ、自分が理解している会社を増やしていくことが、効率的な進め方になります。


専門を生かす? 専門分野外にチャレンジ?

理系の学生が仕事や企業を選ぶ際の第一歩目は、まず大学で学んでいる内容(学科/専攻)とつながる会社があるかどうか確認することです。電子電気系の学生であれば、電機系企業、建築系の学生であれば建設会社といったように、分かりやすく専門分野とビジネスがつながっている場合は、専門性を生かす企業が見つけやすいでしょう。

しかし実際には、基礎系などの専門分野は直接ビジネスとはつながらないことが珍しくありません。そんな時は、学習や研究の過程で実感している自分の強み、例えば「課題発見能力」「実験計画と進捗管理」「数値分析」「プログラミング」といった能力が「生かせそう」な専門分野外の会社を探すことになります。理系の専門性に直接関連しない企業に進む、いわゆる「文系就職」も専門分野外の一つです。


具体例を挙げて考えてみましょう。

質問:今、勉強していることは何ですか?
回答:理工学部応用化学科で、ゼオライトなどミクロ孔をもつ物質の研究をしています。

質問:その勉強で生まれるものは?
回答:ナノサイズの孔を利用する吸着システムで高性能な分離機能を研究しています。石油化学や土壌改良剤などに応用できるだけでなく、高性能フィルターの開発に役に立ちます。


これだけの問答でも、興味深いキーワードがいくつも出てきました。

基礎研究など、そのまま業務内容と結び付くことが少ない分野を専攻している場合は、原理や仕組みの解明などを通じて、企業が求める成果を生み出す可能性があります。直接は役立たなくとも、「数学の理論研究がAIの機械学習につながる」「DNA研究が農薬開発に結び付く」「研究でプログラミングをしている」など、広い視点でビジネスとの結び付きを考えましょう。

研究発表ではないので証明する必要はありません。専門で勉強している知識をフル稼働して、想像力をふくらませながら自分の可能性を広げてください。発想の飛躍や多少の強引さは全く問題ありません。

マイナビ2028の企業検索には「フリーワード検索」があります。自分の強みや関連するキーワードを使って検索してみると、それらとのつながりのある企業が見つかる可能性は高いでしょう。

試しに「ゼオライト」や「土壌改良」などのキーワードを入れてみましょう。1つに絞らず、さまざまな表現や、別の切り口での強みも調べてみて下さい。最初はあまり企業を絞り込まず、なるべく多くの企業を候補としたいため、1ワードだけで検索するのがおすすめです。検索結果として表示される企業数が多くなり過ぎたら、複数のキーワードや、企業規模や勤務地などで絞り込むなどの工夫をしてみましょう。



実際の企業探し

マイナビなどの就活サイトを使って、企業を検索するだけでなく、企業が単独で行う個別説明会や、多くの企業が集合して行う合同説明会などに出席して、いろいろな企業の説明を聞くこともおすすめします。

説明会は、対面でもオンラインでも直接企業の方から話を聞けるため、疑問点もその場で解消できるといったメリットがあります。また合同説明会であれば、参加をきっかけに「初めて知る会社」との出会いが生まれ、それがきっかけで選択肢が増えるなど、合同説明会ならではのメリットがあります。

マイナビ2028の企業検索であれば、忙しい理系学生でも自分の都合の良い時間に企業探しができるため便利です。検索結果として企業が表示されたら、その中で知っている企業でも一番上に表示された企業でも何でもいいので、まずは1つの会社を選びましょう。そして、その企業の情報からビジネスモデルを改めて理解してみるのです。そして「もっと深く知りたい」「志望候補にしたい」と感じるのであれば、さらに深い情報を得るために、その企業のWEBサイトをチェックしていきましょう。

企業のWEBサイトに掲載された内容で見るべきポイントは「会社概要」「事業概要」「製品・サービス情報」などです。また検索機能が付いていることも多いので、マイナビ2028のフリーワード検索と同様に自分と関連するキーワード(上記の例であれば「ゼオライト」や「土壌改良」といったもの)で、検索してみるといいでしょう。

こうして実際に情報収集を進めていくと、自分が学習する分野や研究対象がさまざまな企業のビジネスと関連しているのかが分かります。会社の事業と密接な関係にあれば、その会社が志望先候補になるだけでなく、同じ業界の企業も候補になり得ます。マイナビ2028の企業検索では、その会社と似た属性や同時エントリーが多い企業名なども表示されるので、志望先となる選択肢を広げるヒントになります。このようような機能を活用して選択肢を広げていく方法は、限られた企業知識の中で選ぶよりも圧倒的に有利なことは間違いありません。




企業探しのポイント①

対象となる企業が限られる専門分野の学生

数学や物理他、基礎系と呼ばれる専門の学生は、そのままビジネスに直結する業界が他の分野と比較すると少ないため、専門外であるITやコンサルティングなどの業界を志望することも多いと思います。

実際にはそれ以外にも、製造業などで、広く数学や物理学などの知識や素養を求める企業は少なくありませんし、「専門分野を問わず理系学生なら応募可能」という企業もあります。自ら可能性を狭めないように、採用情報で応募条件をよく確認するようにしましょう。業界や職種をできるだけ柔軟にとらえることで、自分の選択肢を広げてください。

また、バイオ系、ライフサイエンス系も、対象企業の少ない分野の一つです。実際バイオ系専門企業となれば、全ての企業の中でも限られた選択肢しかないのが実情です。しかし、企業名に「バイオ」と付かない会社や、一見バイオとは関係なさそうな会社、例えば鉄鋼や電機といった企業で活躍するバイオ系の学生もいます。

つまり、学生である自分の感覚や専門分野だけを尺度にして、対象企業を絞り込んでしまってはいけません。皆さんの可能性がどこで生きるのか、キャリアが築けるのか、できる限りフラットな視点で企業探しをすることが重要です。対象となる業界や企業がうまく見つけられない時は大学のキャリアセンターで相談するのもいいでしょう。新たな視点を得られたり、卒業生の例を紹介してくれたりするかも知れません。マイナビが主催する合同会社説明会に参加し、一見、自分と関係なさそうな企業の方と直接、話をしてみる手もあります。

一番のカギは「応用」です。自分の実験や研究対象、手法、データ収集や調査方法といった能力を、専門分野とは直結しない会社で発揮できないでしょうか? 日ごろから、実験データなどの処理や解析をしている人であれば、他の仕事で活躍できる可能性は十分あります。積極的に想像力や発想力を働かせて、自分の能力が「応用」できそうな会社を探せば、可能性はどんどん広がります。


企業探しのポイント②

IT・DXは理系に広く門戸を開く

情報やコンピュータ、データサイエンスなどの専門でなくとも、理系学生はIT分野への親和性が高いとされています。またIT企業は全体的に採用意欲が高い傾向があるといわれており、理系学生全体に門戸を開いている可能性があります。

最終的に入社するかどうかは別にしても、IT系企業とIT系職を検討対象に入れておくのは賢い選択だといえます。ちなみにIT企業といってもハードメーカーからソフト・プログラミングまで幅広く、プログラマーやSEであれば、ほとんどの企業で採用の可能性があります。



ビジネスモデルの見方

企業研究で、企業のWEBサイトを見る際に重視したい情報は、その会社が行う事業の仕組みである「ビジネスモデル」です。「ビジネスモデル」という言葉をそのままストレートに表したページは、あまり用意されていないと思いますが、企業のWEBサイトであれば必ず設けられているといっていい「事業内容」「製品情報」「ソリューション」「サービス」などのページに着目しましょう。そこにはその会社がどんな事業をしているのかが書かれています。大企業で事業範囲が広い会社もありますので、すべてを理解する必要はあありません。自分の専門性と関係がありそうな事業を見るだけで結構です。

例えば、メーカー(製造業)であれば「モノを作っている」ということはWEBサイトを見なくても分かります。しかし、その企業が、何をどうやって(どこから)調達し、出来上がった製品を誰に売っているのかという仕事の仕組みまでは、なかなか知る機会も少ないでしょう。

「事業内容」「製品情報」のページを読むことで、「調達が容易で豊富な原料を基にしている」「サービス主体で原料は不要だが、人がいなければ成り立たない」「金融や保険など、お金を媒介に付加価値を提供している」というように、その会社の事業の具体的内容を知ることができます。これがその会社のビジネスモデルと呼ばれるものです。

理系の強みは専門性ですから、自分が理解できるビジネスモデルであれば貢献できる可能性が高く、企業にアピールできます。 逆に仕組みが理解できない、明確に説明されていない企業は、相性が悪いと考えて選択から外すといった選択も検討できるでしょう。

「BtoB」という理系の王道

「BtoB」「BtoC」企業という言葉を聞いたことがありますか?

「BtoC(ビー・トゥー・シー=ビジネス・トゥ・コンシューマー)」企業とは、一般消費者向け最終製品やサービスなどを提供している企業のことで、テレビCMなどで目にする機会も多いでしょう。「BtoB(ビー・トゥー・ビー=ビジネス・トゥ・ビジネス)」企業とは、主に他の企業に対して業務用製品やサービスを提供する企業のことです。

「BtoB」の企業は、一般的には目につきにくい取引をしているため、消費者の知名度は高くありませんが、日本の産業を支える優秀な企業が数多く存在します。「BtoB」と「BtoC」の違いは企業の優劣ではなく、事業領域の違いに過ぎません。大手自動車メーカーは「BtoC」企業ですが、その自動車メーカーに部品や原料を供給するのは「BtoB」企業です。株式上場している大企業も数多くあります。業界知識のある人から見れば事業が安定した優良企業として評価が高いところも少なくないでしょう。

「BtoB」企業は、理系学生の武器ともいえる専門性を発揮する環境としては、極めて重要な企業群です。学生目線での知名度だけで判断するのは絶対に避けましょう。
「食品」「薬品」「化粧品」など、極めてし烈な競争となるBtoC企業ばかりを受け、苦戦する専門分野学生の例があります。全企業数の1%以下ともいわれるBtoC企業「だけ」に限定したり、BtoB企業を無視した企業選びをしたりすることは避け、広い視野で臨むようにしましょう。

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